私は「無法松の一生」は板妻版も三船版も見ていて、映画評論家の某大御所氏(名前を忘れたが、佐藤何とかと言ったと思う。)は板妻のほうが明治の人間の雰囲気があっていい、と評しているが私は三船版が無法松の「無法な」一面と優しさとの両面が良く出ていて、ユーモアも躍動感もあって優れているという意見だ。板妻も「雄呂血」での立ち回りを見ると運動神経の抜群な役者ではあったと思う。この「雄呂血」は、最後の立ち回りの劇伴とアクションのコラボが凄いので、それを見るためだけでも見る価値のある無声映画である。「無法松の一生」が世界映画史の上位にある超名作であるのは言うまでもない。だが、ひねくれ者の太宰治はこれ(板妻版)をけなしている。
なお、板妻の三人の息子はすべて俳優になり、長男が田村高廣、次男が田村正和、三男が田村亮である。この中では田村正和(「古畑任三郎」)が一番有名だろう。
なお、下のツィートでは「阪東」と書いているのでそちらが正しいのかもしれないが、調べるのも記事中の字を訂正するのも面倒なのでそのままにしておく。