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ゲーム・スポーツなどについての感想と妄想の作文集です 管理者名(記事筆者名)は「O-ZONE」「老幼児」「都虎」など。
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2010年10月28日の記事で、今でもこの考えは変わらない。





どういう球団をひいきにするか



打者の成績というものは、4打数で1安打なら2割5分で、並みの打者。4打数で2安打なら5割で、奇跡の打者。1試合だけで見るならば、並みの打者と奇跡の打者との差はヒット1本の違いでしかない。しかし、1試合にたった1本のヒットでも、打てない奴にはまったく打てないのが野球なのである。もちろん、選ばれてプロ野球界に入ってくるくらいの人間なら、最悪でも通産打率2割程度は残すものではある。
しかしまた、ポジションによっても打率の価値は変わる。
たとえば通産打率2割7分というのは、どの程度の価値かと言うと、捕手なら、超一流の成績である。最近引退した阪神の矢野が残した成績がそれだ。彼の打撃は、落合が褒めていたほど優れた打撃であったが、それでも生涯成績は2割7分程度である。おそらく、古田で2割8分くらいかと思う。野村も2割7分台だろう。それ以外の選手で2割7分以上を残した選手は日本にはほとんどいないのではないだろうか。城島がもしかしたら2割7分を超えていたかもしれないが、打てる捕手として知られた木俣あたりでも2割6分台だろう。
大リーグは捕手王国であり、マイク・ピアッツアなどは毎年のように3割を超えていたから、通算成績でも3割を超えていたかもしれない。こういうのは、化け物である。そして最近は、イチローよりもヒットを打つのが上手で、捕手で首位打者も取ったマウアーなんて化け物もいる。
捕手と同様に、守備力優先のポジションが遊撃手で、日本の場合は、遊撃手で2割8分も打てば、他のポジションでの3割の値打ちがある。しかし、守備の内容が激務であるという点では、やはり捕手が一番である。したがって、捕手の打撃の合格ラインは2割3分くらいと見てよい。捕手にそれ以上を求めるなら、特別ボーナスを出すべきだろう。
捕手というポジションは、グラウンドの監督と言われる。実際にプレーする選手の中で、グラウンド全体をその中心の位置から見渡すことができるのは捕手だけなのである。そして、投手への指示を出し、相手打者と頭脳の対決をするのは捕手である。この点では実際の監督よりも試合に関与しているのである。捕手は、守備面での監督、そしてチーム監督が攻撃面での監督だと言えるかもしれない。
したがって、優れた捕手がいるかどうかは、チーム成績に大きく関係するのは言うまでもない。
捕手に求められる資質は、① 盗塁阻止率4割以上を残せるだけの肩の強さ。 ② 投手リードの上手さ。 ③ キャッチングの上手さ。 などであり、打撃力はその次にしか来ない。打撃が必要なら、他の楽なポジションの選手がその役目を果たせばいいのである。
そして、③のキャッチングの上手さは、長い間やっていれば誰でも上達するものなのだから、結局、捕手を探す場合には「最低限度の肩があること」「野球頭脳があること」の2点が重要ポイントだということになる。しかし、ほとんどの野球チームは、新人捕手を探す際に、まず打力を見るのである。なぜなら、捕手の野球頭脳は、外面からは分からないからである。コンビを組む投手の能力によっても、捕手の野球頭脳の評価は変化する。
しかし、一つのチームをずっと観察していれば、そのチームの捕手のレベルは分かるはずだ。長期に亘って低迷しているチームは、まず捕手を変えることが必要だ。
すぐれた捕手は、投手の能力を2割以上向上させる。場合によっては4割も5割も向上させる。防御率が4.0の投手陣の能力が2割向上したなら、防御率3.2である。1試合に取られる点数が4点であるのと、3点であるのとでは、シーズンを通しての勝率も大きく変わるはずである。チーム成績が同じように2割向上したとすれば、勝率5割のチームなら、勝率6割となり、一躍、優勝を争うチームになるわけだ。
野球の面白いところは、どんなに強いチームでも、10戦して7勝3敗がせいぜいで、年間を通して勝率8割というチームはまず存在しないことである。つまり、勝率6割というのが、優勝を目指す場合の現実的目標の第一段階となる。言い換えれば、3連戦が2回続いた場合に、2勝1敗、1勝2敗という五分の星を残せば、最終局面で優勝争いに加わる可能性はあるということだ。しかし、それが1勝2敗、1勝2敗となると、いきなり最下位争いということになる。その差は、6試合では実に1勝の違いでしかないのである。
しかし、こうして2勝4敗と負け越した場合、その星を五分に戻すには、通常はその後の3連戦2回で、2勝1敗、2勝1敗の勝ち越しを続けないといけない。実際には弱小チームは、ここでも1勝2敗、0勝3敗という星を残し、シーズンを通して最下位争いをすることになる。そういう弱小チームが3連戦3連勝するという甘い夢は、滅多にかなうことはないのである。なぜなら、弱小チームには信頼できる先発投手が3人いるということはほとんど無いからだ。2勝1敗、あるいは1勝2敗というペースを平均して維持するには、年間を通して5分の星を残せる先発投手が5人から6人必要である。そして、投手陣の能力を最大に引き出すには、優れた捕手が必要なのである。
もちろん、完成された投手ならば、捕手が誰だろうと実力を発揮できるだろう。しかし、そういう投手、いわゆるエース級の投手は、各チームに2名前後しかいない。あるいは一人もいないというチームもあるはずだ。横浜などがそれである。三浦など、鳥無き里の蝙蝠でしかない。一方、成績はふるわないが、楽天という球団には、岩隈、田中とエース級が二人もいる。
先発投手6人が贅沢なら、それを5人か4人に絞ってもいいが、エース級以外の投手はそれほど力の差があるわけではないから、そこで捕手の力とベンチワーク、つまり監督の力が発揮されることになる。つまり、1試合で4点取られる投手の失点を3点までに抑え、1試合で3点しか取れない打線が4点取る、というのが捕手と監督の仕事なのである。相手チームの投手が絶対的なエースでない場合、捕手と監督の能力によって試合の勝ち負けは大きく変わってくる。
言い換えるならば、相手チームがエースを出してきた場合、「この試合は8割がた負けだ」という覚悟で戦うしかないのである。それがエースという存在だ。しかし、仮に、こちらの出した2流投手が絶好調で、最小失点で抑えていたなら、こちらにも勝つチャンスが生まれる。たとえば、1対0でこちらが負けていても、9回裏、相手エースが死四球を出し、その後、失投してど真ん中に投げたボールをこちらのへぼバッターが一世一代のスイングをしてホームランにする、ということもあるわけである。これが、プロ野球には完全な記録、つまり打率10割の選手も、生涯防御率0.00の選手もいない理由である。
だが、だいたいの場合は、チームの成績は、個々の選手の能力の足し算になることが多い。3割打者3人と30本塁打を打つ打者3人を揃えたチームは、3割打者0人、30本塁打の打者0人のチームよりも、得点能力は2~3倍高いだろう。つまり、通常なら、この両チームは2対0とか、3対1とかいう得点で前者が勝つはずだ。しかし、野球には無数の戦法がある。チームの全員が快速選手なら、単打しか打てなくても、盗塁をどんどんやって塁を進め、犠打やスクイズもどんどん使って点を取ることもできる。ただし、その間に相手チームがどかんどかんとホームランを打って、その倍以上も点を取る可能性は高いが。
要するに、3割打者やホームランバッターというものは、やはり価値があるのである。
したがって、チーム作りをする場合には、だいたいにおいて次の要素を満たすことが必要である。
①    優れた捕手が一人と、その控え捕手が一人。
②    ある程度の安定性のある先発投手が5、6人。
③    安定性のある守備をする遊撃手が一人と、二塁手が一人。
④    3割打者が2~3人。
⑤    ホームランバッターが2~3人。(3割も打てるホームランバッターならなお良いが、その場合はそういう選手がチームに2人以上いるというのは、かなり恵まれた状態だと言える。)
⑥    8割以上の確率でリードを守れる抑え投手が一人。
 
 
現実のプロ野球球団を見ても、だいたいにおいて、これらの条件を満たしているチームが強豪チームであるはずだ。
しかし、問題は、これらの条件を満たす選手は値段も高いということである。そこで、貧乏球団は前記の条件ではなく、他の要素を満たす選手を使ってチーム作りをすることになる。たとえば、次のような選手だ。
 
①    打撃力はあるが、守備がへたくそな野手。
②    守備は上手いが、打撃力はまったく無い野手。
③    守備も打撃もダメだが、足だけは速く、盗塁の勘もいい野手。
④    球は速いがコントロールが悪い投手。
⑤    球は遅いがコントロールはいい投手。
⑥    三振が多いが、長打力はある打者。
⑦    三振は少ないが非力な打者。
⑧    肩は強いがリードが下手な捕手。
⑨    野球頭脳はあるが、肩が弱い捕手。
 
きりが無いので、これくらいにするが、実は野球を見るならこうした貧乏球団を応援するのが一番面白いのである。私が昔応援していたのは広島カープで、山本浩二、衣笠祥男らが台頭する以前の、つまり「赤ヘル」以前のカープであった。その二軍選手を応援し、彼らが一軍で起用されてヒットでも打ったら、我が事のように喜んだものだ。
その頃の広島の二軍選手の渋谷とか上垣内とかいう名前を今でも覚えている。佐伯投手なども、その時代だっただろうか。まだ安仁屋、外木場が現役だったころだ。 
その広島に法政大学から山本浩二外野手が入り、もちろん私は彼を応援した。強肩で有名な外野手で、最初は守備の人だったのだが、30歳を過ぎるころから長打力が出てきて、何度かホームラン王を取るまでになった。ジャイアンツの黄金時代が終わり、掛布、山本浩二が打のスーパースターになったのである。同じ頃、鉄人衣笠も安定した成績を残すようになって、赤ヘル黄金時代となったのである。
しかし、そのように強くなった広島には、私はもはやあまり関心がなかった。私の興味は不人気リーグの王者、阪急ブレーブスに移っていた。
それまでは弱小球団を応援していたのが、今度は、力はあるのに人気に恵まれないという不運な球団に肩入れするようになったのである。
そして、その頃の阪急は素晴らしい球団だった。
日本球界史上最高の盗塁王福本、いぶし銀の大熊、(のちにはハンサム蓑田)強打者加藤、長池、代打男高井、サブマリン足立に山田(のちには佐藤義則など)、守備の名手大橋、そして後には快速球の山口崇志など、実に役者揃いの魅力的な球団であった。そして、それを率いるのは、名将西本、智将上田である。
これだけの魅力的な選手を持った球団が、パリーグであるというだけで、低い知名度に甘んじているという理不尽さが、私をいっそう阪急びいきにしたのだろう。
今思っても、この頃の阪急にまさる魅力のある球団は存在しない。私は知らないが、黄金時代の西鉄ライオンズくらいだろうか。V9時代の巨人はもちろん素晴らしいが、それは王・長嶋の二人の魅力によるものだ。この二人がいない巨人などに、何の魅力があろうか。
だから、もちろん、現在の巨人にも私は魅力を感じない。
それよりは、かつての弱小時代の広島のような球団を、応援してみたいと思っているのである。


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