割と、ネットのドラフト関係スレッドにも挙がっている名前が多いが、番付の順位はかなり恣意的な気がする。まあ、スポーツ新聞というものはもともとその程度だが、これで巨人（報知は巨人の御用新聞というのは常識）が番付下位や番付外の選手をドラフト上位で指名したら面白い。
それにしても、去年の田中正義で学習しただろうに、プロ球界はまだ懲りもせずに「マスコミ人気」の高い選手を上位指名するのだろうか。
結局、マスコミ的にはほとんど人気の無かった濵口や源田や京田が一番働き、それ以外で働いたのもけっして上位の選手ではない。まあ、山岡のように前評判と成績がほぼ一致した、地味めの選手もいるが、そう多くはない。つまり、マスコミ人気というのは虚像であるのがほとんどで、しかもそれが高校生となると、大金を使って獲得してもそれが物になる確率は非常に低い。清宮や安田の打球の速さや飛距離はたいしたものだが、それが果たして木製バットでも通用する能力かどうか疑問である。
清宮あたりなら、まあ、契約金５０００万円くらいなら獲得してもいいが、守備走塁能力等を考えると、それ以上を出す「選手価値」は無い、と私は思っている。もちろん、清宮が自分で豪語しているように将来、王貞治のホームラン記録に挑戦するほどの選手になる可能性もゼロではないが、それはロッテの「守備の人」岡田がシーズン２００安打をする選手になるくらいの確率だろう。つまり、限りなくゼロに近い話だ。まあ、最善でゴジラ松井レベルになったら御の字だろうか。そこまでも、いや、その７割も行くまい。大リーグならレギュラーにすらなれないレベルで終わると思う。そもそも、どの球団が彼をどのポジションで使えるのか、非常に限定されている。つまり、実績のある外人選手を獲得したほうがはるかに確実性のあるいい投資なのである。
まあ、横浜が清宮を獲得した場合、非常にうまく行った場合で、１年目打率１割９分、２本塁打、５打点くらい。２年目、打率２割２分、７本塁打、２０打点。３年目打率２割５分、１０本塁打、４０打点といったところではないかと思う。そして、彼を使うために、チームはいろいろと犠牲を払うことになり、彼の挙げた数字以上のマイナスをチームは受けることになる。
これは筒香が１軍で出始めたころにも起こったことである。私はそれで中畑をさんざん非難したが、それは筒香があのレベルの選手になった今でも間違った批判だとは思わない。野球はチームスポーツであり、ひとりの選手の成長のためにチーム成績を犠牲にするということはあってはならないことである。しかも、現在のようにチームがAクラス常連を目指せるポジションにまで来ている時に、清宮など取ればむしろチーム成績の足かせにしかならないだろう。

まあ、横浜フロントが、清宮を１位指名して競合し、籤に負けて外れ１位で東あたりを指名してまた籤に負け、（田嶋はもちろん他球団が１位獲得決定していて）わけのわからない社会人投手を指名するというのが、一番ありそうな成り行きである。一番いいシナリオは、東を１位指名し、一本釣りか２球団程度の競合で、籤に勝って東獲得、左王国横浜を作ることだろう。もちろん、田嶋１位指名でもいいが、なるべく競合の少なそうな東で行くのがベストだと思う。能力は東のほうが田嶋より上だと私は見ているのだが、なぜか驚くほど東はマスコミでは話題にならない。そこがいいのである。一番働く選手は、マスコミがあまり話題にしなかった選手から出るものだ。

スポーツ報知版ドラフト番付