マリナーズ菊池雄星投手(29)が15日(日本時間16日)、ブルワーズ戦に先発し、4回途中まで2安打1失点、6奪三振と好投した。


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マリナーズ菊池の投球フォームを見た第一印象は「リラックスしていて、安定してる」だった。細かく言えば、立った姿勢もいいし、肩の上下もなく、体のブレもなかった。右足の上げ方を変えた取り組みは非常にいいし、投げ方としても良かった。過去に、普段はコントロールが荒れるが、セットでクイックになると安定した投手がいたが、頭や体の上下運動が減れば制球は安定する。


真っすぐの場合は力みが出るのだろうか。リリースの瞬間までは力感なく、安定したフォームなのだが、少しぶれる。スライダーの時はなく、いいところに決まるのだが、真っすぐはコントロールのばらつきが見えた。速い球は武器となるが、メジャーでスピード勝負できる日本人投手はエンゼルスの大谷くらいだろう。メジャーで勝つのはコントロールがいい投手で、ツインズ前田がそうだ。


コントロールが安定すれば、課題である球数の多さも解消される。ブルワーズ戦では5者連続を含む6三振を奪ったが、3回1/3で65球。好投しても早い回で降板すればリリーフに負担がかかるし、追いつかれれば勝ち星は消える。確率を上げるにはベストは先発完投、次はクローザーへの直接リレーで、長い回を投げることが自らの勝利にもつながる。


メジャー3年目を迎え、フォームを変える決断をしたことは非常にいいし、導き出した方向性も素晴らしいと言える。修正の最中だろうし、新たなフォームが身に付いてくれば、大きく飛躍を遂げる可能性はある。(日刊スポーツ評論家)