中日スポーツ
 中日・京田陽太内野手(24)が12日、ナゴヤ球場で根尾と初めて対面。遊撃の定位置争いをするライバルとみられるが、逆に気遣いをみせるなど、よき兄貴分として振る舞った。

中日ドラゴンズにとって、中日ファンにとって、そして京田と根尾にとって、「遊撃のポジション争い」は有益なのだろうか。

野球の野手のポジションは8つしかない。8人しかレギュラーはいない。1つのポジションで競合が起これば、1人は控え選手になる。出場機会が限定される。
2人が競り合うとなれば、長短はあるだろうが、実力が拮抗していれば、あたら有力な選手が控えに甘んじることになる。
京田は今、セ・リーグ屈指の遊撃手だ。同期の西武、源田とともに守備範囲が広い遊撃手であり、坂本勇人を追いかける存在だ。根尾が入らなければ、今季の中日の正遊撃手は、京田で決まりだったはずだ。




根尾は言うまでもない。身体能力でも、頭脳でも高校生のレベルを大きく超えている。投手でも有望だったが、彼は遊撃手で勝負したいといっている。




よく「ポジション争いが楽しみだ」というが、具体的に何が楽しみなのだろうか?
野球では二人を同時に同じポジションで起用することはできない。かならず一方が控えになる。そして指揮官は「どちらをレギュラーにするか」を決める。一日おきに京田と根尾を起用することは、公式戦ではまずない。そういう使い方をすれば、選手が緊張感が持続できず、調子が上がらないことが多いからだ。

つまり、2人力の拮抗した選手がいるチームでは、必ず一方が塩漬けになるのだ。京田も根尾も、塩漬けにするのはあまりにも惜しい。

MLBではポジション争いはあまりない。新しい有力な選手が入団すれば、同じポジションの選手は放出される。放出されなくてもレギュラーと正選手ははっきり差別化され、控えの選手は守備固め、代打、代走、故障者のリザーブに回る。同じポジションにレギュラークラスを二人抱えるような愚はまずしない。

中日は京田という素晴らしい遊撃手がいながら、なぜ遊撃志望のトッププロスペクトを獲得したのだろう。くじ引きになるから、どうせ当たりはしないと鷹をくくっていたのだろうか?どんなプランがあったのだろう。
新しいおもちゃを買ってもらったから、古いおもちゃをおもちゃ箱にしまうような、愚かな補強は、NPBでしばしばみられるが、選手のことを考えているとはとても思えない。