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ゲーム・スポーツなどについての感想と妄想の作文集です 管理者名(記事筆者名)は「O-ZONE」「老幼児」「都虎」など。
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 家族紹介のところで書き忘れたが、僕には祖父がいて、父の父である。年は60数歳だろうが、正確には分からない。たぶん63歳だろうか。祖父は隣県の郊外というか、田舎の一軒家で一人暮らしをしている。或る企業を60歳で退社して、年金暮らしの隠居暮らしである。退職金が、田舎の土地付き一軒家になったわけだ。家の裏に畑と庭を作って、いわゆる晴耕雨読の暮らしだ。父からは同居を打診されたが、一人が気楽だと断ったようだ。
 まあ、異常なほどの健康体なので、病気の心配は無さそうである。何しろ、60歳を超えた今でも筋骨隆々たる体(のはず)である。(別居前に見ただけだから、半分は想像だが、引退前は毎日ジムに通って体を鍛えていた。)父が電話で聞いたところでは、毎日、木刀を何百回も振り、畑では鍬を朝も昼も振っているという話である。また、毎朝のように、近くの丘や神社まで散歩しているらしいから、足腰も達者だろう。
 期末テストが終わって成績発表があったら、すぐに夏休みに入るが、今年の夏は僕はこの祖父、健太郎のところに行くつもりである。祖父の住むところは、南には海、北には山という、自然に恵まれたところなので、そこで英気を養おうというか、遊びに行くわけだ。
 「という予定だ」
と、岳弥に言うと、たまたま近くでそれを聞いた伊達達也が、「おい、何だそりゃあ、羨ましすぎるぞ」と割り込んできた。
「お前の家は金持ちなんだから、グアムだろうがサイパンだろうがどこにでも行けるだろう」と僕。
「いやいや、外国というのは気が休まらない。やはり、日本の夏は日本の田舎に限る。どうだ、このクラスから何人かで夏休みツアーといかないか。何しろ、お前の爺さんの家なら、宿泊費はタダだろう」と、金持ちにも似合わないケチで図々しいことを言う。
「食費と交通費は、俺が全部持ってもいい」と付け加えたところは、図々しいのか鷹揚なのか。
「ただし、女子限定だ。男のカネは出さん」
「まさか、女子が男子と一緒に宿泊旅行などできんだろう」
「だから、できる奴だけ参加だ」
大声で言っていた達也の話をクラス全体が耳を盗聴器にして聞いていた。
「ねえ、その話、本気なの」
と言ってきたのは、眼鏡美人で口の悪い須田飛鳥である。
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