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ゲーム・スポーツなどについての感想と妄想の作文集です
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私も最近、「異世界ファンタジー」という言葉に疑問を持っており、それは上橋菜穂子の「守り人」シリーズを読んでいて持った不満がきっかけであった。まあ、「守り人」シリーズがなかなかの出来の作品であることは認めるが、私の気に入らないのは、趣味が違うと言えばそれまでの話だが、その「リアリズム」と「ファンタジー性」の混合ぶりなのである。
それこそが「守り人」シリーズの最大の長所だ、というファンが大半だろうとは思うが、私から見ると、
「せっかくこれだけリアリティのある描写力と構成力を持っているのに、なぜナユグ世界との往来などというつまらないファンタジー描写ですべてを台無しにするのだろう」
と思うわけである。
ナユグ世界の描写をいかに丹念にやろうと、所詮はファンタジーであり、大人の読者が没頭できるようなものではない。私などから見ると、ファンタジーはどうでもいいから、さっさと権力闘争の物語に戻れ、と言いたくなるのだ。特に「天と地の守り人」は、国家間の戦争や策謀の部分が面白いだけに、定期的に挟まれるファンタジー描写にいらいらさせられる。
同様の異世界ファンタジーの一つ、「デルフィニア戦記」もファンタジー部分はあるが、その割合は非常に小さく、「現実世界(人間世界)」部分の話とのバランスがいい。(ただし、こちらもファンタジー部分は私には非常につまらない。)
「異世界物」と言えば、田中芳樹の「アルスラーン戦記」や「マヴァール年代記」が代表的だと思うが、後者にはほとんどファンタジー性は無い。地球上のある時代のある場所にあってもおかしくない世界で、地球上の人間と同じ思考や嗜好を持った人々が物語をつむいでいくわけで、こうなると「時代考証の不要な時代劇」というのが実は「異世界物」が書かれる真の理由ではないか、と思う。私も昔そういう小説を書いたし、凡百のライトノベル作家が書く作品の大半が異世界物である理由も、「変に時代考証で突っ込まれることもないし、非日常性の楽しみという小説の最大の効用が得られるから」かと思われる。
だが、小説世界に読者を没頭させるには細部の「リアリティ」が必要なのであり、ファンタジーノベルは、最初からそういうリアリティが欠如しているために、私のような読者を遠ざけるのである。そういう意味では「十二国記」も私には読むのが苦痛な作品で、冒頭部分だけで投げ出したものである。麒麟が王を選ぶなどという筋を少し聞いただけでも、ああ、これは私には駄目だ、と思って何年も読まなかったが、思い切って読んでもやっぱり駄目だった。それよりは怪獣などが登場して町や村を破壊するほうが私にはリアリティがある。大昔には恐竜がちゃんといたのだから、騎士物語にドラゴンが出ても、何も不思議はないわけだ。幽霊の実在だって信じる人間もいるのだから、少し超自然的な描写があっても問題ではない。だが、人語を話す怪物、となると途端にファンタジーになるのである。
というわけで、私が「異世界ファンタジー」という言葉に最近違和感を持っているのは、「異世界の中に最初からいる」と「異世界に行く」の問題ではなく、「ファンタジー要素があるから面白い」という多くの人の思い込みとは逆に「ファンタジー要素」が異世界物をつまらなくしているのではないか、という疑問を持っているからだ。


(以下引用)



2016-02-01

『ロードス島戦記』は異世界ファンタジーではない……のかもしれない。



ライトノベルにおける異世界ファンタジーの代表作といえば水野良『ロードス島戦記』だろう……。

 といったような文章を、僕はこれまでいろんなところで書いた記憶がある。

 なぜ、では僕は「ライトノベルにおけるファンタジーの代表作」でなく「ライトノベルにおける異世界ファンタジーの代表作」と書いてきたか。

ファンタジーには大きく分けてふたつの系譜があるとされる(このへん、僕も理解が曖昧なところがあるので、識者がこれを読まれていたら補足していただけると嬉しい)。

・私たちの住む現代社会を舞台に、そこに隠れて存在する魔法や妖精、不思議や奇跡といったものを描いた、たとえば『モモ』のような児童文学や『崖の上のポニョ』や「魔法少女もの」のアニメといった「エブリデイ・マジック」「ロー・ファンタジー」



・現代とは遠く隔たった、全く別の異世界を舞台にした、たとえば『指輪物語』や『ゲド戦記』のような「ハイ・ファンタジー」

のふたつだ。

『ロードス島戦記』を「異世界ファンタジー」と呼ぶ時、僕はこの語をほぼ「ハイ・ファンタジー」とイコールの意味で使っていた。
『ロードス島戦記』は、『メリー・ポピンズ』や『魔女の宅急便』みたいな方の私たちの世界が舞台のファンタジーでなくて、『指輪物語』や『ケド戦記』や『ドラゴンクエスト』みたいな方の異世界が舞台のファンタジーの、ライトノベルにおける代表作です、という意味で。

しかし。

『ロードス島戦記』は「異世界ファンタジーではない」と考えている人が少なからずいるらしい、というのを本日、ふとしたことで気付かされることになった。
詳しくはこちらのtoggetterをご覧頂きたい。

togetter.com


そうした方たちの定義によれば、

・「主人公が現代(ないしは元いた世界)から別の異世界にいくファンタジー」

が「異世界ファンタジー」なのであって、『ロードス島戦記』のような、元々異世界で生まれた人たちが生まれた異世界で冒険するファンタジーというのは(パーンやディードリットたちにとってロードス島やフォーセリアは異世界でなく、自分たちの生まれ育った世界なので)、ただの「ファンタジー」ということになるらしい。

つまり、

・「指輪物語」「ゲド戦記」「ロードス島戦記」「ルナル・サーガ」「スレイヤーズ!」は「ファンタジー」。

・「ナルニア国物語」「十二国記」「聖戦士ダンバイン」「ゼロの使い魔」、「なろう」の異世界転生・異世界召喚ものは「異世界ファンタジー」。

という区分だ。

僕は前述の「ハイ・ファンタジー」「ロー・ファンタジー」の区別に基づいた「異世界ファンタジー」という語の使い方に慣れすぎていたので、最初ウッソーと思った。そんな定義使ってるのごく一部だろう……と。


が、twitterでアンケートを取ったところ、「ロードス島戦記は主人公が異世界に行かないので異世界ファンタジーではない」と考える人が結構な割合でいると教えられた。二度ビックリ。

f:id:cherry-3d:20160201004001p:plain

(twitterのアンケートは現時点では集計中なので画像を。本日零時半前後の時点で、20%が「『ロードス島戦記』は異世界ファンタジーではない」と答えている。)

私見だが、「異世界ハーレム」や「異世界チート」と言った、主に「なろう」系小説を中心に使われるジャンル名における異世界という語は、そのままの「ファンタジー世界」というより「異世界(にいって)ハーレム(をつくる)」「異世界(にいって)チート(する)」という意味で使われており、そこから前述の(20%のほうの)「異世界ファンタジー」という語の使い方も生まれたのではないかと思う。

別に僕は、ここでどちらの「異世界ファンタジー」の使い方が正しいかみたいな話をしようというわけではない。(ただ、こう「ファンタジーが異世界なのは当たり前であって、わざわざ異世界とつけるからには現代から異世界への移動があるはず」というような意見については、いやいや異世界じゃないファンタジーあるでしょ! 『魔女の宅急便』とか『R.D.G』とか『Kanon』とか現代が舞台のファンタジー、いっぱいあるでしょ! とちょっとだけ思うけど……)。

とにかく、僕が10代20代、そして今の今まで自信満々で使っていた「異世界ファンタジー」とは、また異なる定義の「異世界ファンタジー」という言葉が今けっこうな範囲(おそらくは「なろう」ユーザー中心ではないか)で使われているのは事実らしい。それにとにかくビックリして、その驚きを思わず書いてしまったのがこの記事なのである。



でこれからが本題だが、我々は今後、異世界ファンタジーという語を使うときには、少し注意が必要かと思う。うっかり確認を怠ると、

編集者様「前島さん、ライトノベルの名作異世界ファンタジー特集やりますんで五本ぐらい選んでレビューしてください!」
僕「へへえ、全身全霊をかけてレビューして参りました、どうぞお納めください!」
編集者様「ハァ? 『ロードス』に『スレイヤーズ』に『ルナル』に『オーフェン』に『爆れつ』って、一個も異世界ファンタジー入ってないじゃないですか、勘弁してくださいよ」
僕「ア、アイエ!?」

編集者「異世界ファンタジーって言ったら『日帰り』や『MAZE』みたいなヤツです!」

なんてことにもなりかねないのだ。コワイ!


『ロードス島戦記』は異世界ファンタジーだと僕は思う。
けれどもどうやらそれは「それが他人の同意を得られるとは限」らなそうなのだ……。



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