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ゲーム・スポーツなどについての感想と妄想の作文集です 管理者名(記事筆者名)は「O-ZONE」「老幼児」「都虎」など。
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好記事である。私はたまたまこの試合をネットで見ていたが、試合のポイントを的確に書いている。4回表、2死1,3塁の場面で打者は6番の代木(しろき)、投手はここまで無失点でわずか1安打しか打たれていない好投手の古川である。1点のリードを失っても、普通ならそのまま古川に任せる場面だろう。ここで、エースとはいえ、「身体の感覚が試合の中にまだ入っていない」投手を投入することは、プロでもアマでもよく見る破滅的行為であるはずだ。しかし、この投手交代にはちゃんと理由があった。それは、その前の打席で代木は古川の球を完全に捉えていたことだ。結果はライトフライになったが、投手と打者の勝負としては代木の勝ちだった。私も、2回目のこの打席での代木に期待していたのである。そこで古川を伊藤に代えた仙台育英の監督の勝負師としての決断には驚いた。
仙台育英の選手たちが監督の指示にきちんと従って動いていることは、試合終盤での各選手が、明徳のエース代木に対して徹底的な待球策に出ていたことでも分かる。代木が降りれば、後の投手はたいしたことがないという読みだろう。つまり、仮に仙台育英の伊藤が終盤で1点を失って同点になり、延長戦に入っても、疲労の積もった代木に対する仙台育英の優位性は動かないわけだ。1対0の点差は大接戦に見えるが、試合の実態を見れば、育英の完勝だったと私は見ている。仙台育英の監督は、選手を思い通りに鍛えて育て、選手を思い通りに操縦する点でまるで漫画に出て来る悪役強豪校(選手がロボットのように動く点で)の監督のような「完璧な」采配だった。漫画なら悪役だが、現実には名監督である。大阪桐蔭のデブ監督に近い。あるいは今大会で超えるかもしれない。
仙台育英の下馬評は知らないが、今大会の台風の目になりそうである。
なお、育英のエースの伊藤は、球威は素晴らしいがボール球がはっきりボールになる欠点があり、制球力では先発した古川が上だろう。つまり、「先発して試合を作る」点では古川のほうが信頼でき、古川から伊藤への継投は理想的だと思う。
明徳義塾の代木は投手としても打者としても好選手で、仙台育英を1点だけに抑えたのは代木だからこそだろう。相手が普通の投手なら育英打線は大量得点していたと思う。

明徳馬淵監督の試合後の弁

試合後、28歳も若い敵将・須江航監督(37)を「東北でリーダーシップを取れる監督だと思う」と称賛した。


 
 
 





初戦で仙台育英に敗れ、引き揚げる明徳義塾ナイン。右手前が馬淵監督© Number Web 提供 初戦で仙台育英に敗れ、引き揚げる明徳義塾ナイン。右手前が馬淵監督

 ひとつの「馬淵神話」がある。


 初戦は負けない――。


 馬淵史郎は監督就任2年目、91年夏に自身初となる甲子園出場を果たし、それから10年夏まで20大会連続で初戦を突破した。


 その理由は明快、かつシンプルだった。


「1回戦はデータ分析も含めて、もっとも準備に時間をかけることができる。それだけのことよ」


 11年春に初戦初黒星を喫したものの、その後も、やはり初戦の勝率が極めて高く、春夏計33回の甲子園で、4回しか負けていない。

6番代木「マシンを速くして打ち込んできたのに…」

 この日の仙台育英戦も、「準備」は万端のつもりだった。


 1点を追う明徳は4回表、絶好のチャンスを得る。2アウト一、三塁で、打席には好打者の6番・代木大和が立った。


 すると、ここですかさず仙台育英ベンチが動いた。まだ1本しかヒットを許していない先発・古川翼をあきらめ、エースの伊藤樹にスイッチ。代木は左打者で、本来、左投手の古川の方が有利な面もあるが、構わず、右の本格派右腕である伊藤をぶつけてきた。馬淵が振り返る。


「驚きませんでしたよ。東北大会でも、仙台育英さんは、同じように3回か4回で継投していたので」


 ただ、実際のボールには面食らった。代木の証言だ。


「マシンのスピードを速くして打ち込んできたんですけど、マシンでは体感できない軌道でした」


 代木は伊藤のストレートに完全に差し込まれ、空振り三振に終わる。


 地元のライバル校、高知高校には中学3年時に150キロ(軟式)をマークした怪物右腕、森木大智がいる。そのため明徳は日頃から森木を意識し、マシンのストレートを速めに設定していた。が、いわゆる「キレ」は伊藤の方が上だった。馬淵が言う。


「森木君とは球質が違いましたね。甲子園(のスピード表示)は3キロぐらい速く出るので、伊藤君の実際の球速は140キロちょっとでしょう。でも、スピン(のかかり方)は伊藤くんの方が上でした」

馬淵「あれは明徳の守備とは言えない」

 想像と実際。そのギャップに驚かされたプレーがもう1つあった。馬淵が言う。


「仙台育英の選手は、とにかく足が速い。普通なら余裕を持ってアウトになるようなタイミングなのにギリギリ。ほんと、速い。自信持ってますよ。よくあれだけ足の速い選手を集めましたね」


 序盤から中盤にかけ、守備力を売りにしている明徳らしからぬプレーが続出した。2回には、唯一、昨年からのレギュラーであるショートの米崎薫暉が、完全にセーフのタイミングだったにもかかわらず、無理に一塁に送球してセカンド進塁を許してしまう。結果、傷口が広がり、先制点を許した。馬淵は、こう苦言を呈した。


「あそこは絶対、ノースローの場面。間に合わないのに投げて、ムードを悪くした。めちゃめちゃ物足りないですよ。あれは明徳の守備とは言えない」


 三塁の梅原雅斗もらしからぬミスを犯した。自分の目の前に転がってきたボテボテの三塁ゴロに対し猛然と突っ込み、捕球し損ねる。結果こそヒットになったが、「自分の中ではアウトにできた打球」と唇をかんだ。仙台育英の打者の体感走力は予想以上だった。


「想定はしてたんですけど、実際の方が焦りますね。ギリギリのプレーになることが多かったので……」


 明徳はこの試合、リリーフした伊藤にノーヒットに抑え込まれ、合計1安打に終わった。守備では10安打されながらも1点にしのいだが、馬淵は「実力差はあった」と完敗を認めた。


 データが教えてくれるものと、決して教えてくれないことがある。明徳は想定不能な人間の「生」の部分に敗れた。






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