取り上げたくなかったのは「先に言われたから」というのが第一の理由だ。このブログは自分が書きたいテーマを書いている。人に言われた形で書きたくないと思ったのが1点。

その次に「アストロズのサイン盗み」について「お前はサイン盗みをしているのは日本だけだと書いたが、そうじゃないだろ」みたいな指摘があったからだ。
日本野球の様々な問題点を指摘すると「日本の悪口を言うのは許さないぞ」という連中がやってくる。この手の連中は、最低だと思う。議論の中身に入ってこず、風紀委員のように「日本への悪口」を取り締まろうとする。何にもわかっていない連中だ。そういう議論に巻き込まれたくなかったのだ。

日本野球に未だに存在する「サイン盗み」は、「無知」「無教養」に端を発している。
野球がスポーツでありスポーツマンシップに則って行うべきものだということを知らないこと、そしてスポーツ指導が教育の一環であり、人間性や社会性を涵養する目的とするものだという認識がないことから発している。
ばくち打ちの親方のように「ごちゃごちゃ言わずに勝ちにいかんかい!」と選手をけしかけるような指導者の下劣な体質が「サイン盗み」を生んでいる。「日本じゃマフィアが野球を教えてるんだろ」とさえ言われている。もちろん野球界全体からすれば少数ではあるが。




少なくとも他国の野球で、ここまで品性下劣な指導は行われていない。そういう意味で「日本だけがこんな状態だ」ということだ。
では、「アストロズのサイン盗み」はどうして起こったのか?

アメリカの野球は、アメリカ流のアンリトゥンルールの考え方をベースとして発展してきた。それはスポーツマンシップとも通底するものだ。だから日本のようにやくざの親分みたいな指導者は今はいない。存在できない。

しかしMLBが巨大なビジネスになるとともに、アメリカには「拝金主義」が横行するようになる。MLBが「ピッチスマート」導入に至ったの背景には、少年野球の「ショーケース化」があったが、これなども大人が「子供の野球は金になる」と認識したことがある。
また拝金主義は全盛のデータ野球とも結びついた。アストロズは最先端のセイバー系球団だが、データで勝つ=ビッグビジネスという文脈の先っぽに「サイン盗み」がぶら下がったのだと思う。

これについては私なりに調べようと思うが、下手をすると「ブラックソックススキャンダル」に近いダメージをMLBに与えるのではないかと思う。

そういうアストロズのサイン盗みと「勝ちゃいいんだ!」の日本のあほなおっさんのサイン盗みは、違うわけだ。日本が何周も周回遅れになっているという状況は変わらない。