「Thinkstock」より

写真拡大



 自ら転げ堕ちたヒーロー――。


 北海道日本ハムファイターズの斎藤佑樹には、そんな言葉が当てはまるかもしれない。7月14日発売の「週刊文春」(文藝春秋)に、「週刊ベースボール」などを発行するベースボール・マガジン社の社長から高級車や高級マンションを供与されていたと報じられた斎藤。今からちょうど10年前、夏の甲子園を沸かせた早稲田実業のハンカチ王子はなぜ、ここまで落ちぶれてしまったのだろうか。


 高校時代のライバルだった駒大苫小牧の田中将大はまだ設立3年目だった東北楽天ゴールデンイーグルスに入団し、2013年には24勝0敗1セーブという驚異的な成績を残し楽天を日本一に導き、米ニューヨーク・ヤンキースへ移籍。


 一方の斎藤は早稲田大学に進学し、10年秋のドラフト1位で日ハムに入団するも、5年間でわずか14勝。今季もいまだに勝ち星がない。野球担当記者が話す。


「スターと祭り上げられたことで図に乗ってしまい、自分の地位を利用して、寄って来る人物にパトロンのような行為をさせてしまう。イメージと違う行動に、ファンは落胆したでしょう。いつからこうなったのか。斎藤をよく知る関係者や記者は、彼がこれまでずっとチヤホヤされてきてしまったことで調子に乗っていることを危ういと感じています。いくらチヤホヤされても、本分である野球をがんばる選手はいくらでもいます」


 その元凶は大学進学にあると、アマチュアスポーツ担当記者が明かす。


「大学は、高校時代にがんばったけど、ドラフト上位に掛からなかった人が行く場所。プロ志望にもかかわらず、ドラフト1位で複数球団からの指名が予想されるなかで、あえて大学に進学するのは珍しいケースです。プロ入りしてすぐに活躍できなくても、二軍や長い寮生活を経験すれば、斎藤はこうならなかったのではないか。惨めな思いや失敗をすることで、選手としても人間的にも成長できたはずです」


●すべての元凶は大学進学


 それが、大学進学によって、井の中の蛙になってしまった。大学1年の全日本大学野球選手権決勝で優勝投手になり、史上初の1年生MVPに選出されると、「一生何か持っているというか、こういう人生なのかなと思います」と発言。それ自体は問題ないのだが、周囲に敵のいない状態が本人を辛い鍛錬に向かわせなかったという。


「大学時代、練習しませんでしたからね。全体練習以外の個人練習こそが自分を高めていく。なのに、彼は怠った。だから、大学1、2年のときは高校時代の貯金で抑えられたけど、3年以降は苦しみ、プロに入っても伸び悩んだ。すべての元凶は大学進学ではないでしょうか」(同前)


 若いうちに失敗しておけ――。野球選手にとって、中堅といえる年齢になってしまった斎藤に足りなかったのは、自分を厳しい環境に置く勇気だったのかもしれない。
(文=編集部)