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ゲーム・スポーツなどについての感想と妄想の作文集です 管理者名(記事筆者名)は「O-ZONE」「老幼児」「都虎」など。
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「播州武侯偏照院」というブログから転載。
乾物屋の美人の一人娘は、ジョーが好きだったんだよな。まあ、そりゃあ、見かけだけで言えばジョーはカッコいいハンサム、マンモス西はゴリラめいた風貌のブ男なのだから、若い娘としては当然だ。だが、彼女は結局、ジョーをあきらめ、西を選んだ。子供のころは、私は彼女のその選択に不満を持ったものだが(当然、主人公のジョーの方に肩入れしていたからだ)、今の私は彼女の選択はまったく正しいと思う。ロマン主義は常に悲劇であり、リアリズムこそが現実での成功をもたらす、ということだ。



(以下引用)


ジョーは、ボクシングを応用できなかった。俺はマンモス西が良い。 混沌堂

チンパンのブログ  より

上記文抜粋
・・・・・・・・・・・

「若い頃はミュージシャン志望のフリーターでしたが、才能が無かったので、諦めてサラリーマンになりました。

 しかし、サラリーマンとしても、あまり出世できず、ここ数年はリストラの不安に悩む毎日です。
 古久澤先生の著書『しあわせを引き寄せるカラダ』には、『自分の得意分野で勝負することが、成功のコツ』という意味のことが書いてあります(54~55P)。

 でも、私みたいに何の取り柄も無い人間は、どうすればいいんでしょう?

                           マンモス西にさえ、なれなかったよ」


「マンモス西って、ボクシングマンガ『あしたのジョー』の脇役のリングネームだよね。

 ジョーと同じジムに所属していたプロボクサーだったけど、才能と根性の限界を感じて、物語半ばで、引退しちゃうよね、確か」


「しかし、西はバイト先の乾物屋の店員としては優秀だった(ちなみに、ジョーはからっきし無能な店員だった)。

 引退後、正規従業員となってからは、ますます商才を発揮し、店を大きくした」

「しまいには、乾物屋の美人の一人娘を嫁さんにもらい、若主人におさまるんだよね。

 『あしたのジョー』だと、西はボクシングという『男の世界』から逃げ出した、半端者みたいに見られているけど、現実的に考えたら、立派な成功者じゃん」



「そのとおり。『ジョーみたいにカッコよく生きたい・なりたい』と憧れる人は多い。

 しかし、実際にはジョーどころか、相談者さんが自嘲するように、マンモス西にさえなれない場合も少なからずある」


「若い頃の夢が破れ、諦めて転身した道でさえ、成功できなかったってことだね」


「『しあわせを引き寄せるカラダ』には、確かに相談者さんが指摘することが書かれている」


「『カメがウサギに勝つ方法』のところでしょ?」

「教訓としては、ウサギは力があったけど、油断していたからカメに負けた。

 つまり素質で劣るものも、コツコツ努力すれば逆転できる という教え。


 でも、大抵はウサギがカメに勝つのが現実。スポーツが残酷なほど分かりやすい。

 100メート走などでは、ウサギ=俊足 が転んででもくれない限り、カメ=鈍足 は勝てない」


「それに足が速いのって、素質がすごくモノを言うもんね。速い人は、小さいときから運動会のスター。努力する以前にもう速い(笑)」

「素質に優れた者同士が、その才能に磨きをかけながら、シノギを削り合っているのが陸上競技の世界。

 そういう意味では、アスリートは全部同じ。あるバレーボール選手が、『私は努力でここまで来ました』とインタビューに答えていた。

 もちろん努力はしたんだろうけど、その選手はすごく背が高かった。背が高いのはバレーにおいて超有利。

 つまり、彼はバレー選手としては、財産を持って生まれてきたようなもの」

「努力しても、身長は伸びないもんね(笑)。そういう意味では、人生は決して平等じゃないよ。


 そうした現実を踏まえて、『しあわせを引き寄せるカラダ』では、『ウサギがカメに勝つ方法』を提唱しているよね。



 それは海で競争することだ って。


 陸の上のかけっこじゃ、ウサギが絶対有利だけど、海で泳げば、カメの独壇場だもんね」

「自分の土俵=得意分野・ふさわしい場所、自分だからできること、自分にしかできないこと を追及することが、成功への近道だと、『しあわせを引き寄せるカラダ』には書かれている」


「自分らしく生きることが、最高の強みであり、そうやって生きている時に、人は最高のしあわせを感じるんだもんね。


 マンモス西は、この生き方を見事に実践しているよね。『自分はボクシングよりも、商売が向いている』って選択して、ちゃんと結果を出してるもん」


「マンモス西は、『あしたのジョー』の主要登場人物の中で、ほとんど唯一しあわせになれた男。


 作者のちばてつやも、

 『ぼくは、ジョーや力石みたいに、自分が決めた道を破滅するまでやり抜く人間も好きだけど、西みたいに、「俺、もうここまででいいや。別の道を歩くよ」ってヤツも好きなんですよね~(笑)』


 と語っている」

「そうしたちば先生の懐の深さが、『あしたのジョー』を名作にしているんだろうね~。


 ジョーや力石がファンタジーなら、マンモス西はリアルの部分を体現するキャラクター。

 陰陽そろってるよね」

・・・・・中略・・


 実は為末選手も、『成功・評価』というものについて、現役時代からかなり客観的な視点を持っていた。


 メダルを目指して、毎日ハードなトレーニングを積む一方で、

 『そもそも人より速く走ることに、何の意味があるんだろう?』

 という想いを、常に持っていたとのこと」


「そんなことを考えるアスリートは、普通いないよね(笑)」

「もともとそういう氣質・性格だとしか言いようがない。


 為末選手のお母さんは、趣味で登山をしている。


 『母親が楽しみとしてその辺の山に登ることと、自分が多くの人の期待を背負って、コンマ何秒速く走ることの本質的な違いってなんだろう?』

 とよく考えたが、答えは出なかったという。

 お母さんも、『たかが陸上なんだから、いつやめてもいいんだよ』と、よく為末選手に言っていたそうだ」

「ずいぶんクールなお母さんだね」

「でも、母親がいつもそう言ってくれたおかげで、ずいぶん楽になれたと為末選手は語っている。


 『速く走ることに何の意味があるんだろう?』という哲学的な想いを抱える一方で、現役選手としては、結果を出さないといけないという悩みもあった。

 スランプで精神的に押しつぶされそうなときは、母親の『たかが陸上』という言葉によって、自分を客観視出来たという。

 自分をつきはなして観る習慣があったから、選手として年齢的な限界を感じた時も、しがみつかずに引退を決意できたそうだ」


「ある分野でがんばっている人って、『この世界での自分の評価が、自分の値打ちの全てだ』って思い込み勝ちだもんね。


 しがみついて、ますます精神的にきつくなっちゃうんだよね=固い」

「どっぷり一つの価値観にのめり込んで、他が観えなくなるのは、不幸への道。


 ある分野で成功して、天狗になっちゃう人も同じ」

「その世界じゃ、みんなが持ち上げてくれるから、『自分は特別なんだ』って思いこんじゃうんだよね。

 人格破産はそうした部分から始まっていくんだね」




「『OL進化論』というマンガに、面白いエピソードがある。

 始業時間直前、ある会社のロビーに、すっぴんのOLが駆け込んできた。

 それを見た会社の偉いさんが、

 『なんだ、あのだらしないOLは。バタバタ走って見苦しい』

 と聞えよがしにののしった。


 するとそのOLは、

 『遅刻しそうなんだから、走るのは当たり前でしょ!?

  偉そうに言ってんじゃないわよ、バカ!』

 と怒鳴りつけて、ロビーを駆け抜けて行った。


  偉いさんは呆氣にとられて、目を白黒させて立ち尽くした。

  『次期社長と目されている、出世頭を罵倒した彼女は何者だ?』

 という戦慄が、会社のロビーを走り抜けた」


「彼女は何者だったの?」

「よその会社のOLだった(笑)。

 

 その会社のロビーを突っ切ると、自分の会社への近道なので、利用していただけだった」


「なるほど~。

 その会社の中ではどんなに偉くても、権力関係の圏外に居る人間から観たら、『ただの威張ったオッサン』だもんね(笑)。


 ある意味成功とか、偉さっていうのは幻想=空だから、こだわりすぎちゃダメだよね。

 相談者さんみたいに、成功できないと落ち込むのも、鼻高々で傲慢になっちゃうのも、どっちもよろしくないよね」

「為末選手流に言えば、『たかが成功・たかが人生』くらいの視点を持つのがいい。


 そのうえで、成功できたら、もっといい」

「相談者さん、柔軟に考えてくださいね~。


 アタシも、為末選手の本、読んでみるよ」


・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
抜粋終わり

ボクシングではたとえば、「敵の強いところにあたって砕ける」とは教えないと思う。

また「自分の弱いところで戦え」など教えない。

そういうところを、マンモス西は、素直に実践した。

ボクシングにある「普遍的なモノ」と用いて、リング以外の戦いに勝利したとも言い得る。

ジョーや力石は、リングの上の勝者だったが、リングを降りると、ただの敗残者に終わった。


元ヤクルトの名投手の高野氏が、自殺されたときに、「スポーツ」の限界を心底思い知った。

優しく・やわらかくないから。


再見!
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