阪神キャンプ中に、西岡剛がサンスポの記者に切れて土下座をさせたという記事がデイリー新潮に載った
阪神・西岡剛、サンスポ記者に“土下座しろ” 記事が気に入らず?
サンスポの記者はこの日のうちにキャンプから強制送還されたという。

西岡が切れた記事を大阪の12版で確認した。

阪神・西岡が右で一発!右肘&右肩を痛めた不安なし、18日練習試合出撃へ

平昌五輪の最中でサンスポも阪神の記事は6面だったが、ページ中央に、シート打撃で一発を打った西岡の写真が大きく掲載されている。
「故障個所は問題ない」として、この日の日本ハムとの練習試合に出撃する、とある。
糸原との遊撃のポジション争いを紹介し、締めくくりは「完全復活への思いを込めて、必ずこの戦いを制する」である。

この記事に切れたという。まだ練習試合に出るかどうかもわからんのに、というのがその理由のようだが、わけがわからない。質の悪いチンピラのようだ。

この記事は署名記事で「長友孝輔」とある。今どき、スポーツ紙の球団番記者は一人が多いが、サンスポやデイリーなどは複数の虎番記者を配している。長友記者はその中でもメインの一人のはずだ。

その彼が、その日のうちに沖縄県宜野座から帰ることになったという。西岡はよほどの剣幕だったのだろう。

記事に何らかの問題があるとは思えない。記事そのものはつまらない内容だが、ようやく復調した西岡を応援する口調で書かれている。
それに腹を立てた西岡の方がどうかしている。球団広報もそばにいたようだが、"強制送還"は、球団から申し入れたのではなく、サンスポ側が忖度した結果だろう。

土下座が本当なら、いまどきパワハラとみなされてもおかしくないが、新潮の取材に対し、球団広報は「土下座をさせた事実はない」と答えた。また、西岡は「球団から言われているので」とノーコメントで通した。周囲には他社の記者がいただろうが、長友記者の味方になって「土下座」を告発するような骨のあるメディアはないはずだ。

実に後味の悪い事件だ。西岡剛はこれまでもこうした「輩」あるいは「モンスター」的なもめ事をいくつか起こしている。野球選手のイメージを貶めるような選手なのは間違いない。
球団も、戦力とは大きな期待ができなくなって、迷惑に思うところもあると思う。

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それにしても「キャンプから強制送還」とは、いつの時代かと思う。玉木正之さんは昭和の時代、宮崎キャンプで巨人広報に「この記事書いたのだれだ!」と怒鳴られ、その場でプレスパスとキャップを取り上げられたと書いている。
30年前には普通だったかもしれないが、今どき、こういうことがあってはいけないだろう。

さして落ち度があるとは思えない自社の記者を守ってやらず、見殺しにしたサンスポというメディアも情けない。スポーツ紙に期待することなど今やないが、こんな有様では士気も上がらないだろう。
長友記者は一時期内勤になったようだが、幸いなことにもう復帰しているようだ。この記者には何の落ち度もない。

この春のキャンプで、私は12球団に取材申請をした。球団の対応はまちまちだったが、多くの球団では、私のようなフリーランスでも「取材していただく」という姿勢になっていた。嫌な気持ちになったことはほとんどなかった。これは誠にレアなケースだと信じたい。

今どきこんな事件が起こるのは本当に嘆かわしい。
記者は見たままを書く、球団は選手やチームをありのままに見せる。そういうまともな関係にならなければ、スポーツメディアはさらに衰退する。



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