転載元: https://nova.5ch.net/test/read.cgi/livegalileo/1652668267/


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1: それでも動く名無し 2022/05/16(月) 11:31:07.81 ID:G4Vfrvnxp
ボールをストライクに見せるのは技術ではない

──ここ数年、メジャーリーグの影響もあってか、「フレーミング」という言葉を頻繁に耳にするようになりました。高等技術と見られる一方で、ミットを動かしすぎているキャッチャーもいて、賛否があるようですが、谷繁さんはどのように捉えていますか。

谷繁 本当によく耳にするようになりましたね。以前、古田敦也さんとこの話題になったのですが、一致した考えは「『ストライク』の球を『ボール』とコールされないためのキャッチング技術」でした。もう少し言えば、『ストライク』か『ボール』かどちらにも取れるギリギリのコースを、『ストライク!』と言ってもらうためのキャッチング。決して、ボール球をストライクに見せるキャッチングではありません。高校生にも、ここは勘違いしてほしくないところですね。ボール球はボール球ですから。

──現役時代、「ボール球をストライクに見せる」という考えはなかったですか。

谷繁 ないですね。アンパイアの方といろいろとコミュニケーションを取っていく中で、「キャッチャーがミットを動かすのは、ボール球をストライクに見せるため。だから、ミットを動かしたらボール」という話を聞いて、もうそのとおりですよね。人間の心理としてストライクを取ってほしいからミットを動かす。正直、今のキャッチャーを見ていると、「みっともない」と思うこともあります。アンパイアの心理を考えたほうがいいですね。

──何か、あがいているような感じがしますか。

谷繁 そうです、そうです。ボールはボール。そんなことをするなら、球がきたところできっちりと止めてあげる。そうすれば、アンパイアはしっかりと見てくれます。


ソース
『高校野球界の監督が明かす! 投球技術の極意』

4: それでも動く名無し 2022/05/16(月) 11:31:19.18 ID:G4Vfrvnxp
──谷繁さんの言葉になると、説得力がありますね。キャッチングは、「止める」という意識ですか?
谷繁 「止める」もそうですし、「受ける」ですね。「ボールを捕る」のがキャッチャーの仕事ですが、自分からヒジを伸ばして、わざわざ捕りにいく必要はまったくありません。どんな球であっても、必ず自分のところにボールはくる。だから、投球のラインにミットを置いて待っていれば、おのずとミットに入ります。

──話だけ聞いていると、とてもシンプルですね。実践するのは当然、難しいのでしょうけど。

谷繁 ボールを捕りにいこうとすると、どうしても余計な力が入ってしまいます。力が入るから、ポロッとやってしまう。どれだけ力を抜いて、ボールを待っていられるか。力を抜いた状態でミットにボールが入れば、ボールの衝撃によってミットは勝手に締まってくれます。7~8割ぐらいの力で、「ポン」と受ければいいんです。

──ヒジを伸ばして、体の前で「パチン!」と捕りにいくキャッチャーもいますが、メリットは何もないですか?

谷繁 まったく意味がないですね。どこにもつながっていかないですから。たとえば、前で捕ろうとすると、バットに叩かれる可能性がひとつ。もうひとつは、送球を考えたときに、わざわざ前で捕ってから自分の体の近くに持ってくる時間と、ボールが向こうから進んでくる時間を比べたら、ボールのほうが速いわけです。コンマ何秒の差かもしれませんが、それが盗塁のアウト、セーフにつながっていきます。例外があるとすれば、ショートバウンドに対して、手を伸ばして捕りにいくときだけですね。

5: それでも動く名無し 2022/05/16(月) 11:31:26.28 ID:G4Vfrvnxp
──ヒジを曲げることで、ボールの力に負けてしまうことはありませんか。

谷繁 それは、ヒジを支点にして考えているからです。ヒジから先にしか力が入らないので、ボールの勢いに負けてしまう。さっきも言ったように、支点になるのは肩です。肩甲骨から使おうと思えば、力の入り方がまったく変わってきます。

──高校生は、低めに対してミットが垂れるキャッチャーがいますが、これも同じことでしょうか。

谷繁 ヒジから先の小手先で捕ろうとしないことです。肩から捕る。この感覚がわかれば、ミットは止まります。

──「ヒジを支点にして、車のワイパーのように使う」という指導法も聞いたことがあります。

谷繁 ぼくも昔は、ヒジを支点に動かそうとしていました。でも、これでは力が入りにくく、動かせる範囲も狭い。肩を支点にしたほうが大きく動かすことができて、強さもあります。


(つづきは書籍で)

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