「日刊ゲンダイ」電子版から転載。
才能の面で言えば、私が史上最高の投手と思っている江川卓は、高校時代だけでその実質的な投手生命は終わっている。というのは、慶応大学を受験するために浪人生活を送っているうちに肥満して体型が変わってしまったからである。それ以降は、彼がかつての球速を取り戻すことはなかった。
投手にとって、肥満はそれほど恐ろしいものである。
松坂大輔の場合は、大リーグに行って2年目くらいで早くも肥満し、案の定、その年に故障を起こした。肥満のために投球フォームに無理が生じたのである。
これがたとえば江夏のようにクレバーな投手が球速の衰える頃に肥満になったなら、「投球技術」を磨くことで転身することもありえるが、江川や松坂は頭脳派投手ではない。彼らの場合は力のある球が投げられなくなった時が投手生命の実質的な終わりなのである。
そういう意味で、松坂は投手としては数年前に終わっていると言ってよい。
身体の自己管理ができない人間は、真のプロとはいえない。
そういう意味では、朝からカレーライスを食い、肉食中心で野菜をほとんど食わないというイチローの食生活にも危険なものがある。
(以下引用)
右ひじ手術で離脱中 松坂が激太りしていた
【野球】
2011年6月24日 掲載
100キロ近いとのウワサも
右ひじ手術からの復活を目指すレッドソックス・松坂に関して呆れる話が飛び込んできた。
早ければ今週末にもフロリダ州フォートマイヤーズの球団施設で本格的にリハビリを開始するが、ここにきて激太りしたというのだ。
投げられないストレスからか、単なる運動不足なのか、松坂に近い関係者によれば、5月18日の故障者リスト(DL)入り以降、体重が7~8キロ増加したらしい。仮に故障する前の体重がベストの84キロだとすると、現在は90キロを超えている計算だ。いや、90キロオーバーどころか、下手をすれば体重計の針は100キロ近くに達している可能性もある。
松坂は戦列を離れてから帰国し、約1週間ほど東京に滞在した。当初は日本でのかかりつけの医者に「セカンドオピニオン」を求めるとみられていたが、本人によれば「病院には行かなかった」そうだ。日本滞在中は西武時代の同僚や横浜高の先輩と食事するなど、束の間の休養を満喫していた。球団による厳しい管理を逃れて大好物である焼き肉に舌鼓を打つなど、美食三昧が災いしたのかもしれない。
あの投げたがりの男が球を握ることを許されず、ストレスもあったのだろう。再渡米してからは手術前の検査を受けるなど、ボストンと病院のあるロサンゼルスを往復。体を動かす暇がなかったとはいえ、約1カ月で10キロ近くも太るとは、いくらアスリートといえども異常だ。もともと、太りやすい体質ではあるものの、離脱中に激太りしているようでは自己管理能力を疑われても仕方ない。
今回、手術するにあたり、球団からは投球フォームの改良やダイエットを義務付けられたといわれる。復帰までに少なくとも1年はリハビリ生活を強いられる。
本人は「必ず復活して、もう一度、レッドソックスの戦力として投げたい」と話していたが、復帰後の状態は推して知るべしか。