ゲーム・スポーツなどについての感想と妄想の作文集です
管理者名(記事筆者名)は「O-ZONE」「老幼児」「都虎」など。
カテゴリー
フリーエリア
最新CM
最新記事
(11/21)
(11/21)
(11/21)
(11/20)
(11/20)
(11/19)
(11/19)
(11/19)
(11/18)
(11/18)
最新TB
プロフィール
HN:
o-zone
性別:
非公開
ブログ内検索
アーカイブ
最古記事
(09/04)
(09/04)
(09/04)
(09/04)
(09/04)
(09/04)
(09/04)
(09/04)
(09/04)
(09/04)
P R
カウンター
空手の欠点は、基本姿勢そのものにある。騎馬立ちだろうが、四股立ちだろうが、前屈立ちだろうが、ほとんどの基本姿勢は、静止した姿勢である。つまり、最初から「居着いて」いるのである。そうした姿勢では、体全体のリズムは生まれない。その、リズムの無さが空手の本質的欠陥なのである。仮に、フットワークを使うにしても、それは腰を落とした姿勢のままのフットワークで、パワーは出せるが、スピードは出せない。(空手の姿勢と対照的なのが、ブルース・リーの、背筋を伸ばし、軽く飛び跳ねるような基本姿勢である。)リズムが無いと、パンチや蹴りを出すにも、何もきっかけのないところから起動するわけだから、どうしても一拍遅いのである。また、パンチを連続で出すという訓練も足りない。多少やっていても、付け焼刃であって、ボクシングのように、ワンツーが基本であるというのとは異なる。
では、ボクシングのパンチのスピードと破壊力はどのようにして生まれるのか。
もう一度繰り返すが、打撃力は、重さとスピードの積である。体重がありながら、スピードもあるという、モハメッド・アリのようなボクサーが理想的ボクサーなのである。
そのスピードは、大きく分けて、体全体が動くスピード(突進力)と、拳を突き出す(あるいはフックさせる)腕のスピードの二つである。もちろん、パンチを出す時には、腰のひねりがあるが、これはほとんど一瞬のものであり、大きな個人差があるとは思えないので度外視する。ボクサーのトレーニングの基本にロードワークがある。つまり、走ることだ。なぜ走ることが大事なのか。その理由の一つはスタミナだが、もう一つの理由は足のパワーをつけることである。つまり、足を後方に蹴り出す力は、体を前進させるスピードでもある。そのスピードがパンチに力を与えるのである。後は、腕を突き出すスピードだが、これはもちろん、ストレートパンチを数多く打つことで身に付くものだろう。
ここで、パンチを大別して、遠距離パンチである「ストレート、ジャブ」と、近距離パンチである「フック、アッパー」の2種に分けておこう。フックとアッパーが近距離パンチであることに注意してほしい。つまり、これらのパンチは、体がほとんど密着状態になったときにしか打てないパンチなのだ。フックの距離とは、自分自身も相手の射程範囲に入ったということだ。アッパーは、さらに密着し、クリンチに近い状態から打つパンチである。しかし、ストレートあるいはジャブの距離とは、ストレートの達人ならこちらは相手に届くが、相手のパンチは(有効打としては)届かない、「達人の距離」なのである。昔、沖縄に上原康恒というフック系のパンチを得意としたハードパンチャーがいて、アマチュア時代から騒がれていたが、私が彼の試合を見た時、彼は風間清(と言ったと思う。)というアウトボクサーに翻弄され、判定負けをした。つまり、何らかの紛れが無いかぎり、フックボクサーはストレートボクサーに勝てないのである。
同じストレートボクサー同士でも、互いにフットワークを使いながら接近し、瞬時の判断で相手のある一点にストレートを打ち込む、そのタイミングとパンチ軌道の正確さ、足の踏み込みの適切さによって、こちらのパンチは相手に当り、同じように出したはずの相手のストレートは当らない、ということが頻繁に起こる。つまり、それがボクシングにおける名選手とそうでない選手の違いである。この辺りは、昔の剣豪の間合いと同じだろう。
ストレートあるいはジャブとフットワークが一体になっていること、これが名選手の条件だろう。足の踏み出しが少しずれても、拳の軌道が少しずれてもノックアウトパンチにはならない。リング上の空間は広いが、パンチが相手を捉えるのは、その中の一点である。動く相手の、その急所の一点に当てるには、相手の動きや状態に合わせて刻々に変化する戦略と、相手の動きの予測と、誘い込みと、パンチを放つ適切なタイミングが必要だ。急所を外れたパンチは、当ってもほとんどダメージにはならない。つまり、相手の肩や腕にパンチがいくら当っても意味が無いということだ。相手のパンチを腕で受けたり払ったりすることが、だから有効な防御法になる。ボクサーがグローブをつけていることは、大きな意味を持っている。このグローブのためにパンチの衝撃力が弱まるだけでなく、パンチのかなりな部分がブロックされてしまうことになるからである。もちろん、グローブには拳の保護という大事な役目もある。
多くの人間が誤解していると思うが、腕力の強い人間が名ボクサーになるわけではない。名ボクサーの中には、10回も腕立て伏せもできない人間もいるという。(たしか、大場政夫がそうだったと思う。)名ボクサーの中に、筋肉隆々の人間などほとんどいないのだ。むしろ、余計な筋肉はパンチのスピードを殺すのである。
ボクシングには様々な技能があるが、基本は二つ。相手にパンチを当てることと、相手のパンチを避ける(またはブロックする)ことである。相手に当てるパンチの出し方は、ジャブ、ストレート、フック、アッパーカットの4種のみ。防御もウィービング(スウェーと区別するべきかもしれないが、正確な名称はどうでもいい)とダッキングとパーリング(ブロッキングというのもあるかもしれない)くらいのものだ。これほどシンプルな格闘技も珍しい。シンプルだからこそ打撃系格闘技の原理を考えるのには最適である。そこで、これからボクシングについて詳しく考察してみる。
PR
この記事にコメントする