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ゲーム・スポーツなどについての感想と妄想の作文集です 管理者名(記事筆者名)は「O-ZONE」「老幼児」「都虎」など。
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最近、高橋留美子の「めぞん一刻」を全巻読み直したのだが、大昔に週刊誌で読んでいた時には気づかなかったことが多い。主人公の五代のダメ人間ぶりは、同様に全巻を見直ししたアニメで、よく分かっていたが、ヒロインの響子さん(管理人さん)が、案外と人間的な弱点の多い人間であることは、雑誌掲載当時は、まるで気づかなかった。おそらく、それは五代と自分を同化して見ていたからだろう。惚れてしまえばあばたもえくぼというわけだ。しかし、もう一つの発見は、すぐれたキャラクターにおける欠点は欠点ではない、ということだ。音無響子が完全無欠な人間だったら、これほどの魅力は持ち得なかったはずである。察しの悪さ、視野の狭さ、決断力の無さ、短気さ、嫉妬心の強さなどがあるからこその響子さんなのである。それらの些細な欠点は、彼女の純粋さ(実は、その純粋さも、結婚を前にすると幾らかの計算がどうしても入ってくるところに、作者の冷徹な視線があるが)、愛情の深さ、優しさ、まっすぐな正義感など、さまざまな長所の前では、むしろ香辛料になるわけである。
ついでながら、「めぞん一刻」に出てくる中で一番の大人はアケミさんだと私は思っている。なかなか深みのある人間で、最後のあたりで、「あんたみたいな面倒くさい女から男を奪うほど、あたしは暇じゃないよ」とか何とか、子供っぽい強情を張る響子さんに毒づくセリフは最高だった。もちろん、毎回下着姿で登場するというサービスぶりも素晴らしいのだが。
高橋留美子氏には、ぜひ、もう一度、このような大人向けのロマンチック・コメディを描いてほしいものである。
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私は大昔から(と言ってもまさかのらくろ世代ではないが、杉浦茂くらいは知っているくらいの人間だ)野球漫画が好きだったのだが、残念ながら野球漫画で野球そのものの魅力を描いた作品はほとんど無かった。水島慎二(綴りは正しいか?)の「ドカベン」や「野球狂の歌」「あぶさん」なども、野球を題材にしてはいるが、基本は人間ドラマであり、野球の戦略面が描かれることはほとんど無かったのである。その証拠に、これらの作品はほとんど監督不在と言っていいくらいに監督の存在が軽視されている。「野球狂の歌」の五利監督など、ベテラン投手(兼コーチ?)の岩田鉄五郎よりも発言権が低いのである。まして、戦略や戦術など、皆無であった。
野球の面白さは、昔の騎士や武士の頃の戦争の面白さに似ている。つまり、個人的武勇や技量と、全体としての勝利が結びついたり結びつかなかったりするところである。豪傑を揃えれば戦に勝てるとも限らないのだ。そこに戦略や戦術というものが存在するのだが、かつての野球漫画には、戦略・戦術面の面白さは皆無だったと言ってよい。
その野球漫画に革命を起こしたのが、何と女性漫画家の作品である「おおきく振りかぶって」である。(私は固有名詞に弱いので、私のブログの中の人名や作品名は、ほとんどうろ覚えであることを断っておく)この作品は、実際の試合における実質的監督とも言うべき捕手視点から描かれることが多く、ほとんど1球ごとのボールの持つ意味が克明に描かれている。まさしく、マニアによるマニアのための野球漫画である。大昔の「アストロ球団」という馬鹿マンガ(今ではその馬鹿馬鹿しさが評価されてカルト漫画の扱いを受けている面もあるが)は、1試合の描写に1年くらいかかった記憶があるが、「おおきく振りかぶって」も、1試合の経過を追うだけでそれくらいかかりそうである。しかし、野球好きな人間にとっては、これほど面白い漫画も滅多にない。
この漫画の影響かどうか、それに近い野球漫画も最近は増えつつあり、野球漫画は今、黄金期を迎えていると言えるかもしれない。たとえば、「ラストイニング」や「ダイヤのエース」なども、野球の戦略・戦術の面白さがかなりの比重を占めている作品である。一方、これらより知名度の高い「メジャー」などは、古色蒼然と言いたいような古めかしい「少年野球漫画」で、戦略も戦術もあったものではない。もちろん、そうした漫画の方が好きだという層の方が一般的なのである。
何はともあれ、野球の持つ「考えることの喜び」を掘り出してくれた「大きく振りかぶって」には、私は感謝している。その割に、作者の名前も作品名もうろ覚えだが。

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