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ゲーム・スポーツなどについての感想と妄想の作文集です 管理者名(記事筆者名)は「O-ZONE」「老幼児」「都虎」など。
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女性が描く野球漫画というものは、男性漫画家のものより知的であることが多いようだ。男の漫画家の場合は、主人公はたいてい剛速球、あるいは快速球投手で、「俺の投げる160キロのスピードボールを打てるなら打ってみろ」とばかりにど真ん中にストレートボールを投げ込む単細胞タイプが多いが、現実にはそんな投手は案外と打ち込まれることが多いのである。女の漫画家の場合、野球の持つ戦略性をよく理解して描いていることが多い。「大きくふりかぶって」などがその代表的なものであり、この漫画は野球漫画史上に残る革命的な意義を持った作品だと思う。そうした漫画が女性によって描かれたのは面白い。
野球の戦略性ということでは、川原泉の「甲子園の空に笑え」などが先駆的な作品ではなかったかと思う。野球はまず守備であるという基本を抑え、弱小チームが強豪チームに勝つための戦術を、無理なく作り出していた。あのとぼけた絵柄から想像されるよりも、はるかに知的な野球漫画なのである。その続編とも言える「メイプル戦記」も非常に面白い作品なので、一読をお勧めする。
男というものの大半は頭を使うのが嫌いなのか、「アストロ球団」のような馬鹿漫画を好む傾向があるようだ。そして、その馬鹿さ加減を笑いながら見る態度こそが知的なのだという斜に構えた人間も多い。しかし、一部の漫画のそういう変な持ち上げ方のために、本当に知的な漫画が正しく評価されないという結果になってはいないだろうか。車田正美の馬鹿漫画なども同様だ。
まあ、今更そんな過去の話をしてもしょうがないが、現在でもそうした批評性の貧困さのために一部の漫画がやたらにもてはやされて、その他の漫画の評価が相対的に低くなっている。「ワンピース」が好きな人が何百万いてもいいが、他の漫画(特に過去の漫画)はそれよりはるかに知的で面白いということを知ってほしいものである。
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