ゲーム・スポーツなどについての感想と妄想の作文集です
管理者名(記事筆者名)は「O-ZONE」「老幼児」「都虎」など。
カテゴリー
フリーエリア
最新CM
最新記事
(06/09)
(06/09)
(06/08)
(06/08)
(06/08)
(06/06)
(06/05)
(06/04)
(06/04)
(06/03)
最新TB
プロフィール
HN:
o-zone
性別:
非公開
ブログ内検索
アーカイブ
最古記事
(09/04)
(09/04)
(09/04)
(09/04)
(09/04)
(09/04)
(09/04)
(09/04)
(09/04)
(09/04)
P R
カウンター
とあるツィッターだが、「斉唱」とは「一斉に歌う」ことではないか?
有名歌手が歌う場合は「独唱」だと思うが。
今時の若い人は「国家斉唱」も「校歌斉唱」もやった経験がないのだろうか。
(以下引用)
ホイットニー・ヒューストンの国歌斉唱に対するツイートのまとめ
有名歌手が歌う場合は「独唱」だと思うが。
今時の若い人は「国家斉唱」も「校歌斉唱」もやった経験がないのだろうか。
(以下引用)
ホイットニー・ヒューストンの国歌斉唱に対するツイートのまとめ
PR
その十三 アリーナ
最初の村でハンスたちは食べ物と飲み物を手に入れ、農家に泊めてもらって一休みしたあと、旅を続けました。ピエールとヤクシーはグリセリード語ができるので、便利です。ハンスは二人の話すのを聞いていて少しずつおぼえようと思いました。
それから少し大きな村に来ました。その村でピエールは馬を二頭買いました。お金は金の粒をわたしています。アスカルファンをでるときに用意してあったのでしょう。
三人とも乗り物ができたので、早く旅ができます。
山脈の上はもう雪がつもっていたのに、ここではまだまだ暑(あつ)くて、日陰にはいるとほっとするくらいです。
三人が乾いて埃(ほこり)っぽい街道の木陰で休んでいると、馬に乗った騎士たちが数名、向こうからやってきました。
騎士たちは三人の前で馬を止め、馬上からたずねました。
「お前たち、十歳くらいの娘が通るのを見なかったか?」
ピエールがグリセリード語で、見なかったと答えると、騎士は
「そうか、確かにこの方向だと思ったが……」
とつぶやいて、他の騎士たちとともに、西の方に向かって馬を走らせて行きました。
騎士たちがいなくなった後、ピエールたちのいた木の後ろの藪(やぶ、木の茂みです)からがさがさと音がしました。
おどろいてふりむくと、藪から一人の女の子が出てきます。
「やれやれ、見つかるところだった」
男の子のようにズボンをはいて、顔はほこりっぽく汚れてますが、赤毛のとてもかわいい子です。美人といってもいいでしょう。一目でハンスはこの子にのぼせてしまいました。でも、よく見ると、この子はずいぶん気が強そうで、わがままそうです。
「へへっ、間抜けなやつら」
遠くに行った騎士たちのあとを目でおいながら、その女の子は言いました。そして、ピエールたちに向かってにやっと笑って言います。
「ねえ、なにか食べ物ないかな。おなかぺこぺこなんだ」
ハンスがあわてて皮袋から食べ物をだそうとすると、ヤクシーがそれを止めました。
「待って。その前に、あなたは何者か教えてちょうだい。どうしてあの騎士たちに追われていたの?」
すると女の子はヤクシーをにらんで言います。
「なんだっていいじゃないか。ケチンボのおばさん!」
「まあ、口の悪い子。名前は?」
「シル……いや、アリーナだ。名前言ったから、早く食べ物くれ」
どうも、アリーナという名前は嘘(うそ)みたいです。
その十四 新しい仲間
そのアリーナという子は、ハンスの出したパンとハムをがつがつと食べました。
「飲み物!」
食べる手を休めず、ハンスに命令します。ハンスは皮袋の水を出しました。
水をごくごく飲むと、はあっとまんぞくそうなため息をついて、一つげっぷをしました。どうも、あまり上品ではありません。でもかわいいからいいや、とハンスは思いました。
「お前たち、どこへ行くんだ?」
食べ終わると、アリーナはピエールに聞きました。
「べつにあてはないんだが、中央グリセリードにでも行こうかと思ってる」
「いいな。おれもいっしょに連れて行ってくれ」
「かまわんが、先に、なんであいつらに追(お)われていたのか、話してくれ」
アリーナは、目を上にあげてなにか考えてましたが、やがて言いました。
「おれは、こう見えても実はこの国の女王の娘(むすめ)なんだ。ところが、悪いやつのせいでお母さんから離(はな)されて、西グリセリードでずっと育てられていたんだ。それで、女王に会いに行くためにそこをにげだしたんだ」
なんだか、作り話みたいです。こんなほこりに汚れた顔で、乞食(こじき)の子のように下品な態度(たいど)や話し方の王女がいるものでしょうか。
「うそつけ。どうせ盗みでもして追われてたんだろう。まあいい。生きていくためには、そういうこともある。連れて行ってやろう」
元泥棒のピエールは、この乞食娘もしくは泥棒娘に同情(どうじょう)したようです。
アリーナを加えて四人は出発しました。アリーナは同じ年ごろのハンスにさかんに話しかけますが、グリセリード語のできないハンスにはさっぱりわかりません。
「お前たち、この国の人間じゃないのか?」
アリーナに聞かれて、ピエールはこまってしまいました。
「いや、最近グリセリードに入ったアルカードの者なんだ」
「この女はグリセリード人だろう?」
「そうよ」
とヤクシーが答えます。パーリ人のヤクシーはグリセリードにはくわしいので、グリセリード人になりすますのは簡単です。パーリとはグリセリードの隣(となり)の国です。
「グリセリードのどこだ?」
アリーナは聞きたがりますが、ヤクシーはてきとうにごまかします。
馬と驢馬は合わせて三頭しかいないので、アリーナはヤクシーの馬の後ろに乗ります。体重が軽いので、馬もそれほどの負担(ふたん)ではありません。
「馬ってのは楽でいいや」
アリーナはごきげんです。
「ナバロンの要塞」や「突撃」を挙げたのは映画通だが、たぶん爺さんだろうwww
私は、トータルで考えて「フルメタルジャケット」を推す。「面白さ」だけでいえば、「ナバロンの要塞」か。「大脱走」も面白いが、あれは「戦争映画」ではない。「収容所もの」である。戦闘場面が無いものは戦争映画と言うべきではない。それを入れるなら「禁じられた遊び」も戦争映画となる。なお、「突撃」はキューブリック作品のあれだと思うが、題名の似た別作品かもしれない。「攻撃」だったか、ジャック・パランスの名演の作品である。この両者を私は区別できない。
Jan
23
2025
「戦争映画の最高傑作をひとつ挙げよ」(東京大 2025)
Category: 未分類
1: 名無しさん 2025/01/22(水) 23:01:46.42 ID:sB/CDIsg0
遠すぎた橋
引用元: ・https://nova.5ch.net/test/read.cgi/livegalileo/1737554506/
2: 名無しさん 2025/01/22(水) 23:02:31.79 ID:XuIiLWHJ0
コマンドー定期
4: 名無しさん 2025/01/22(水) 23:03:23.17 ID:oKUOT6RL0
ハートロッカー
5: 名無しさん 2025/01/22(水) 23:03:31.91 ID:cyZ6WCSFd
合格者ワイ「地獄の黙示録」
6: 名無しさん 2025/01/22(水) 23:04:35.28 ID:0qvmPbeZ0
火垂るの墓
7: 名無しさん 2025/01/22(水) 23:05:13.74 ID:EZb4prhk0
203高地
8: 名無しさん 2025/01/22(水) 23:05:31.28 ID:0X3t2E3M0
フルメタルジャケット
9: 名無しさん 2025/01/22(水) 23:06:46.03 ID:OaIeEg8T0
炎628
10: 名無しさん 2025/01/22(水) 23:06:55.21 ID:N59iZoUt0
ワイの大好きなブラッドピットがワイの大好きなシャーマンに乗ってワイの大好きなティーガーと戦うFURY
11: 名無しさん 2025/01/22(水) 23:07:06.39 ID:g+1U+6gF0
インデペンデンス・デイ
12: 名無しさん 2025/01/22(水) 23:07:17.04 ID:XC5tiZ+pp
スターウォーズ
13: 名無しさん 2025/01/22(水) 23:08:14.46 ID:UCmPorBk0
ナバロンの要塞
14: 名無しさん 2025/01/22(水) 23:08:16.19 ID:Xy6MYedFM
八甲田山
15: 名無しさん 2025/01/22(水) 23:08:18.92 ID:rLzzrgtE0
プライベートライアン
16: 名無しさん 2025/01/22(水) 23:09:35.10 ID:CuLzAGlo0
突撃
17: 名無しさん 2025/01/22(水) 23:10:13.32 ID:5RzFLpB90
ターミネーター1と2
19: 名無しさん 2025/01/22(水) 23:10:55.07 ID:nKIwva1r0
アンダーグラウンド
20: 名無しさん 2025/01/22(水) 23:12:14.26 ID:k6b3N9kb0
大脱走
21: 名無しさん 2025/01/22(水) 23:12:23.69 ID:LtD3T3BB0
戦う翼
22: 名無しさん 2025/01/22(水) 23:13:32.43 ID:c85qzgZ60
ドイツ版スターリングラード
23: 名無しさん 2025/01/22(水) 23:14:42.57 ID:1d+bueey0
ぼくらの7日間戦争
私は、トータルで考えて「フルメタルジャケット」を推す。「面白さ」だけでいえば、「ナバロンの要塞」か。「大脱走」も面白いが、あれは「戦争映画」ではない。「収容所もの」である。戦闘場面が無いものは戦争映画と言うべきではない。それを入れるなら「禁じられた遊び」も戦争映画となる。なお、「突撃」はキューブリック作品のあれだと思うが、題名の似た別作品かもしれない。「攻撃」だったか、ジャック・パランスの名演の作品である。この両者を私は区別できない。
Jan
23
2025
「戦争映画の最高傑作をひとつ挙げよ」(東京大 2025)
Category: 未分類
1: 名無しさん 2025/01/22(水) 23:01:46.42 ID:sB/CDIsg0
遠すぎた橋
引用元: ・https://nova.5ch.net/test/read.cgi/livegalileo/1737554506/
2: 名無しさん 2025/01/22(水) 23:02:31.79 ID:XuIiLWHJ0
コマンドー定期
4: 名無しさん 2025/01/22(水) 23:03:23.17 ID:oKUOT6RL0
ハートロッカー
5: 名無しさん 2025/01/22(水) 23:03:31.91 ID:cyZ6WCSFd
合格者ワイ「地獄の黙示録」
6: 名無しさん 2025/01/22(水) 23:04:35.28 ID:0qvmPbeZ0
火垂るの墓
7: 名無しさん 2025/01/22(水) 23:05:13.74 ID:EZb4prhk0
203高地
8: 名無しさん 2025/01/22(水) 23:05:31.28 ID:0X3t2E3M0
フルメタルジャケット
9: 名無しさん 2025/01/22(水) 23:06:46.03 ID:OaIeEg8T0
炎628
10: 名無しさん 2025/01/22(水) 23:06:55.21 ID:N59iZoUt0
ワイの大好きなブラッドピットがワイの大好きなシャーマンに乗ってワイの大好きなティーガーと戦うFURY
11: 名無しさん 2025/01/22(水) 23:07:06.39 ID:g+1U+6gF0
インデペンデンス・デイ
12: 名無しさん 2025/01/22(水) 23:07:17.04 ID:XC5tiZ+pp
スターウォーズ
13: 名無しさん 2025/01/22(水) 23:08:14.46 ID:UCmPorBk0
ナバロンの要塞
14: 名無しさん 2025/01/22(水) 23:08:16.19 ID:Xy6MYedFM
八甲田山
15: 名無しさん 2025/01/22(水) 23:08:18.92 ID:rLzzrgtE0
プライベートライアン
16: 名無しさん 2025/01/22(水) 23:09:35.10 ID:CuLzAGlo0
突撃
17: 名無しさん 2025/01/22(水) 23:10:13.32 ID:5RzFLpB90
ターミネーター1と2
19: 名無しさん 2025/01/22(水) 23:10:55.07 ID:nKIwva1r0
アンダーグラウンド
20: 名無しさん 2025/01/22(水) 23:12:14.26 ID:k6b3N9kb0
大脱走
21: 名無しさん 2025/01/22(水) 23:12:23.69 ID:LtD3T3BB0
戦う翼
22: 名無しさん 2025/01/22(水) 23:13:32.43 ID:c85qzgZ60
ドイツ版スターリングラード
23: 名無しさん 2025/01/22(水) 23:14:42.57 ID:1d+bueey0
ぼくらの7日間戦争
まあ、昔からあるドラクエ冗談質問だが、真面目に答えるほうが馬鹿である。と言っても、世間には冗談やフィクションを理解できない馬鹿もかなりいるわけで、フィクションを作る側も大変だ。
(以下引用)
『ドラクエ3』では、民家のツボやタンス、壁にかけられた袋などからアイテムやゴールドが入手できることがある
勇者一行は窃盗行為も許されている?
「『ドラクエ』の勇者一行がツボやタンスをあさるのは、教育上良くないと思いませんか?」
「ドラゴンクエスト」シリーズに関する質問が大手質問サイトに投稿され、さまざまな回答が寄せられています。
まずは「問題ない」という回答です。質問の肝となるのは「教育上良くないかどうか」です。回答者は、問題ない理由として、「ゲームのなかと現実との区別が出来れば良いだけ」としています。
同様の回答はほかにもあり、「現実とゲームの区別くらいしましょうで済む話題」というシンプルなコメントのほか、「ゲームの世界のことを現実の世界のことと一緒するのは教育的にどうなんでしょう? そちらのほうが怖くないですか? ゲームはゲーム、現実は現実と教育して下さい」と、質問そのものに苦言を呈す意見もありました。「ゲームでツボ壊したことがあるから、現実でもツボを壊して良いとは普通なりません。もし子供が実際ツボを壊したとしたら、それはゲームのせいではなく、現実と虚構の区別もつかないレベルの低いしつけを行った親や学校の教育の問題です」という回答も寄せられています。
質問者は「ドラクエ」で勇者一行が民家を漁る行為を例にしていますが、例えば『ドラクエ3』では魔物だけでなく、おそらく人間と思われる「カンダタ」などに対し、命を奪うまではしないまでも、剣や呪文で攻撃する、という行為を行っています。ほかのゲームだとしても、人と人が戦っているとして、現実世界でも同じように暴力行為を行っていい、という発想にはならないはずです。
一方で、「良くない」というという回答もありました。「妥協点として、民家でないところに宝箱を置いて、兵士に『これは取って良い』と言わせる。ほかには、ゲームのはじめに『これは冒険者が取って良いもの』と説明して、キラキラやマークなどで示す。民家にあるものを取るのは、明らかに良くない」という回答で、少数ながらゲームシステムに問題があると感じている人もいるようです。
ほかに、「省略されていますが、家の人の許可を得てから漁っているそうです。とはいえ、武器を持っている勇者一行に文句を言う人はいませんが」「昔から民の家に押し入り、家探して現地領収するのが勇者ですから」と「ドラクエ」の世界への皮肉を含めた回答もありました。
「ドラクエ」の勇者一行が民家のツボ漁ったり、割って回ったりする行為は、ドラマ『勇者ヨシヒコと魔王の城』でも扱われ、ファンの間で「ネタ」としてとらえられています。「ゲームはゲーム、現実は現実」というのが多くの人が当然のこととして考えているのではないでしょうか。
HD-2D版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』:
(C)ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SPIKE CHUNSOFT/SQUARE ENIX (C)SUGIYAMA KOBO (P)SUGIYAMA KOBO
(マグミクス編集部)
(以下引用)
『ドラクエ3』では、民家のツボやタンス、壁にかけられた袋などからアイテムやゴールドが入手できることがある
勇者一行は窃盗行為も許されている?
「『ドラクエ』の勇者一行がツボやタンスをあさるのは、教育上良くないと思いませんか?」
「ドラゴンクエスト」シリーズに関する質問が大手質問サイトに投稿され、さまざまな回答が寄せられています。
まずは「問題ない」という回答です。質問の肝となるのは「教育上良くないかどうか」です。回答者は、問題ない理由として、「ゲームのなかと現実との区別が出来れば良いだけ」としています。
同様の回答はほかにもあり、「現実とゲームの区別くらいしましょうで済む話題」というシンプルなコメントのほか、「ゲームの世界のことを現実の世界のことと一緒するのは教育的にどうなんでしょう? そちらのほうが怖くないですか? ゲームはゲーム、現実は現実と教育して下さい」と、質問そのものに苦言を呈す意見もありました。「ゲームでツボ壊したことがあるから、現実でもツボを壊して良いとは普通なりません。もし子供が実際ツボを壊したとしたら、それはゲームのせいではなく、現実と虚構の区別もつかないレベルの低いしつけを行った親や学校の教育の問題です」という回答も寄せられています。
質問者は「ドラクエ」で勇者一行が民家を漁る行為を例にしていますが、例えば『ドラクエ3』では魔物だけでなく、おそらく人間と思われる「カンダタ」などに対し、命を奪うまではしないまでも、剣や呪文で攻撃する、という行為を行っています。ほかのゲームだとしても、人と人が戦っているとして、現実世界でも同じように暴力行為を行っていい、という発想にはならないはずです。
一方で、「良くない」というという回答もありました。「妥協点として、民家でないところに宝箱を置いて、兵士に『これは取って良い』と言わせる。ほかには、ゲームのはじめに『これは冒険者が取って良いもの』と説明して、キラキラやマークなどで示す。民家にあるものを取るのは、明らかに良くない」という回答で、少数ながらゲームシステムに問題があると感じている人もいるようです。
ほかに、「省略されていますが、家の人の許可を得てから漁っているそうです。とはいえ、武器を持っている勇者一行に文句を言う人はいませんが」「昔から民の家に押し入り、家探して現地領収するのが勇者ですから」と「ドラクエ」の世界への皮肉を含めた回答もありました。
「ドラクエ」の勇者一行が民家のツボ漁ったり、割って回ったりする行為は、ドラマ『勇者ヨシヒコと魔王の城』でも扱われ、ファンの間で「ネタ」としてとらえられています。「ゲームはゲーム、現実は現実」というのが多くの人が当然のこととして考えているのではないでしょうか。
HD-2D版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』:
(C)ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SPIKE CHUNSOFT/SQUARE ENIX (C)SUGIYAMA KOBO (P)SUGIYAMA KOBO
(マグミクス編集部)
内容はどうでもいいが、「この先生 きのこる」が面白いので転載した。「きのこ」という名詞を動詞として使っているわけだ。いや、まあ、「この先 生き残る」では面白くもなんともないが。
きのこる、きのこらない、きのこれば
なお、「笑っていいとも」までは好きだった。
真面目に言えば、社長と会長と幹部掃除人、じゃない、総辞任は必須だろう。ついでに3K新聞も廃刊。3Kとは「きつい、汚い、危険」だったっけ? 「きつい」ではなく「きしょい」か?
■フジテレビがこの先生きのこるには
どうすればいいんだろう。
少なくとも中居正広にほとんどの責任をかぶせることのできるストーリーが必要な気がする。
「中居正広による強烈な圧力(俺を番組で使いたいなら俺の言うこと聞けよな、みたいな圧力)に負けて局員が従ってしまった。」
「そういう局員を全員解雇して、最後に幹部連中も総辞職。」
とかだろうか。
なんか現実的な落し所が見当たらない。
きのこる、きのこらない、きのこれば
なお、「笑っていいとも」までは好きだった。
真面目に言えば、社長と会長と幹部掃除人、じゃない、総辞任は必須だろう。ついでに3K新聞も廃刊。3Kとは「きつい、汚い、危険」だったっけ? 「きつい」ではなく「きしょい」か?
■フジテレビがこの先生きのこるには
どうすればいいんだろう。
少なくとも中居正広にほとんどの責任をかぶせることのできるストーリーが必要な気がする。
「中居正広による強烈な圧力(俺を番組で使いたいなら俺の言うこと聞けよな、みたいな圧力)に負けて局員が従ってしまった。」
「そういう局員を全員解雇して、最後に幹部連中も総辞職。」
とかだろうか。
なんか現実的な落し所が見当たらない。
その十一 山脈越え
ハンスたちはマルスとマチルダの家に一週間滞在(たいざい)して、それからアスカルファンとグリセリードの境い目の大山脈(だいさんみゃく)を越えることにしました。
「ハンス、お前にこれをあげよう」
ロレンゾはハンスに一本の杖(つえ)をわたしました。金の握り(にぎり)のついた木の杖ですが、中に鉄の芯(しん)がはいっているのか、木よりは重みがあります。
「魔法の杖じゃ。わしにはもう用がないからな。それに、これはお守りじゃ」
そう言ってわたしたのは、指輪です。くすんだ銀色の、あまりきれいではない指輪です。
「魔法の杖といっても、おおげさに考えることはない。これで魔物をなぐると、けっこうきくのじゃ。それに、歩くときも杖があるとべんりじゃよ」
手を振ってマルス、マチルダ、ロレンゾに別れをつげ、いよいよ山登りです。馬は山登りが苦手なので、ピエールとヤクシーはマルスの家で馬を置いてきています。だから、荷物はグスタフに乗せ、ハンスたちは歩きです。
「ヴァルミラちゃん、かわいかったわね」
とヤクシーが言いました。ヴァルミラはマチルダの、女の子の赤ちゃんです。
「元祖ヴァルミラは今ごろどうしているかなあ」
「アスカルファンはたいくつだ、とか言ってアルカードへ行ったけど、アルカードでグリセリードの残党(ざんとう)の大将(たいしょう)になっちゃったなんておどろいたわね」
「そのせいで、アルカードが平和になってアンドレとトリスターナはよろこんでいるだろうよ。今では連中(れんちゅう)はアルカードの軍隊(ぐんたい)だからな」
二人はハンスにはわからない話をしています。これを読んでいるみなさんにもわからない話ですが、がまんしてください。時間というものはずっと続いているものですから、この話の前にも時間は流れていたのです。もちろん、この話が終わったあとも、時間は流れるのです。たとえば、シンデレラが王子さまと結婚して、それで話は終わりですが、もちろんシンデレラと王子はその後も生き続けて、あまりぱっとしない残りの人生があったわけです。お話は人生の一番いいところだけを切り取って見せるものなのです。だって、年とってぶくぶく太ったシンデレラやしわだらけのシンデレラなんて見たくないでしょう?
ともかく、赤ちゃんのヴァルミラのほかにもう一人ヴァルミラというへんな名前の女の人がいて、その人は軍隊の大将になるくらい強い人だということはハンスもわかりました。
きっと、プロレスラーみたいな、ごつくて怖い女の人なのでしょうね。
さて、だんだんと山は険(けわ)しくなってきました。でも、ピエールもヤクシーもハンスも身軽(みがる)ですから、坂道も苦になりません。
後ろをふりかえって下を見下ろすと、アスカルファンはずっと遠くまで広がって、平野も丘も一部は雲の下にかくれてます。
まだ夏の終わりくらいだのに、高く登って行くと、ずいぶん寒くなってきました。
その十二 作者のお説教や言いわけなど
山脈を越えるまでに、本当はずいぶん時間もかかり、いろんな出来事もあった(ハンスやグスタフが崖から落ちかかったり、ジルバが雌猿を見つけてのぼせてプロポーズしてふられたり、パロが行方不明になったり)のですが、少し話を飛ばします。起こったことのすべてを書いていては、たった一日の出来事を書くだけでも世界一長い小説になりますからね。それをやろうとした文学者もいますけど。
さて、ハンスたちはやっとのことで大山脈を越えてグリセリードに到着(とうちゃく)しました。グリセリードといってもひじょうに広くて、今のアジア大陸全体だと考えてください。つまり、中国もインドもソビエト連邦もすべてふくむ広大な国です。もっとも、そのほとんどは砂漠や草原、北のほうやずっと南のほうは大森林ばかりで、人間が住むところはわずかなものです。
グリセリードを治めているのはシルヴィアナという女王ですが、本当はロドリーゴという宰相(さいしょう、総理大臣みたいなものです)が政治のすべてを行い、女王はかざりみたいなものでした。こういうことはよくあることで、みなさんが大きくなったら、世の中はうわべと中味のちがいがずいぶん大きいことにおどろくでしょう。うたがいを持たないすなおな気持ちはたしかに美しいものですが、はっきり言ってこの世は、だます人間とだまされる人間、そしてだましもだまされもしない人間の三種類がいます。みなさんは前の二つではなく、最後の種類の人間になってください。つまり、かくれたものを見抜ける人間になることです。汚いものだけではありません。愛情や、他人の本当の人間性も、見えない人には見えません。サン・テグジュペリという人が言うように、見えないものこそが大事なのです。ついでに言っておくと、ものが見えない、わからないというのは、自分のせいであって、だから相手が悪いとか無価値(むかち)だと考えないことです。見えるまで、わかるまでには時間がかかることが多いのです。あわてて答えをだすのはテストの時だけです。人生の答えはゆっくりだすこと。
さて、グリセリードにはいってもしばらくは人里は見えません。山を下りてずいぶん歩くと、やがて小さな村が見えましたので、三人と四匹(ジルバ、ピント、グスタフと、やっともどってきたパロです)はその村にはいりました。
断っておきますが、この話はあくまでお話ですから、たとえアジアがモデルでも、本当のアジアの風俗(ふうぞく、人々のようすやくらしかたです)とはだいぶちがいます。アジアの人間がシルヴィアナとかロドリーゴなんて名前じゃあ本当はおかしいのですが、これは自分の気に入った名前をつけただけのことです。
だから、グリセリードのようすを想像するなら、知識のある人は、中国がスペインかどこかに征服されていたら、と想像してください。つまり、地形的にはアジアですが、文化や風物はアジアとヨーロッパの混合です。そして、どこの世界でも同じですが、支配者がいて、庶民(しょみん、ふつうの人々です)がいるわけです。
ハンスたちはマルスとマチルダの家に一週間滞在(たいざい)して、それからアスカルファンとグリセリードの境い目の大山脈(だいさんみゃく)を越えることにしました。
「ハンス、お前にこれをあげよう」
ロレンゾはハンスに一本の杖(つえ)をわたしました。金の握り(にぎり)のついた木の杖ですが、中に鉄の芯(しん)がはいっているのか、木よりは重みがあります。
「魔法の杖じゃ。わしにはもう用がないからな。それに、これはお守りじゃ」
そう言ってわたしたのは、指輪です。くすんだ銀色の、あまりきれいではない指輪です。
「魔法の杖といっても、おおげさに考えることはない。これで魔物をなぐると、けっこうきくのじゃ。それに、歩くときも杖があるとべんりじゃよ」
手を振ってマルス、マチルダ、ロレンゾに別れをつげ、いよいよ山登りです。馬は山登りが苦手なので、ピエールとヤクシーはマルスの家で馬を置いてきています。だから、荷物はグスタフに乗せ、ハンスたちは歩きです。
「ヴァルミラちゃん、かわいかったわね」
とヤクシーが言いました。ヴァルミラはマチルダの、女の子の赤ちゃんです。
「元祖ヴァルミラは今ごろどうしているかなあ」
「アスカルファンはたいくつだ、とか言ってアルカードへ行ったけど、アルカードでグリセリードの残党(ざんとう)の大将(たいしょう)になっちゃったなんておどろいたわね」
「そのせいで、アルカードが平和になってアンドレとトリスターナはよろこんでいるだろうよ。今では連中(れんちゅう)はアルカードの軍隊(ぐんたい)だからな」
二人はハンスにはわからない話をしています。これを読んでいるみなさんにもわからない話ですが、がまんしてください。時間というものはずっと続いているものですから、この話の前にも時間は流れていたのです。もちろん、この話が終わったあとも、時間は流れるのです。たとえば、シンデレラが王子さまと結婚して、それで話は終わりですが、もちろんシンデレラと王子はその後も生き続けて、あまりぱっとしない残りの人生があったわけです。お話は人生の一番いいところだけを切り取って見せるものなのです。だって、年とってぶくぶく太ったシンデレラやしわだらけのシンデレラなんて見たくないでしょう?
ともかく、赤ちゃんのヴァルミラのほかにもう一人ヴァルミラというへんな名前の女の人がいて、その人は軍隊の大将になるくらい強い人だということはハンスもわかりました。
きっと、プロレスラーみたいな、ごつくて怖い女の人なのでしょうね。
さて、だんだんと山は険(けわ)しくなってきました。でも、ピエールもヤクシーもハンスも身軽(みがる)ですから、坂道も苦になりません。
後ろをふりかえって下を見下ろすと、アスカルファンはずっと遠くまで広がって、平野も丘も一部は雲の下にかくれてます。
まだ夏の終わりくらいだのに、高く登って行くと、ずいぶん寒くなってきました。
その十二 作者のお説教や言いわけなど
山脈を越えるまでに、本当はずいぶん時間もかかり、いろんな出来事もあった(ハンスやグスタフが崖から落ちかかったり、ジルバが雌猿を見つけてのぼせてプロポーズしてふられたり、パロが行方不明になったり)のですが、少し話を飛ばします。起こったことのすべてを書いていては、たった一日の出来事を書くだけでも世界一長い小説になりますからね。それをやろうとした文学者もいますけど。
さて、ハンスたちはやっとのことで大山脈を越えてグリセリードに到着(とうちゃく)しました。グリセリードといってもひじょうに広くて、今のアジア大陸全体だと考えてください。つまり、中国もインドもソビエト連邦もすべてふくむ広大な国です。もっとも、そのほとんどは砂漠や草原、北のほうやずっと南のほうは大森林ばかりで、人間が住むところはわずかなものです。
グリセリードを治めているのはシルヴィアナという女王ですが、本当はロドリーゴという宰相(さいしょう、総理大臣みたいなものです)が政治のすべてを行い、女王はかざりみたいなものでした。こういうことはよくあることで、みなさんが大きくなったら、世の中はうわべと中味のちがいがずいぶん大きいことにおどろくでしょう。うたがいを持たないすなおな気持ちはたしかに美しいものですが、はっきり言ってこの世は、だます人間とだまされる人間、そしてだましもだまされもしない人間の三種類がいます。みなさんは前の二つではなく、最後の種類の人間になってください。つまり、かくれたものを見抜ける人間になることです。汚いものだけではありません。愛情や、他人の本当の人間性も、見えない人には見えません。サン・テグジュペリという人が言うように、見えないものこそが大事なのです。ついでに言っておくと、ものが見えない、わからないというのは、自分のせいであって、だから相手が悪いとか無価値(むかち)だと考えないことです。見えるまで、わかるまでには時間がかかることが多いのです。あわてて答えをだすのはテストの時だけです。人生の答えはゆっくりだすこと。
さて、グリセリードにはいってもしばらくは人里は見えません。山を下りてずいぶん歩くと、やがて小さな村が見えましたので、三人と四匹(ジルバ、ピント、グスタフと、やっともどってきたパロです)はその村にはいりました。
断っておきますが、この話はあくまでお話ですから、たとえアジアがモデルでも、本当のアジアの風俗(ふうぞく、人々のようすやくらしかたです)とはだいぶちがいます。アジアの人間がシルヴィアナとかロドリーゴなんて名前じゃあ本当はおかしいのですが、これは自分の気に入った名前をつけただけのことです。
だから、グリセリードのようすを想像するなら、知識のある人は、中国がスペインかどこかに征服されていたら、と想像してください。つまり、地形的にはアジアですが、文化や風物はアジアとヨーロッパの混合です。そして、どこの世界でも同じですが、支配者がいて、庶民(しょみん、ふつうの人々です)がいるわけです。
その九 魔法使いロレンゾ
ハンスはこれまでこんなごちそうは食べたことがありません。しかも、食後には、砂糖のはいったケーキまででてきました。砂糖どころかハチミツだってふつうの人間にはめったに食べられないころですから、ハンスにとっては夢のようです。
食事の前に、二階からひとりのおじいさんがおりてきていましたが、そのおじいさんはハンスを見て、少しおどろいたような顔をしました。ハンスのほうは、むこうがなんでおどろいたのかわかりません。
「そうか、お前たちはグリセリードに行くのか。わしももう少し若かったらいっしょに行ってみたいところだが、最近めっきり足腰(あしこし)が弱くなってな。もう長旅はむりじゃ」
老人はロレンゾとよばれてましたが、そのロレンゾが言うと、ピエールが聞きました。
「若返りの魔法ってやつはないのかよ」
「あるにはあるが、人間、老いるときには老いるほうがいいのじゃよ。無理に命をひきのばすのは、やらねばならないことがある時だけだ。わしはじゅうぶん生きたから、もうまんぞくじゃ」
「そういえば、ずいぶん老いぼれたようだぜ」
「ピエール!」
とヤクシーが注意します。でも、この話だと、このおじいさんは魔法使いのようです。ハンスは思い切って聞いてみました。
「おじいさんは魔法使いなのですか?」
「そうじゃよ。この国でも一番えらい魔法使いじゃ」
「あれ? ぼくのお師匠のザラストもそう言ってましたよ」
「ザラストか、あれもなかなかやるが、賢者の書が無ければふつうの魔法使いじゃ。その賢者の書はわしがあいつにやったんじゃよ。わしにはもう用がないでの」
ハンスは部屋のすみでリンゴを食べているジルバを見ました。ジルバが言っていた魔法の本とはその賢者の書のことでしょう。
「おじいさん、ぼくに魔法を教えてください」
「お前も魔法使いであることはわかっとったよ。だが、魔法というものは、やりかたを聞いて、すぐにできるものではない。いろいろためして、そのうちにこれだ、というものを自分でつかむしかないのだ。一つができれば、次のものもやりやすくなる。そんなふうに少しずつ力をつけていくのじゃ。体を動かすのとおなじじゃよ。心の使い方を工夫するのじゃ。ある意思をもってなにかをすれば、それがある時、きゅうにできるようになる。すると、それがこれまでできなかったことのほうが不思議に思えるのじゃ」
ロレンゾの言う事は、ハンスにはよくわかりません。ハンスのほしいのは、呪文をとなえたら、なんでもできるような魔法なのです。
その十 魔法の教え
しぶしぶではありましたが、ロレンゾはハンスに魔法をいくつか教えてくれました。その一つは、グラムサイトと言って、ふつうの人間には見えないものを見る力です。たとえば妖精などが見えるし、地底の小人の抜け穴などもわかるそうです。また、隠れた宝物を見つけることもできるそうですが、いつでも思いどおりに見えるとはかぎらないそうです。
「心がちょうど、見たいものと調子があったときに見えるのじゃ」
ロレンゾはそう言いました。皆さんは、ラジオのチャンネルを合わせるようなものだと思えばいいでしょう。
やり方は聞きましたが、ハンスにはなにも見えません。
「そのうち見えるようになるさ。気長にれんしゅうすることだ」
ザラストと同じことを、このロレンゾも言ってます。まったく、ハンスのまわりの魔法使いって、なんて地味なやつばかりなんでしょう。作者のわたしもあきれてしまいます。マンガなら、原子爆弾くらい強力な魔法がどんどんでてくるのにね。
そのほかに、ハンスは空中浮遊の魔法を教わりました。
「もっとも、実はこれはわしも成功したことはない。だが、できたら面白いだろうな、と思っておぼえたんじゃ。れんしゅうすれば、お前はできるかもしれんぞ」
なんだか、たよりない魔法使いです。
「わしはもう魔法にはあまり興味(きょうみ)がないんじゃよ。神さまの作ったこの世界でじゅうぶん満足じゃ。花や木や太陽がこの世にあることくらい素晴らしい魔法はない。人間がどんな想像力をはたらかせても、こんなものは考え出せないのじゃ。それを考えると魔法でカエルを一匹つくりだしたところで意味もないことじゃが、魔法にはそれすらできないんじゃよ」
ロレンゾはそんなことを言います。ザラストもカエルを例にだしましたが、カエルになにか意味でもあるのでしょうか。それとも、二人ともカエルコンプレックスなのでしょうか。(カエルがこの話になにか関係すると思った方は、忘れてください。作者自身が、なんだかカエルってのは魔法的な生き物だな、と思っているだけですから。あの顔も体も魔法使いを思わせます。そうじゃありませんか?)
そのほか、いくつか魔法を教わりましたが、そのどれも、じっさいにできるためにはれんしゅうが必要(ひつよう)だ、ということで、それが本当の魔法かそうでないかは、今のところはわかりません。
ところで、この家の主人マルスは、まだ二十二、三歳の若者でしたが、マチルダのような美人がなんでこんな若者と結婚したのかな、と思うくらい平凡でおとなしい若者です。もっとも、体だけはたくましく、農夫としてはすばらしいはたらきができるだろうな、と思われます。彼は他の人々とあまり話が合わないようで、他の人々の会話が昔話になると、とほうにくれたような顔をします。すると、マチルダが気を使って話題を変えるのです。
ミステリー読書歴40年のおっさんが選ぶ「記憶を無くしてもう一度読んでみたい大どんでん返しの傑作」リストだが、この人は日本製ミステリーしか読まない人なのだろうか。
私はこのうち3作しか読んでいない(そのうち一つは、「何とか館の~」という似たような題名のミステリーが多く、読んだかどうかもはっきりしないくらいだが)ので、論評する資格はないが、そのうちふたつは「叙述トリック」であり、しかも作中の事件そのものの謎ではなく、作中人物を「男と思わせて実は女だった」とか、「若者か壮年と思わせて実は老人だった」という類のどんでん返しであった。つまり、こういう作品を「記憶を無くしてもう一度読んでみたい」という人は手品で騙されるのが好き、という人なのだろう。
そもそも、ミステリー小説とは「作中犯罪の謎」を解くのが面白いのであって、「騙されることが面白い」わけではない、と私は思うのだが、人はさまざまである。
ただし、「ハサミ男」は傑作だと思う。作中の謎も、意味のある謎だろう。と言っても、二度読みたいとは思わない。
なお、ホームズ物は推理小説というより「冒険小説」というか、ホームズのキャラを楽しむ小説だろう。そういう作品は再読性が高い。
目次
大どんでん返しの傑作一覧
「十角館の殺人」綾辻行人
「殺戮にいたる病」我孫子武丸
「イニシエーション・ラブ」乾くるみ
「葉桜の季節に君を想うということ」歌野晶午
「連続殺人鬼カエル男」中山七里
「medium 霊媒探偵城塚翡翠」相沢沙呼
「アルバトロスは羽ばたかない」七河迦南
「方舟」夕木春央
「ハサミ男」殊能将之
みんなの反応
その他のミステリー
コメント欄で紹介されたミステリー小説
私はこのうち3作しか読んでいない(そのうち一つは、「何とか館の~」という似たような題名のミステリーが多く、読んだかどうかもはっきりしないくらいだが)ので、論評する資格はないが、そのうちふたつは「叙述トリック」であり、しかも作中の事件そのものの謎ではなく、作中人物を「男と思わせて実は女だった」とか、「若者か壮年と思わせて実は老人だった」という類のどんでん返しであった。つまり、こういう作品を「記憶を無くしてもう一度読んでみたい」という人は手品で騙されるのが好き、という人なのだろう。
そもそも、ミステリー小説とは「作中犯罪の謎」を解くのが面白いのであって、「騙されることが面白い」わけではない、と私は思うのだが、人はさまざまである。
ただし、「ハサミ男」は傑作だと思う。作中の謎も、意味のある謎だろう。と言っても、二度読みたいとは思わない。
なお、ホームズ物は推理小説というより「冒険小説」というか、ホームズのキャラを楽しむ小説だろう。そういう作品は再読性が高い。
目次
大どんでん返しの傑作一覧
「十角館の殺人」綾辻行人
「殺戮にいたる病」我孫子武丸
「イニシエーション・ラブ」乾くるみ
「葉桜の季節に君を想うということ」歌野晶午
「連続殺人鬼カエル男」中山七里
「medium 霊媒探偵城塚翡翠」相沢沙呼
「アルバトロスは羽ばたかない」七河迦南
「方舟」夕木春央
「ハサミ男」殊能将之
みんなの反応
その他のミステリー
コメント欄で紹介されたミステリー小説
その七 カザフ
「なかなか賢い小僧(こぞう)じゃねえか。よし、俺たちもいっしょに行ってやろう。こいつ一人じゃあ危ないからな」
若者が言うと、女の人は心配(しんぱい)げに聞きました。
「でも、マルスのところには?」
「どうせとちゅうでカザフは通るから、だいじょうぶさ。その後の予定はないんだし」
「そうね、パーリの独立のためにも、グリセリードのようすを見ておくのもいいかもしれないわね」
二人は、ハンスにはなんのことかわからない話をしていましたが、男がハンスの方を向いて言いました。
「坊主(ぼうず)、グリセリードにはおれたちがつれていってやろう。どうだ?」
人を小僧だの坊主だのと、失礼(しつれい)な言い方をする男ですが、悪い人間には見えません。大人がいっしょなら、なにより安心です。それに、もう一人の美人は、できるならこのままずっと一生ながめていたいくらいです。
「ありがとうございます。おねがいします。ぼくはハンスと言います」
「おれの名前はピエール、こいつはヤクシーだ」
「よろしく、ハンス」
ヤクシーとよばれた美女はハンスにほほえみました。やくしーなんて変な名前だな、と思いながら、ハンスは赤くなってうなずきました。
翌日、ハンスたちは宿屋を出て山脈のふもとの村カザフをめざしました。
ピエールとヤクシーは馬に乗ってます。その後ろから驢馬のグスタフにまたがったハンスがついて行き、犬のピントは彼らの前を走ったり、後ろからついてきたりします。
ハンスは、ピエールという男がよくわかりません。身なりは商人とも騎士とも貴族とも農民ともちがいます。貴族の平服を着ていますが、態度(たいど)や言葉づかいは貴族にはとても見えません。ところが、ヤクシーの方は、身なりは質素(しっそ)ですが、きれいなかっこうをさせたら、どこかの王女だと言ってもみんな信じるでしょう。どうもあやしげな二人ですが、悪い人間でだけはなさそうです。
やがてカザフの村が見えてきました。
山のふもとにあるその村は、民家の数はおよそ百くらいの小さな村です。
家と家の間はゆったりと広く、家の垣根の中では、暖(あたた)かな日ざしを受けて、山羊やニワトリやアヒルがえさを食べています。のんびりとした村です。
ピエールたちは、その村の一番高いところまで上っていきます。
すると、目の前に大きな百姓屋(ひゃくしょうや)があらわれました。
家の前で小さな子供を遊ばせていた女の人が、彼らを見て手をふりました。
その八 あたたかな家
ヤクシーはその女の人のところへかけよりました。二人は抱き合って、再会(さいかい)を喜び合っています。
ハンスは近づいてその女の人の顔を見てびっくりしました。なんと美しい人でしょう。ヤクシーを見た時、ハンスはこの人は世界で一番美しい人だろうと思いましたが、この女の人は、それに負けないくらい美しいのです。ヤクシーとはぜんぜんちがって、この女の人は白い肌にブロンドに近い亜麻色(あまいろ)の髪、透き通るような空色の目をしています。教会のステンドグラスの天使をハンスは思い出しました。
年はヤクシーより少し下みたいですが、そばに二人の子供がいますから、もうお母さんなのでしょう。
子供は、一人は三歳くらいの男の子、もう一人はまだ一歳くらいの赤ん坊です。こっちは女の子に見えますが、赤ん坊はくべつがつきません。とてもかわいい赤ちゃんです。
「やあ、マチルダ、おひさしぶり。元気そうだね。マルスは?」
ピエールが女の人に言いました。
「マルスは畑よ。ピエール、ヤクシー、会えてうれしいわ。この子は?」
マチルダと呼ばれた女の人は、二人のそばにいるハンスを不思議そうに見て言いました。
「新しい相棒(あいぼう)だよ。名前はハンス」
ハンスはぺこりと頭を下げました。
「相棒ですって? ピエール、あんたまさか、また泥棒を始めたんじゃないでしょうね」
マチルダは、ハンスにおじぎを返した後で、ピエールを問いつめるように言いました。
なんと、ピエールは泥棒だったのでしょうか? それにしても、なんで泥棒がこんな美人たちと知り合いなんでしょう。
「まさか。おれたちは大金持ちなんだぜ、今さら泥棒なんてするもんか」
ということは、元泥棒だということはたしかなようです。
「子供に悪い事を教えないでよ。うちのオズモンドにもね」
マチルダはピエールに釘(くぎ)をさして、家の中に招き入れました。
広広とした家の中は、きちんと清潔にかたづいています。大きな窓からはいっぱいに光がはいり、室内をあたたかに照らしだしています。本当に居心地のよさそうな家です。
「案外ちゃんと家庭(かてい)の主婦(しゅふ)をやっているようじゃねえか。女中はいないのか?」
ピエールの言葉に、マチルダが少しじまんそうに答えました。
「お掃除もお洗濯もぜんぶ私一人でやってるのよ」
その言葉に、ハンスはかえってびっくりしました。掃除や洗濯を主婦が一人でするのは当たり前です。この人はなにをいばっているのでしょう。美人だけど、ちょっとへんです。
マチルダは三人を歓迎して、たくさんのごちそうをテーブルにならべました。
その五 旅立ち
「ハンス、お前も少しは魔法ができるようになったから、旅に出るがよい。あちこちの国をめぐり歩いて、いろんな魔法使いに会い、魔法の勉強をするのだ。そして、この世界のどこかにある天国の鍵をさがしなさい」
「天国の鍵?」
「生きている人間が、生きたまま天国に行ける鍵だ。これまでいろんな魔法使いや騎士たちが探したが、まだ見つけた者はいない。それを見つければ、この世から悪はなくなり、この世がそのまま天国のような平和な世の中になると言われておる」
「飢えも寒さも、戦争も憎しみも無くなるのですか?」
「そうだ」
「それなら、ぼくはそれを探します」
「まあ、どこにあるかわからぬものだから、気楽(きらく)に気長(きなが)にやりなさい。お前にこれをあげよう」
ザラストはハンスの前のテーブルにいくつかの品物(しなもの)をおきました。
まず、世界地図、それから短剣(たんけん、ナイフのことです)、帽子、マント、長靴、ベルト、上着、ズボン、下着、皮袋(かわぶくろ、これは水筒の代わりです)、薬草や傷薬、少しの食べ物などです。
「それから、ジルバ、パロ、ピントをおともにつれていきなさい。きっとお前の役に立つだろう」
ピントとは犬の名前です。白くてまだ小さな犬ですが、いったい本当に役に立つのでしょうか。
ハンスはさっそくザラストの家をでることにしました。
「気をつけていくのじゃぞ。悪い魔法使いや魔女、泥棒や山賊(さんぞく)がとちゅうには、いっぱいおるからな」
ザラストに手をふって別れをつげ、ハンスは驢馬(ろば)のグスタフにのって進みます。猿のジルバはハンスといっしょにグスタフにのり、オウムのパロはハンスの肩にとまっています。ピントはグスタフの前や後ろを歩いています。時々、かってに走り出して猫や兎をおっかけますが、すぐにもどってくるので、まいごにはなりません。
季節は夏の終わりで、まだ日ざしが強く、街道(かいどう)はほこりっぽい感じです。
夜は野原で野宿(のじゅく)します。火をたいて夜食を食べ、星をみながらねむるのです。マントの下に草をしけば、即席(そくせき)のベッドができますから、土の上でねても体がいたいことはありません。
やがて目の前に大きな山脈(さんみゃく)が見えてきました。これを越(こ)えれば東の国グリセリードですが、この山脈を越えるのはたいへんです。
とりあえず、ふもとの宿屋にとまろうと思いますが、お金はありません。
その六 若者と美女
ハンスは、猿のジルバにたのんで宿屋の前で芸(げい)をしてもらいました。芸とは、たとえば逆立ち(さかだち)とか宙返り(ちゅうがえり)です。ジルバが犬のピントや驢馬のグスタフのせなかの上で逆立ちや宙返りをすると、宿屋のお客さんたちは感心してそれをながめ、芸が終わると、みんな少しずつお金をくれました。ぜんぶかぞえると、七リムと六十五エキュ、七千五百円くらいになりました。
なかでも気前のいいお客は一人で五リムもくれたのです。
その人は感心して言いました。
「いやあ、よく仕込まれた犬や猿だなあ。まるで人間のことばがわかるみたいじゃねえか」
言葉づかいは少し下品(げひん)ですが、気の良さそうな若い男です。もっとも、子供のハンスから見れば、大人はみんなオジサンですが。
「坊やたち、どこから来たの?」
その若者のそばにいた恋人らしい女の人が言いました。こちらは、ものすごい美人です。ハンスは思わずその人に見とれてしまいました。生まれてから今まで、こんなに美しい女の人を見たことはありません。でも、この国の人ではなさそうです。色が浅黒く、目鼻立ちが非常にはっきりしています。目は大きくて、瞳が黒いダイヤモンドのようにきらきら輝いています。きっと南国の人なのでしょう。言葉も少したどたどしい感じです。
「トエルペンです」
男の方が女の人に説明(せつめい)しました。
「トエルペンってのは、アスカルファン中部の町だ。アルプ郡の、三番目に大きい町だな」
この男はアスカルファンの地理にくわしいようです。旅なれているのでしょう。
「で、これからどこへ行くの?」
「グリセリードに行くつもりです」
男の人と女の人はおどろいて目を見合わせました。
「おいおい、坊や、グリセリードがどんなところか知ってるのか? アスカルファンとは仲が悪くて、この前も戦争をしたばかりなんだぜ」
そう言えば、そんなことを聞いたような気がしますが、でも、十歳の子供にとって四、五年前のころの話は大昔です。
「入るのはむずかしいのですか?」
「そんなこともないが、アスカルファンの人間だと知られるとまずいだろうな。殺されるかもしれん」
ハンスは少し考えて言いました。
「じゃあ、口がきけない人間のふりをします。どうせ、よその国の言葉はしゃべれないんですから」
男はその言葉に感心したようです。
「ハンス、お前も少しは魔法ができるようになったから、旅に出るがよい。あちこちの国をめぐり歩いて、いろんな魔法使いに会い、魔法の勉強をするのだ。そして、この世界のどこかにある天国の鍵をさがしなさい」
「天国の鍵?」
「生きている人間が、生きたまま天国に行ける鍵だ。これまでいろんな魔法使いや騎士たちが探したが、まだ見つけた者はいない。それを見つければ、この世から悪はなくなり、この世がそのまま天国のような平和な世の中になると言われておる」
「飢えも寒さも、戦争も憎しみも無くなるのですか?」
「そうだ」
「それなら、ぼくはそれを探します」
「まあ、どこにあるかわからぬものだから、気楽(きらく)に気長(きなが)にやりなさい。お前にこれをあげよう」
ザラストはハンスの前のテーブルにいくつかの品物(しなもの)をおきました。
まず、世界地図、それから短剣(たんけん、ナイフのことです)、帽子、マント、長靴、ベルト、上着、ズボン、下着、皮袋(かわぶくろ、これは水筒の代わりです)、薬草や傷薬、少しの食べ物などです。
「それから、ジルバ、パロ、ピントをおともにつれていきなさい。きっとお前の役に立つだろう」
ピントとは犬の名前です。白くてまだ小さな犬ですが、いったい本当に役に立つのでしょうか。
ハンスはさっそくザラストの家をでることにしました。
「気をつけていくのじゃぞ。悪い魔法使いや魔女、泥棒や山賊(さんぞく)がとちゅうには、いっぱいおるからな」
ザラストに手をふって別れをつげ、ハンスは驢馬(ろば)のグスタフにのって進みます。猿のジルバはハンスといっしょにグスタフにのり、オウムのパロはハンスの肩にとまっています。ピントはグスタフの前や後ろを歩いています。時々、かってに走り出して猫や兎をおっかけますが、すぐにもどってくるので、まいごにはなりません。
季節は夏の終わりで、まだ日ざしが強く、街道(かいどう)はほこりっぽい感じです。
夜は野原で野宿(のじゅく)します。火をたいて夜食を食べ、星をみながらねむるのです。マントの下に草をしけば、即席(そくせき)のベッドができますから、土の上でねても体がいたいことはありません。
やがて目の前に大きな山脈(さんみゃく)が見えてきました。これを越(こ)えれば東の国グリセリードですが、この山脈を越えるのはたいへんです。
とりあえず、ふもとの宿屋にとまろうと思いますが、お金はありません。
その六 若者と美女
ハンスは、猿のジルバにたのんで宿屋の前で芸(げい)をしてもらいました。芸とは、たとえば逆立ち(さかだち)とか宙返り(ちゅうがえり)です。ジルバが犬のピントや驢馬のグスタフのせなかの上で逆立ちや宙返りをすると、宿屋のお客さんたちは感心してそれをながめ、芸が終わると、みんな少しずつお金をくれました。ぜんぶかぞえると、七リムと六十五エキュ、七千五百円くらいになりました。
なかでも気前のいいお客は一人で五リムもくれたのです。
その人は感心して言いました。
「いやあ、よく仕込まれた犬や猿だなあ。まるで人間のことばがわかるみたいじゃねえか」
言葉づかいは少し下品(げひん)ですが、気の良さそうな若い男です。もっとも、子供のハンスから見れば、大人はみんなオジサンですが。
「坊やたち、どこから来たの?」
その若者のそばにいた恋人らしい女の人が言いました。こちらは、ものすごい美人です。ハンスは思わずその人に見とれてしまいました。生まれてから今まで、こんなに美しい女の人を見たことはありません。でも、この国の人ではなさそうです。色が浅黒く、目鼻立ちが非常にはっきりしています。目は大きくて、瞳が黒いダイヤモンドのようにきらきら輝いています。きっと南国の人なのでしょう。言葉も少したどたどしい感じです。
「トエルペンです」
男の方が女の人に説明(せつめい)しました。
「トエルペンってのは、アスカルファン中部の町だ。アルプ郡の、三番目に大きい町だな」
この男はアスカルファンの地理にくわしいようです。旅なれているのでしょう。
「で、これからどこへ行くの?」
「グリセリードに行くつもりです」
男の人と女の人はおどろいて目を見合わせました。
「おいおい、坊や、グリセリードがどんなところか知ってるのか? アスカルファンとは仲が悪くて、この前も戦争をしたばかりなんだぜ」
そう言えば、そんなことを聞いたような気がしますが、でも、十歳の子供にとって四、五年前のころの話は大昔です。
「入るのはむずかしいのですか?」
「そんなこともないが、アスカルファンの人間だと知られるとまずいだろうな。殺されるかもしれん」
ハンスは少し考えて言いました。
「じゃあ、口がきけない人間のふりをします。どうせ、よその国の言葉はしゃべれないんですから」
男はその言葉に感心したようです。