藤浪、大谷が入団した2013年以降の3人の登板数、投球数、PAP、1登板当りのPAP
PAP(picher abuse point)は、先発投手の球数-100の3乗だ。100球以下はカウントしない。
この数値のシーズン累積が10万を超えると故障の危険性が高まり、20万を超えるといつ故障してもおかしくないとされる。
メッセンジャーは2012年から2016年まで5年連続で3000球を投げるとともに、毎年PAPが30万を超えていた。球数は2015年を除いて1位だ。
2017年も足を負傷するまでは、球数もPAPも1位だった。
世の中にはこういう投手がいるのだ。昔「ガソリンタンク」と言われ、いくら投げても壊れない米田哲也という350勝投手がいた。
時代は変わり、野球の「質」も変化したが、それでも酷使されても壊れない投手がいる。
藤浪晋太郎にとっては、メッセンジャーの存在がアダになったと言っても良いだろう。
メッセは2013年のPAPは60万に達した。150球を投げた試合が1つ、146球、142球の試合もあった。
この年、入ったばかりの藤浪は、中西清起コーチの方針もあって100球をめどに下げられたので、PAPは4.57万に過ぎなかった。
しかし翌年、さすがのメッセも春先はERAが4.80と不振だった。それを補うべく藤浪がメッセと同じように起用され、PAPは30万を超す。
2015年になると、藤浪の方が球数も増えたうえに、1試合の投球数も激増する。152球、147球、142球、141球というすごさだ。PAPは68.4万になった。
もちろん、この数字はセどころかNPB1位である。メッセの球数は相変わらず多いが、それでもPAPは30万台だった。
翌2016年に金本知憲監督が就任。3000球をはるかに超える球数を投げ、PAPも70万近い状態の藤浪に、当然指導者は配慮をすべきだったが、金本監督はそうしなかった。3月29日には139球を投げさせた。そして不振が続くと7月8日には161球を投げさせたのだ。
金本監督はこのとき、こう言った。
「今日は(藤浪を)最後まで投げさせるつもりだった。責任というか、あの立ち上がりがすべてでしょう。何回目かな。ストライクが入らずに(ストライクを)取りにいって打たれた。昨日の青柳のピッチングを見て、さあ、前回のマツダ(スタジアムでの敗戦)のリベンジというところで、あれではねえ。去年14勝したピッチャーがやることじゃないでしょう。そういう意味では、責任を持って、何点取られようが、何球投げようが(最後まで投げさせる)と思っていた。今頃、10勝くらいしていても、おかしくないピッチャー。それくらいの責任は感じて欲しいし、感じないといけない」
161球を投げればPAPはそれだけで20万を超える。その瞬間に壊れてもおかしくない。そういう状態に追い込むことを「責任」と言ったのである。
投手は一生懸命投げても打たれることがある。不振で投げられないこともある。そういう結果になったからと言って彼が「責任を果たしていない」というのは、あまりにも酷薄である。
藤浪は明らかに前年の登板過多の影響が出て、パフォーマンスが落ちていた。しかし金本監督はそれを「責任感の欠如」だとみなし、懲罰的に藤浪に161球を投げさせたのだ。
異論はあるだろうが、このことは絶対に看過できない。
ゲーム・スポーツなどについての感想と妄想の作文集です
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P R
カウンター
広尾晃の「野球の記録で話したい」から転載。
私は最近の野球の指標に関しては、ops以外はさほど当てにならないと思っているが、PAPというのは少し面白い。ただ、下の記事にもあるように、投手というのは個人差が大きいものだから、PAPの数字をすべての投手に当てはめて考えるのはどうかと思う。中日の又吉やバルデスのように、毎日でも投げたいという投手もいるだろうし、肩の回復に中5日は絶対必要だという投手もいるだろう。1試合の球数にしても同様で、150球200球投げても平気な投手もいるだろうし、DeNAの石田のように5イニング以上投げると急激にパフォーマンスが落ちる投手もいる。石田の場合は100球どころか、80球くらいが限度なのではないか。(1イニング15球くらいとして、5イニングで75球である。)反対に、超ベテランの久保康友などは去年のキャンプで1日に500球を投げたという記事もあった。つまり、それだけ投げても故障しないような投げ方をしているということだろう。(その久保康友の去就が決まらないところに各球団のアホさがあると思う。彼はコーチになっても有能になる予感がある。)
なお、コメントの中に、なぜ(球数ー100)を3乗するのか、という疑問を呈した人がいたが、これは100球を超えると疲労度が加速度的(等比級数的にと言うか)に高まるからだろう。全球数ではなく、100球を超えた分(全球数より数字がもの凄く小さくなる)だから、2乗よりも3乗のほうが、その疲労度の大きさ(上昇度)を示すのに適切だという判断かと思う。たとえば、102球投げた場合、PAPはわずかに8だが、110球投げた場合はPAPは1000になる。それだけ、100球を超した場合の疲労度は1球ごとに跳ね上がることを示して、投手の健康管理に注意を促しているわけである。
(以下引用)
藤浪晋太郎の不振を数字で説明するうえで、外せない比較対象が二人いる。同僚のメッセンジャーと大谷翔平だ。この2人と藤浪のPAPを比較すると、見えてくるものがある。
私は最近の野球の指標に関しては、ops以外はさほど当てにならないと思っているが、PAPというのは少し面白い。ただ、下の記事にもあるように、投手というのは個人差が大きいものだから、PAPの数字をすべての投手に当てはめて考えるのはどうかと思う。中日の又吉やバルデスのように、毎日でも投げたいという投手もいるだろうし、肩の回復に中5日は絶対必要だという投手もいるだろう。1試合の球数にしても同様で、150球200球投げても平気な投手もいるだろうし、DeNAの石田のように5イニング以上投げると急激にパフォーマンスが落ちる投手もいる。石田の場合は100球どころか、80球くらいが限度なのではないか。(1イニング15球くらいとして、5イニングで75球である。)反対に、超ベテランの久保康友などは去年のキャンプで1日に500球を投げたという記事もあった。つまり、それだけ投げても故障しないような投げ方をしているということだろう。(その久保康友の去就が決まらないところに各球団のアホさがあると思う。彼はコーチになっても有能になる予感がある。)
なお、コメントの中に、なぜ(球数ー100)を3乗するのか、という疑問を呈した人がいたが、これは100球を超えると疲労度が加速度的(等比級数的にと言うか)に高まるからだろう。全球数ではなく、100球を超えた分(全球数より数字がもの凄く小さくなる)だから、2乗よりも3乗のほうが、その疲労度の大きさ(上昇度)を示すのに適切だという判断かと思う。たとえば、102球投げた場合、PAPはわずかに8だが、110球投げた場合はPAPは1000になる。それだけ、100球を超した場合の疲労度は1球ごとに跳ね上がることを示して、投手の健康管理に注意を促しているわけである。
(以下引用)
藤浪晋太郎の不振を数字で説明するうえで、外せない比較対象が二人いる。同僚のメッセンジャーと大谷翔平だ。この2人と藤浪のPAPを比較すると、見えてくるものがある。
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