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ゲーム・スポーツなどについての感想と妄想の作文集です 管理者名(記事筆者名)は「O-ZONE」「老幼児」「都虎」など。
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(2)

自分は織田信長だと先ほど名乗った男は、成る程、昔高校か中学の教科書で見た絵の人物にどこか似ている。まあ、自分でも似ていると思ったから、こんな「仮装」をしているのだろう。しかし、頭をちょんまげに結うのも、白い浴衣を手に入れるのも簡単なことだ。先ほどの「出現」には驚いたが、これも何かのタネがあるのだろう。いい年をした大人がやるには子供っぽい遊びだが、世の中にはこんな暇人もいるわけだ。
「ここは茶室であるか」
「茶室?」
「うむ。狭いからそう思ったが、囲炉裏も茶釜も無さそうだし、掛け軸も花も無いとは風情の無い茶室だ。ただ寝るだけの部屋か」
「まあ、大人が二人も入れば狭くも感じるでしょう」
僕は嫌みを言ったが、相手はそれを嫌みと感じた様子はない。
「外から見ると部屋がいくつかありそうだが、お前の部屋はここだけか」
「寝るだけなら一部屋あれば十分ですよ」
「そうか。時に、わしは腹が減ったが、何か食わせてもらえないか」
そんなことだろうと思った。相手が部屋に入った時からこうなりそうな予感があったのだ。
僕は肩から降ろしたリュックサックの中から、ピーマンと肉(これは今晩食べようと思っていたものだ。)を取り出して、ガスコンロにフライパンを載せて火をつけた。
「ほほう、その囲炉裏は下から火が出る仕掛けか」
「囲炉裏ねえ。まあ、そんなところです」
「炭や薪を使っていないようだな。瞬く間に火がついた」
「都市ガスですよ。これはガスコンロ」
「便利なものじゃな。時に、お前は商人か、百姓か」
「まあ、浮浪者に近いですかね」
「浮浪者のくせに家に住み、こんな結構な家具を持っているのか。どうやら、ここは別世界のようじゃな」
「あなたが織田信長なら、およそ今より500年くらい前の人ですよ。つまり、ここはあなたの時代から500年後です」
「ふむ、浮浪者が家に住めるとは結構な時代じゃな」
「さっき浮浪者に近いと言ったのは、今は仕事が無いからですよ。さあ、どうぞ」
僕は牛肉ではなく豚肉を使ったチンジャオロースーを、朝の残りの飯に載せた皿を自称織田信長氏に渡した。
「うむ、美味そうな匂いじゃ」
信長氏はぱくつき始めた。
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