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ゲーム・スポーツなどについての感想と妄想の作文集です 管理者名(記事筆者名)は「O-ZONE」「老幼児」「都虎」など。
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あるツィッター経由で知ったのだが、この角川文庫の表紙はあまりにひどい。本当にこんな表紙で発売されたのなら、作者は自殺したくなるだろう。
あっ、もう自殺していたか。


(以下引用)


太宰 治生誕100周年

「元気で行こう。絶望するな。では、失敬。  ――太宰 治」

太宰治×梅 佳代×祖父江 慎 最強コラボカバー、ここに誕生!

全10冊、新装カバーで登場します!

晩年女生徒走れメロス斜陽人間失格ヴィヨンの妻ろまん燈篭津軽もの思う葦愛と苦悩の手紙
太宰 治(だざい・おさむ)
1909年(明治42年)、青森県金木村(現五所川原市)生まれ。本名、津島修治。東大仏文科在学中に非合法運動に従事するもやがて転向、本格的な執筆活動へ。35年(昭和10年)、「逆行」が第1回芥川賞の次席となり、翌年、第一創作集『晩年』を刊行。この頃からパビナール中毒に悩む。39年、井伏鱒二の紹介で、石原美知子と結婚。平穏な生活を得て、「富嶽百景」「女生徒」「走れメロス」などの多くの佳作を執筆。戦後、『斜陽』でベストセラー作家となるが、「人間失格」を発表した48年、「グッド・バイ」連載中の6月13日夜半に山崎富栄と玉川上水で入水し、没。生涯で自殺未遂、心中未遂を繰り返し5度目で死に至った太宰の遺体が発見されたのは、奇しくも39歳の誕生日にあたる6月19日であった。
梅 佳代(うめ・かよ)
1981年、石川県生まれ。2002年、日本写真映像専門学校卒。つい見過ごしている日常の中のハッとする瞬間をとらえる写真家。07年木村伊兵衛写真賞を受賞したファースト写真集『うめめ』は増刷を重ねており、国内外で開かれた写真展も大盛況。思わず笑ってしまうのだが、そのあと、不思議な余韻が残る写真ゆえ、彼女の写真の虜になる人があとをたたない。その後、『男子』『うめ版』『じいちゃんさま』などを刊行。東京をはじめ、パリ、ロンドン、タイで展覧会を開催、海外でも高く評価されている。
祖父江 慎(そぶえ・しん)
1959年愛知県生まれ。 愛知県立旭丘高校美術科卒業。多摩美術大学グラフィックデザイン科在学中に(株)工作舎で働きはじめ、そのまま大学中退。85年、上司のデザイナーが全員退社したため、自動的に同社アートディレクター(仮)になる。88年、フリーランスとなる。 90年、事務所名がないことに気づき「コズ フィッシュ」に決める。93年、バブルの勢いにのってそのまま法人化、(有)コズフィッシュになる。 2005年11月、ギンザ・グラフィック・ギャラリーで「祖父江慎+cozfish展」を開催。現在、cozfishの全仕事を一挙に紹介する初の作品集『祖父江慎+cozfish』を製作中(ピエ・ブックス刊、2009年初夏頃に発売予定)
【梅佳代さん×祖父江慎さん の対談】

生誕100年を記念して、太宰治の文庫全10冊が新装版で登場。カバーは、あの梅佳代さんの写真だ。装丁は、写真集『じいちゃんさま』(リトルモア刊)を手掛けた祖父江慎氏。息もぴったりのお二人に、ざっくばらんに話を聞いてみた。
 

太宰って、読んでた?
よよよ。
最初は高校生の時かな、「斜陽」読んで、美しい、かっこいいと思ったの。で、太宰といえばやっぱり「人間失格」かなと思って、次にそれを読んで……。でも、ぼくが学生の頃は、なんだか、太宰読んでるってかっこわるい?って感じでしたね。太宰読んでる=暗いヤツっていうイメージがあって。「そんなん読んでて、自殺すんなよ」なんて言われちゃいそうでさ。なんだか、〈太宰=ださい〉っていうイメージが漂ってたし。なので、カバーをくるんでタイトルが見えないようにして読んでいたの。これ(梅さんカバー)なら、くるまなくていいね。
POPになったから。
ステキに美しいよね!
私も“噂”で「太宰は暗い」って聞いていたんです。実は漫画でしか読んでない。「人間失格」と「斜陽」だったかな。予想以上に暗くてびっくりした。漫画のほうが絵がある分、よけいに「暗い」印象を受けたのかな?想像力があんまり関係なくなるから。そうか、やっぱ、本で読まんと駄目だな(笑)。
実際に読んでみると、思ってたより暗くないんだよ。暗いというより、美しいって感じ。「斜陽」の冒頭で、お母さまが庭のしげみでおしっこするんだけど、その描写にぶっとんだもの。だから最初、編集の方から「カバーは、梅佳代さんでいきます」って言われたときはびっくりしたけど、納得しちゃって。これなら堂々と表紙を隠さないで読めますよ。
でも、「暗い」とか「死にたいのか?」とか思われるっていうイメージがありながら、こんなにもたくさんの人に読まれてるって、すごい。
そうそう、それと思ってたより新しい人だというのにも、ビックリしたな。生誕100年ってことは、いま、生きてたら100歳ってことでしょ。
じいちゃんとあんまりかわらないよ。生きててもおかしくない。
長生きしてれば、まだ書いていたかもね。
実際、100歳に達していたら、どういうものを書いていたんだろね?
ものすごく明るいの書いてたかも。……梅さんは、どのカバーが一番好き?ぼくは『もの思う葦』かな。これ、写真の分解にも力を入れてもらったの。凸版の金子雅一さんという製版のゴッドハンドにお願いしたんだよ。唇の水っぽさとこの目つき、いいよね。この子は、『斜陽』のカバーにも登場してる女の子だよね?おしゃれスカート持って、スポットライトでポーズしてる。
うん。で、その子のお兄ちゃんが、実は『人間失格』の男の子の1人。
えー、兄弟なの?お兄ちゃんと友だち、いい味出してるよね。男子ってやっぱり“失格”しがちなんだよね。
いい失格っぷりを出してるよね。
競って“失格”してるね。この写真は、カメラ向けたとき、勝手に帽子で顔を隠したの?
うん、「写すなよ?」って顔隠しながら、でもポーズはしてるんだよね。帽子からちょっと覗いている子もいるんだけど、その子は顔出したかったんだろね。でも、友達が顔隠してるから、自分も隠さないといけないなって感じ。
それって、連帯感?『女生徒』の写真も顔隠してるけど、隠し方がだいぶ違うよね。
女子は本気で隠してる。男子は隠しながらも、写されるのを喜んでる感じがする。この写真も好き。
『走れメロス』の犬は、かなりのスピードで走ってるに違いないよね?
うん、脚がグルグルになっとる感がすごかった。カツカツカツカツって足音が面白くて。
これ、決定的瞬間だね。前脚が地面についてないし。
うん、必死に走ってる。この写真、上野で撮ったんだけど、上野じゃないみたい。
こういう写真って、ねらって撮れるもんじゃないよね?
うん、たまたま。あ、って気づいて、シュッて構えて撮って、で、カメラが下りるのもシュッて感じで速い。遠くになんだか見えてきて、どんどん近づいてきたんで、面白かったからシャッター押したって感じ。
じゃあ、いつもカメラをぶら下げて事件を捜している「報道写真家」って感じだよね。
うん、「報道写真家」。
何も特別な事件や政治的なシーンを撮ることだけが「報道写真」ってわけじゃないしね。梅佳代さんのは、明るい「報道写真」だ(笑)。……『ろまん燈籠』の子供たちは、小学校4年生くらいかな?でも、これは、最初から並んでいたわけじゃなさそうだね。
うん、階段に1段ずつ並んでもらって撮ったもの。
小学校の上級さんって、男子と女子ってきっちり分かれて並ぶんだね。
言われてみれば、小学校の頃、男子と喋ったらいかんっていう決まりみたいなのがあった。クラスが男子VS女子みたいになっとったから、ほとんど喋ったことがなくて。だから、いま同窓会で会うと、30歳にも近いのに、緊張して話せないんです。
そっかぁ。ぼくの行ってた小学校は、男女かなり仲良かったよ。五年にもなってるのに、男子はスカートめくり、女子はベルト抜き。ぼくは、女子の標的で、数人に押さえつけられてシュパーってベルト抜かれるの。日々、隙を見せられないんだけど、それでも仲良しだったんだ。
私は、村の小学校だから、36人1クラスしかなくて、6年生までずっと一緒だった。男子との対決が起こった時は大変だった。(※『女生徒』の写真の学校です)
『愛と苦悩の手紙』の男の子は、髪の毛や耳に緑の絵の具がついてるね。これって、ぼくが想像するに、絵の具でいたずらしてたら、お母さんに怒られそうになって、あわてて寝たふりしてる……ってところ?
いい感じで深読みしてる(笑)。この子は隣の家の男の子で、寝ていたところに私が訪ねていったから、無理やり起こされたところ。しかも、叔母さんに揺すぶられて、「あ、佳代ちゃん」って、一瞬、目が覚めたところが、うまく写せたって感じ。
半目になってて、白目見えてるし。
人が寝る瞬間ってこういうことなんだって思った。こういう顔になるんだね。
肉体と意識との葛藤があるね。『晩年』は、片手にビール、もう片方に赤ちゃん用のやわらかい煎餅持ってる。
なぜか突然、ビール瓶を持ってやってきたの。
千鳥足でね(笑)。……『津軽』のおばあちゃんは、梅佳代さんのおばあちゃんだよね?どうして部屋の中でほっかぶりしてるの?
冬はすごい寒いから。顔というか、首を温めてるんやよ。ばあちゃんは寒がりなのかな、5枚くらい重ね着してるし。
そして、いよいよ『ヴィヨンの妻』。
これ、私のお気に入りの一枚。最初は帯が掛かっているから、帯を取った時、この写真は衝撃だよね。
タイトルだけから想像すると、このお嫁さんの隣には、きっとヴィヨンが写っていると思うかもね。
なぜかよくわかんないんだけど、この写真、好き。普通に見えるんだけど、普通じゃないのが気に入ってるのかな。写真展で、1畳くらいに引きのばして展示したくらい、何だか惹かれてる。
梅さんは、タテ・ヨコの写真ってどう考えて撮ってるの?
最初はタテが多かったかな。考えて撮っていたからだと思う。でも、咄嗟に撮る時は、ヨコになる。ヨコが一瞬だとすると、タテは2秒くらい考える時間があるんだと思う。それに、報道写真はヨコのほうが収まる。
そうだね、対象物がヨコに動いても捉えられるし。タテに動くものってあまりないからね。
こうして見てくると、写真をヨコ位置で全面に使ってもらえてよかった?。文庫は書店さんでタテ長で置かれるものだって思ってたから、ヨコにしちゃうなんて考えもしなかった。祖父江さん、ありがとうございます!
出版社のOKが出て助かったよ?。トリミングすると報道写真じゃなくなっちゃうしね。かといって小さくすると表情がわからないし。そもそも、なんで本はタテ長なんでしょうね?そういえば、文庫って実はちょうどサービス判くらいの大きさだから、すごく写真らしくてちょうどいい大きさだった。友達にも見せびらかしたくなっちゃうね。写真で盛り上がれるというか、コミュニケーションがとれる、そういう太宰治文庫になったね。
私の写真の世界とは「遠い」作家だと思っていたけど、暗いだけじゃないっていう部分をちゃんとアピールできるという意味で、楽しんでもらえると嬉しいな。うーん、うまく言えないけど、案外、明るさと暗さは隣同士というか、時計の 針でいえば、たとえば、12時と12時1分の短針・長針の位置ということではなく、長針がグルって回って、59分になってるというか、それくらい違いはあるんだけど、隣同士になれるというか……そんなカバーになったのが嬉しい。カバーもたくさんの人に楽しんでもらいたいです!
大人になった眼で、もう一度読んでみたくなるね。太宰さん、ありがとう!
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