◆JERAセ・リーグ 阪神4―0DeNA(24日・京セラドーム大阪)
エッ~!? 代打のセーフティーバントなんて思いもよらなかった。7回2死一、二塁で関根がドラッグバント。阪神も予想していないし、絶妙なところに転がしたので、見事に成功した。ベンチで首脳陣が「イチかバチかやってみろ」と指示したのか。正直、DeNAがこんな小技をやるのか、という衝撃も受けた。次の桑原が満塁本塁打。関根のバント安打成功が勝負の分かれ目になった。
三浦監督の采配に、勝利への執念が強く出ていた。0―0の7回1死一塁で代走を送ってまでバントをさせた。2死二塁で阪神は代打・伊藤を敬遠。好投の浜口を交代させる狙いだったと思う。三浦監督も引かずに、代打を送った。浜口は6回3安打無四球と完璧な内容。勇気のいる交代だが、攻めを貫いた。この回無得点なら、浜口も消化不良の思いが残っただろうが、勝利投手になったので、次にもつながった。
後半戦はDeNAの野球が変貌(へんぼう)している。投手が安定して防御の計算が立つことで、「1点」を取る攻撃が徹底されてきた。細かい作戦のほかにも、打者が中堅から逆方向を意識している。ブンブンと振り回す以前のチームではない。(スポーツ報知評論家・安藤統男)