自責点は「投手が責任を追わなければならない得点」と野球規則１０・１６で定義していますが、ここでいう「責任」とは「投球上の責任」の事を指します。つまり投手が打者に対して投球を行い、

「失点が避けられない打球を打たれる（安打であるかどうかは関係ない）」
「投手の暴投により得点を許してしまう」
「投球の隙をついて本塁に生還されてしまう（つまり、ホームスチールを許す）」

のいずれかの結果になった場合に投手がその失点の責任を負い、自責点として記録するという性格のものです。
だからヒットや四死球だけでなく犠牲フライやスクイズ、それに「併殺の間の得点」までもが自責点の対象となるのです。その反面、塁に出た（またはアウトを免れた）理由が「ミスプレイによるもの」である場合には「そのミスプレイがなければアウトになっていた」という理由で「投手は投球上の責任は果している」として自責点の対象から外し、また「そのイニングで３人のプレイヤーをアウトにとることが出来ていたはず」という状況になった時にも以後の失点には自責点を科さない規定になっているのです。

「投手自らがエラーをしたのだから、その結果入った得点は投手が責任を負うべき」という気持ちは分からなくもないのですが、プレイヤー側の思惑と記録員がプレイを見届けた時の解釈が必ずしも一致するとは限りません。
プレイヤー側にしてみれば「ベースカバーに入った野手がちゃんと捕球していてくれていればアウトに取れたのに・・・」と思っていても、公式記録員が「投手が捕りにくい送球をしなければ野手は捕球できていた」と判断してしまえばエラーは投手に対して記録されます。もちろん誰がどう見ても投手が悪いというエラーもあるでしょうが、どちらが悪いとも言えないようなケースだってありえるわけですから、投手に対して記録されたエラーを全て投手の責任として自責点の対象としてしまうのも不条理のような気がします。

また「自責点」は記録されないにしても「失点」は記録されます（失点は投手自身に責任があるかどうかに関わらない記録です）から、エラーによる失点が決勝点であればその投手は負け投手になってしまいます。
失点に対して自責点が少ない選手は「味方の守備に恵まれない」選手ではあるものの投手としての評価は「失点を防げない事」や「チームの敗戦に関与してしまう事」の方がより重要視されますから、自らの防御率のためにわざとエラーしよう等とは思わないでしょう。仮に故意のエラーがばれなかったとしても「チームの勝ちに貢献できない投手」のレッテルを貼られれば一緒の事ですから。

そう考えると少しは納得がいきませんか？

ちなみに牽制悪送球は「アウトの機会」には数えません。仮に送球が正確であればリードしていた走者をタッチアウトにできていた場合であってもです。

2017年07月09日17時36分03秒更新

中日 対 ＤｅＮＡ

【試合終了】 中日5勝8敗2分け

◇公式戦◇開始14時01分◇ナゴヤドーム◇観衆36564人

◇本塁打

ロペス19号（３ラン120m=柳）

桑原９号（ソロ120m=岩瀬）

◇失策

久保（３回）

久保（５回）

◇暴投

福谷（７回）

◇試合時間

３時間21分

◇球審

佐藤

◇塁審

佐々木

梅木

橋本