私は、楽天はどうせそのうちソフトバンクに追い抜かれるだろうと考えていたが、フロントのこの機敏な行動を見ると、球団自体の内容が良くなっていると感じる。シーズン前の岸の獲得もそうである。さらに言えば、ここ数年のドラフト内容もいい。
藤田、茂木が戦力から抜けたら、二軍から(いもしない)人材を探すより、即戦力になるベテランを他球団から金銭で獲得する、というのは賢明だ。実際、今の楽天の二軍に誰かいるだろうか。まあ、有望若手はいるにしてもまだ一軍で働ける可能性は少ないだろう。
なお、横浜ベイスターズが阪神に2連勝して単独2位に上がった。これは驚きであるが、現在の両チームの調子から言えば妥当な結果とも言える。これまでの横浜はこうしたチャンスに必ず失敗し、下位に沈んできたのだから、少し変わってきたのかな、と思う。ラミレスへの評価も当然上がることになるが、まだまだ先は長い。気を緩めずにやってほしい。
横浜の連勝は阪神の金本采配に助けられた面もありそうだ。「貧すれば鈍す」というやつで、とうとう大山左翼という無茶な布陣をしてきた。外野手の余っている阪神で西岡や大山をわざわざ外野で使うというところに金本の「外野守備は(引退間際の俺でもできたのだから)誰でもできる」という奇妙な思考形態が見える。馬鹿である。せっかく伸びかかってきた有望若手がどんどん腐っていきつつある。原口、高山がそれだ。そして中谷まで昨日は代打でしか使わなかった。
高山に関しては、かなりスランプのようだから、一度二軍に落として調整させるべきだろう。原口もそうかもしれない。二軍には狩野など、使えるベテランはたくさんいるはずである。金本は「有名選手」と若手以外には厳しいし、その若手を使うにも最後まで我慢することができないようだ。
なお、金本の末期の外野守備のひどさを本人は自覚していなかったようだが、阪神ファンの間では有名なものであり、ショートの鳥谷はレフトの守備まで半分担当していたために「ショフト」と呼ばれていた。介護されている金本本人は介護されていることに気づいていなかったため、自分がレフトをちゃんと守っているつもりだったのだろう。その「体験の誤解」が今の外野守備軽視につながっている、というのが私の仮説だ。
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- 巨人から金銭トレードでの楽天入りが決まり安部井統括本部長(左)から激励される会見するクルーズ(撮影・野上伸悟)
楽天は26日、巨人からルイス・クルーズ内野手(33)を金銭トレードで獲得したと発表した。この日の午後6時開始のソフトバンク戦(Koboパーク宮城)から出場する。
楽天は藤田一也二塁手(35)が腰痛で19日に出場登録を抹消。茂木栄五郎遊撃手(23)は右肘の骨挫傷と、6月から長期離脱が続いている。攻撃面でも、大砲カルロス・ペゲーロ外野手(30)と岡島豪郎外野手(27)が23日のオリックス戦で負傷離脱するなど、けが人が相次いでいる。
7月末の補強期限を前に、華麗な内野守備を誇る助っ人の緊急補強に踏み切った。安部井寛チーム統括本部長は「まだ残り60試合以上ある。センターラインの強化、過密日程もあるので選手層を厚くしたいという思いがあった。守備力やパンチのある打撃で貢献してくれると思う」と話した。
クルーズはこの日、Koboパーク宮城で入団会見に出席。パ・リーグはロッテで2年間プレーした経験がある。今季、巨人では1軍出場9試合にとどまったが「自分の持ち味である守備や、ホームランを打つことを腐らずやって、一生懸命やっていれば、どこかのチームでチャンスがあると思っていた。楽天はチーム状況がいい。リーグチャンピオンに向かって、チームの力になりたい」と新天地移籍を歓迎した。