虎の隠し玉は「茨城のカブレラ」だ。阪神が今日20日のドラフト会議で高校通算63本塁打の明秀学園日立・細川成也投手(3年)の指名を検討していることが分かった。球団は野手として評価している。



 細川は甲子園出場経験のない「隠し玉」だが、高校球界では知られた存在だ。細川を有名にしたのが、今年3月に岐阜で行われた招待試合でのこと。大垣日大、県岐阜商などの強豪校を相手に6試合で5発をマーク。中堅122メートルの長良川球場で左中間席の外野屋根に乗せる特大弾を放ち、周囲の度肝を抜いた。遠くに飛ばす能力は、全国の高校生を見渡しても間違いなくトップクラスだ。



 素材を重視する金本監督の考えにも当てはまる。181センチ、85キロ。サイズを見れば超大型とは言えないが、中学ではジャベリックスロー(小中学生向けのやり投げ)で中学全国2位。77・42メートルを記録した。チームでは投手を任され、最速146キロを計測。投げる能力も高いが、「どんどん本塁打を打てる選手になりたい」と、プロでは野手1本で勝負するつもりだ。



 虎と縁もある。同校の金沢成奉監督は東北福祉大出身で、金本監督の先輩。光星学院(現八戸学院光星)時代には巨人坂本らを指導し、今季ブレークした北條も教え子の1人だ。かねてからの懸案事項である生え抜き大砲の育成。指名、入団となれば虎ファンにとっても、楽しみな存在になりそうだ。



 ◆細川成也(ほそかわ・せいや)1998年(平10)8月4日生まれ。茨城県北茨城市出身。小3時に北茨城リトルで野球を始める。中学時代は福島のいわきシニアに所属。明秀学園日立では2年春からベンチ入り。50メートル6秒2、遠投100メートル。181センチ、85キロ。右投げ右打ち。