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ゲーム・スポーツなどについての感想と妄想の作文集です 管理者名(記事筆者名)は「O-ZONE」「老幼児」「都虎」など。
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ここに書かれた小山正明のピッチング論、バッテリー論は、まさに金言であり、プロですら騙されている世の愚論の大半を沈黙させるものだろう。その「合理性」が素晴らしい。

(以下引用)

阪神など3球団に所属し、歴代3位の通算320勝を挙げた「投げる精密機械」こと小山正明さんが4月に90歳で亡くなった。投手コーチとしても複数球団で後進の指導に尽力したレジェンドが語った「コントロールの金言」とは?《NumberWebレポート全2回の2回目/最初から読む》

「そら、練習ですよ! それしかないよね」

 4月に亡くなった元阪神の300勝投手・小山正明さん。「精密機械」と呼ばれた右腕が虎のコーチを務めていた頃、「内角に投げきる技術」を問うと、そんな答えが返ってきた。

 兵庫・高砂高校からテスト生で阪神に入団した小山投手。

 入団して数年は、お決まりのバッティング投手。一軍打者の練習相手から「修業」は始まった。

「内角はあぶないとか…あれ、ウソやろ」
 今のように「専門職」としてのバッティング投手がいなかった時代。若手投手たちは、そこがコントロールの修練の場だったという。

「まず、投げる方向(内角)にしっかり爪先を踏み込むこと。それと、しっかり腕を振ること。この2つを『これでもか!』っていうほど、体に刷り込んでやるしかないんや。当てる時って、当てるのが怖くて体が開いて、ボール置きにいってシュート回転してズドン……みたいな感じやろ、たいがい」

「内角」の概念をカン違いしている投手も多いという。

「内角はあぶないとか、長打につながるとか言うけど……あれ、ウソやろ。きっちり投げられたら、あんな打ちにくいもんもあらへん。腕の長さとバットの長さが邪魔になってな。あぶないのは、内角狙って投げきれなくて、真ん中に入るやつや」

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 さらにそこから、「高めも危ない説もウソ」と論が転じていく。

「高めかて、胸のあたりはやっぱり腕とバットの長さが邪魔になって、どんだけ打ちにくいか。打ちやすいのは、ベルトの高さの<高め>や。おれなんか、胸の高さのまっすぐにスピンかけて、どんだけ空振り三振取ってやったことか!」

 カッカッと笑うその横顔を見ながら、達人の自慢話は痛快だと思った。

 勉強になるからだ。

「アマとプロ」コントロールの違いとは?
「アマとプロで、コントロールの違いって、なんだかわかる?」

 第2幕に入ったようだ。

 こうなると、さしものベテラン記者たちも、口を挟める雰囲気ではない。

 ゼミナールである。

「アマのコントロールは<ストライク>……ストライクがとれるのが、アマのコントロールや。じゃあ、プロはなんじゃ? プロのコントロールっていうのはな、構えたミットに投げる……これや!」

 この時から、アマチュアの投手のピッチングを見て、捕手が構えたミットに何パーセントきまるかを見定め、それを「コントロール率」と勝手に名付けて、今も制球力の「ものさし」として使っている。

 ちなみに、私の経験則によると、コントロール率75%を超えたら、プロでも一流と見なしてよさそうだ。

「なんで、構えたミットに投げんといかんのか、わかる?」

 小山ゼミの「コントロール論」の講座は、どんどん前に進んでいく。

「初球、いきなり逆球行ったら、どうなる?」

 生徒、反応なし。

「誰がいちばん困る?」

 キャッチャー。誰かがつぶやく。

「それや! キャッチャー、配球のプラン崩れて、いちばん困るやろ、ストライクやったとしても。キャッチャーは、このバッターをどんなボールで打ち取ってやろうって勝負球をまず決めて、そこから逆算的にストーリー作るわけや。それを、いきなり初球から反対に来られたら、配球ぐちゃぐちゃや」

 打てない打者に珍しく「パカーン!」とやられ、ダグアウトに帰って来て、「なにしとんのや!」と監督に一喝された捕手が、「最初から逆球じゃあ、配球もへったくれもないわい!」と血相変えてやり返したことがあったそうだ。

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「それぐらい、キャッチャーは懸命に知恵絞って、配球に心を砕いてるんや。キャッチャーかて人間やで。ピッチャーの技量不足で自分が叱責されたら、なかなか本気になってくれへん。行き当たりばったりのリードになって、バッテリーの心が離れてしまったら、勝てるわけないやろ」

キャッチャーに「依存」のピッチャーは半人前
 理想のバッテリーのあり方は……?

「今日のこのバッターのスイングやったら、『スライダーから入っていったらいかがでしょう?』。キャッチャーがピッチャーに、まずおうかがいを立てる気持ちでサインを出す。それを見て、ピッチャーが『おお、オレも今日のこいつを見て、まずスライダーで空振りとったろと思っとった。ヨッシャ、いくで!』。これや。

 バッテリーの両方に、バッターに対する観察と読みがあって、それが合致した時に、<確信>という強い力が湧いて、全力で腕が振れるんや。『次、なんですか? スライダー? ああ、そうですか』みたいなサインの見方をしていて、いざ投げる段になって、ほんまもんの力が入るかい! キャッチャーに依存して投げているうちは、ピッチャーも半人前なんや」

現代でも通用する「論」の重要性
 最初は、先輩記者たちの後ろで、半分盗み聞きみたいに耳をそばだてていた「小山ゼミ」だったが、途中からは、夢中でノートにメモをとっていた。

 この時に学習した内容は、自分なりの味付けをちょっと加えながら、今でも自分の「論」として、書き物の中にありがたく使わせていただいている。

「僕ら、阪神で投げていた頃にバッテリー組んでいた山本の哲っちゃん(山本哲也捕手)なんか、1m70cmあるかないかの小さなキャッチャーやったけど、よう言うてたで……『小山、村山(実)、渡辺省三。コントロールのいいピッチャーとばっかり組んだから、オレみたいな小さくて体力のないもんでも、何年もやれたんや。球数少ないし、ムダにバタバタせんでええし』ってな」

 時代の変遷につれて、選手たちの力量やプレースタイルも変わり、ルールさえも変化していく野球の世界だが、そんな中でも、揺るがない「鉄則」というものは間違いなくあろう。

 野球という尽きない魅力を秘めたチームスポーツの本質を大切にしていくためにも、先人たちの金言が、なるべくそのままの表現で語り継がれていくことを、心から願っている。
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