なお、スポルティバに、近江の有馬捕手の記事が載っていた。いい記事だったが、転載はしない。
ちなみに、近江の有馬捕手がいい、と評価したのは、おそらく私が一番早かったと思う。何しろ、捕手というのは打線で7番とか8番を打つことが多いから、目立たない。守備型捕手や好リードの捕手に目を向ける野球ファンはほとんどいないのである。だが、「捕手中心に見る」のが野球の一番面白い見方だ、とは前に書いたとおりだ。そういう目で見ると、得点差に関わらず、どんな試合でも面白くなる。
(以下引用)
逆に評価を下げたのは大会ナンバーワン左腕と評されていた横浜の及川雅貴だ。1回戦の明豊戦では5失点して3回持たなかった。
「踏み出すステップの位置が1球、1球変わってしまってバラバラ。いかに下半身が安定していないかという証拠だ。かかったボールはさすがだし、左腕でピッチャーらしいピッチャーは彼くらいなのでプロのスカウトは追いかけていくのだろうが、1球ごと、1試合ごとに、いい悪いが出てしまう不安定さをどこまで克服できるかが問題」
一方、野手では、決勝へ進んだ東邦の投手&3番打者の石川を評価した。投げては、全試合に先発して、2試合に完投勝利し、2失点以上は許していない。角度のあるストレートにスライダー、スプリットが切れる。3番打者としては、準決勝の明石商戦ではヒットがなかったが、2回戦の広陵戦では、河野からレフトスタンドへ一発を放り込み、ここまで4打点と勝負強さを発揮している。
「投手としては角度のある球威に加えて落差のある変化球があって安定しているので簡単には打たれない。身体能力の高さ、頑丈さは魅力だが、投球フォームは野手。プロでは野手に専念するべきだろう。リストが強いのが特徴でポイントが近くミート力もある。石川のような将来のクリーンナップ候補の右打者は、どのチームも欲しい」
もう一人注目したのが、山梨学院の野村健太だ。24-5の記録的なスコアで快勝した1回戦の札幌第一戦ではバックスクリーンに2発叩きこんで度肝を抜いた。
「山梨のデスパイネと呼ばれているそうだが、パワーは、まさに外国人助っ人級だ。風もあったが、甲子園のあそこにまで飛ばす飛距離を持った打者をここ数年見たことがない。バックスイングをほとんどとらないタイミングの取り方なのでプロの速球にもすぐ対応できるのではないか。ただ不発に終わった2回戦の筑豊学園戦では、おや?っと思った。凡退の中身が悪かった。やはり、そこはまだ高校生。それでも外野手という点もプロでチャンスをもらいやすいし石川共々、スカウトが注目する右打者だと思う」
片岡氏は、「キャッチャーにもいい素材が目立った」という。
気になったのは、智弁和歌山の東妻純平、筑陽学園の進藤勇也、大分の江川侑斗の3人。一人挙げるとすれば、4番を任され一回戦の熊本西戦では豪快な3ランを放つなど、好守に渡る活躍でチームをベスト8へ導いた東妻だという。
「キャッチャーは頑丈な体が要るが、あまりでかくても俊敏性に欠ける。東妻は、体の動きにセンスを感じさせる。パンチもあるし肩も強い。近代野球向きの捕手だと思う」
平成最後のセンバツから令和の夏の甲子園へ。スカウトは、秋のドラフトへ向けて有力候補の球児の成長を追い続けることになる。