野球における配球の妙ということを明確に教える、貴重な文章だと思う。
ラミレスが、横浜バッテリーの練習として内角攻めを重視している、という記事が他のサイトで出ていた(それも追加転載した。)が、内角攻めは外角攻めをも有効にするわけだ。内角を攻められると、打者は腰が引ける(心理的なだけだ、としても)から、次の外角への攻めにうまく対応ができなくなる。
今年の横浜は相手へのデッドボールがセリーグ最小だったという。その理由は、おそらく、阪神戦で、山崎の与えたデッドボールを和田に猛抗議されたことだろう。それで中畑はすっかりびびってその時の捕手を翌日二軍に落とした。それ以降、横浜バッテリーはみな、内角攻めが怖くなったのではないか。となれば、阪神以外の他球団もその恩恵を受けて、横浜相手に好成績を残すようになったのは当然である。
つまり、あの和田の田舎芝居で横浜はペナント争いから脱落したのである。自軍選手が相手監督から攻撃された時に、自軍選手を守らない監督など糞である。中畑は嫌いではないが、あれは大失敗であった。これはその時二軍降格された捕手(ボケて名前も失念しているが)が同郷人だから、ひいきでそう言っているのではない。
(以下引用)
インコースを攻めることの大切さ 安藤の投球にうなった
21日、2/3イニングを無安打無失点の投球で今季3ホールド目を挙げる2番手・安藤 Photo By スポニチ |
どうも~、下柳です。先週に予告させていただいた通り、今回はこれまで少し趣向を変えさせてもらいますわ。
オレがABCラジオで解説させてもらった、21日のDeNA―阪神戦(横浜)。終盤までもつれたこの一戦を、スポニチアネックスで再度、評論させてもらいます。
試合は5―3で阪神が勝ったんやけど、オレがうなったシーンは7回裏の安藤の投球やった。
3―0の阪神リードで迎えたこの回、それまでパーフェクトやった先発・岩田がつかまって、あっという間に1点差に追い上げられた。なおも1死一、二塁のピンチ。打者・バルディリスという場面で、阪神ベンチは安藤をリリーフに送った。1ボール1ストライクからの3球目。安藤―梅野のバッテリーは内角シュートを要求した(結果はボール)。続く4球目も同じところへ、安藤はシュートを投げファウルになった。再び平行カウントとなった5球目。勝負の1球で阪神バッテリーはまたも内角シュートを選択し、結果は狙い通りの遊ゴロ併殺打となり反撃を食い止めた。
ここで、特筆すべきは3球連続でインコースにシュートを投げきったことやろうね。捕手・梅野のサインだったらこれは大したもんだし、ベンチからサインが出ていたのなら、安藤に対する信頼以外の何物でもない。一打同点、逆転という場面での内角要求は、勇気と覚悟がいる。しかも、投手が岩田やったとはいえ、前の打者・ロペスは内角をタイムリーヒットしていたからね。
この試合、先にも記したように岩田が6回まで完全試合やったんやけど、オレはラジオで何度も警鐘を鳴らしとった。というのも、2周り目まで左打者に対してほとんどインコースを使ってなかったんや。ほとんどのボールが外ばかり。抑えてはいたけど、嫌な予感がしとった。
なぜ、2周り目までに内角を突いておかないといけないかというと、3周り目以降になるとどうしても投手はスタミナを消耗してくる。そこで内角を使い始めたとしても、抜けて死球、あるいは制球ミスで中に入るといったケースも出てくるわね。
そういうリスクも発生するし、内角を早めに突くのは確固たる理由があるんや。打者からすれば、内角へ投げられると、どうしても体の開きが少し早くなってしまう。それがあるから、外の変化球がより生きてくるというわけや。
実際に7回、岩田が出した初めての走者は石川への死球やったからね。それまでの2打席も追い込んでから外、外と行くんだけど、はっきり言って石川は本塁打が少ないバッター。なおさら、インコースへ投げないと…。当然、同じ左打者である梶谷、筒香は阪神バッテリーが石川をどう攻めるかというのをつぶさに観察してるんやから、やはり早い段階から内角を使っておくべきやったよね。それがなかったがゆえに、7回は梶谷、筒香にも連打されてしまった。
プロ野球というのは当然、目の前の試合に勝つことも大切やけど、その1試合だけで話しが終わらないことも多い。どういうことかと言うと、たとえば同じカードで井川(現オリックス)の後にオレが投げると、すごく投げやすかった。井川がどんどん相手打者の内角をついてくれていたからね。そのおかげで、打者は少し開き気味になった状態で、オレと対戦しとったから。そうなると右打者に対して外のシュートはより有効になるし、内角へスライダーを投げればファウルを打ってくれる。だから、オレがカードの初戦に投げるときは、2、3戦目につながるような投球をすることも意識していたよね。
話しを戻すと、とにかく7回の安藤は素晴らしかった。あの内角シュート3連投が、この夜の勝因と言っていい。
阪神とは対照的に、DeNAバッテリーはすごくもったいなかったよね。同点の9回2死一、二塁でバッターはゴメス。2球で追い込んだのに、3球目の外角真っすぐを中越え適時二塁打されてしまった。捕手の黒羽根君は外のややボール気味のところに構えていたけれど、心のどこかに「あわよくば空振りしてくれ」というのがあったように思う。そうではなくて、きっちりとボール球を要求しないといけない場面。ましてや投手は新人の山崎君だったからね。
ただ、そもそも気になるのは3球とも外の真っすぐでの勝負だった。どこかでインコースへ投げておけば、結果は違ったやろうね。確かに、あの場面で長打力のあるゴメスに内角を要求するのはすごく勇気がいる。でも、そこを突っ込んでいかないと、やはり打者は打ち取れない。仮に外を3球続けるのであれば、最後はボールになるスライダーなら、振っていた可能性はあるだろうね。
2球目のファウルの場面でDeNAにはサインミスらしき動きもあったけど、バッテリーが再確認する様子はなかった。そういう細かい部分を詰めていかないと、やはり接戦はものにできないよね。DeNAも勝ちたいという思いが伝わってくるんだけど、より粘り強いプレーをしてほしい。下柳一押しのDeNA。期待しているだけに、決勝点の取られ方がちょっと残念でした。では、また来週会いましょう!
[ 2015年4月27日 ]
ラミちゃん監督 内角攻めろ!実はデータ魔、与死球最少から意識改革
ブルペンで投球練習を見つめるラミレス監督。手前は高城 Photo By スポニチ |
DeNAは6日、鹿児島県奄美市で秋季キャンプを開始し、ラミレス新監督が本格始動。最高気温26度の温暖な気候の中で背番号「80」のユニホーム姿を初披露し、今季リーグワーストのチーム防御率3・80に終わった投手陣の立て直しへ初日から動いた。
午後2時すぎにブルペンへ向かうと、右打者を想定して三嶋に「内角直球、内角カーブ、外角にストライクからボールになるスライダー、最後は外角いっぱいの直球を投げてくれ」と指示。万谷には「内角ツーシーム、内角フォーク、外角スライダー」と要求した。
現役時代に谷繁(中日監督)、矢野(阪神1軍作戦兼バッテリーコーチ)ら対戦球団の捕手の配球をDVDで分析し、外国人史上初の2000安打を達成した。「良い球があっても配球が悪かったら成功しない」と相手を抑える配球術は打者目線で熟知している。万谷は「内角のフォークは今までない配球で驚いたけど、投球の幅が増える」と声を弾ませた。
秋季キャンプ初日前夜のバッテリー会では「ブルペンの投球は内角の配分を全体の70、80%にしてくれ」と通達していた。今季の与死球はリーグ最少の29。内角を攻めきれず、外角中心の配球で痛打を浴びるケースが目立った。「恐怖心を植え付けることが大事。今日はあんなに内角を突く三嶋を見たことがなかった。良かったよ」と称えた。
監督になる夢をかなえてくれたDeNAに感謝の気持ちは強い。この日は宿舎で、鏡に映るユニホーム姿を見て誓った。「背番号の80は来年必要な(白星の)数字。胸の前にある文字(BAYSTARS)を良いところに連れていきたい」。98年以来18年ぶりのリーグ優勝へ、ラミ流の意識改革は始まったばかりだ。 (平尾 類)
(これも追記)この数字を見れば、ラミレスの言うこと(本記事の中で、「内角を攻め切れない投手は使わない」、と言っている。)、私の言うことが納得できるだろう。外角に逃げまくった結果、四球を与えているか、甘い球を狙われて打たれているのである。特に黒羽根、高城にその傾向が強いらしいが、詳しくは分からない。捕手全体がそうなっていたのだろう。
与四球 456(セリーグ最多)
与死球 29(12球団最小)
どんだけインコース攻められてないかがよくわかる
どちらかだけだと使わないよと