ゲーム・スポーツなどについての感想と妄想の作文集です
管理者名(記事筆者名)は「O-ZONE」「老幼児」「都虎」など。
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北村薫の「謎物語(あるいは物語の謎)」というエッセイ集、あるいはミステリー評論集を読んでいると、その中で少年時の北村が「Yの悲劇」にまったく感心しなかったという話が出ていて、それがその後訂正されたという記述も無いので、その意見は今でも変わらないのだろうと推定される。
同氏はエラリー・クイーン自身は大好きで、私がまったく感心しない「国名シリーズ」のファンでもあるらしく、「ニッポン樫鳥の謎」というオマージュ作品も書いている。
「Yの悲劇」を読んだことのない読者でも、今のような時代では話の大筋は知っているだろうから、以下、ネタ晴らしになることも書く。
種明かしを知りたくない人のために、数行開けておく。
さて、問題は北村氏が「Yの悲劇」に感心しなかった理由だが、「子供(自分)でも知っている『鈍器』という言葉を犯人(子供である)が『楽器』と間違えるはずがない」ということらしい。文中の他の記述から、当時の氏は小学校高学年だろうと推定される。
私が「Yの悲劇」を読んだのは中学生か高校生くらいだったかと思うが、この「鈍器」という言葉は英語では「楽器」と紛らわしい言葉なのだろうということは、「推理しなくても」分かった。そして、それが「鈍器」と訳されたら、日本では「子供でも分かる」言葉になってしまう(つまり、推理のポイントが成り立ちにくくなる)のだろうな、と「翻訳の苦労」を思いやったものである。それらを度外視しても、この作品は推理小説史上の名作だ、と思ったのである。(ちなみに、「犯人の意外性」という点でも、この作品は無数の追随者を出して、今では読者は最初から「犯人は意外な人物なんだろうな」という心構えで読んでいるのではないかww つまり「Yの悲劇」は「アクロイド殺人事件」と同様、そういう「歴史的価値」が高い作品なのである。)
で、北村薫の文章を読んで、改めて「鈍器」の英語がどんなものか調べてみた。すると、こうである。
鈍器の英語
英訳・英語
blunt instrument
つまり、まさに「楽器」と紛らわしい「instrument」という言葉を含んでおり、子供が「鈍器」という言葉を「楽器」と間違えるのは、英語では自然だったわけだ。
まあ、北村薫氏ほどの人間がこのことを本当に知らなかったのかどうかは分からないが、少なくとも「鈍器」問題に関して少年時の自分の考えの訂正自体はやっていない。
ついでに言えば、北村氏の少年時代には既に「Yの悲劇」の名声が知られており、北村少年は大きな期待を持って読んだと思う。で、少しでも「おかしい」と思った瞬間に、作品への期待感は軽蔑心となったのではないか。その印象自体は今でもそのまま心に残っているのだろう。
同氏はエラリー・クイーン自身は大好きで、私がまったく感心しない「国名シリーズ」のファンでもあるらしく、「ニッポン樫鳥の謎」というオマージュ作品も書いている。
「Yの悲劇」を読んだことのない読者でも、今のような時代では話の大筋は知っているだろうから、以下、ネタ晴らしになることも書く。
種明かしを知りたくない人のために、数行開けておく。
さて、問題は北村氏が「Yの悲劇」に感心しなかった理由だが、「子供(自分)でも知っている『鈍器』という言葉を犯人(子供である)が『楽器』と間違えるはずがない」ということらしい。文中の他の記述から、当時の氏は小学校高学年だろうと推定される。
私が「Yの悲劇」を読んだのは中学生か高校生くらいだったかと思うが、この「鈍器」という言葉は英語では「楽器」と紛らわしい言葉なのだろうということは、「推理しなくても」分かった。そして、それが「鈍器」と訳されたら、日本では「子供でも分かる」言葉になってしまう(つまり、推理のポイントが成り立ちにくくなる)のだろうな、と「翻訳の苦労」を思いやったものである。それらを度外視しても、この作品は推理小説史上の名作だ、と思ったのである。(ちなみに、「犯人の意外性」という点でも、この作品は無数の追随者を出して、今では読者は最初から「犯人は意外な人物なんだろうな」という心構えで読んでいるのではないかww つまり「Yの悲劇」は「アクロイド殺人事件」と同様、そういう「歴史的価値」が高い作品なのである。)
で、北村薫の文章を読んで、改めて「鈍器」の英語がどんなものか調べてみた。すると、こうである。
鈍器の英語
英訳・英語
blunt instrument
つまり、まさに「楽器」と紛らわしい「instrument」という言葉を含んでおり、子供が「鈍器」という言葉を「楽器」と間違えるのは、英語では自然だったわけだ。
まあ、北村薫氏ほどの人間がこのことを本当に知らなかったのかどうかは分からないが、少なくとも「鈍器」問題に関して少年時の自分の考えの訂正自体はやっていない。
ついでに言えば、北村氏の少年時代には既に「Yの悲劇」の名声が知られており、北村少年は大きな期待を持って読んだと思う。で、少しでも「おかしい」と思った瞬間に、作品への期待感は軽蔑心となったのではないか。その印象自体は今でもそのまま心に残っているのだろう。
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