ただし、一番の問題が高校野球での金属バット使用にあるということには知らんふりをしている。わずか3日程度の特訓で木製バットに対応ができるものか。そんなのは「対策はしました」という言い訳作りでしかない。
まあ、永田が2年任期で次回はいなくなるというのは朗報だろう。
【侍U18】日本5位…人選に偏り 一、二塁手の代表選出なし 木製バット対策なども実らず
◆U―18ワールドカップ スーパーラウンド 日本1―4豪州(7日・機張現代車ドリームボールパーク)
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【機張(韓国)7日=ペン・山口泰史、伊井亮一、カメラ・馬場秀則】日本はオーストラリアとのスーパーラウンド(R)第3戦を落とし、2勝3敗で5位が確定。6日に韓国にサヨナラ負けしたショックを引きずるように、ミスから失点して敗れた。
あまりにも寂しい最終戦となった。1―0の2回、記録上は失策にならなかった内野手のミスが続いて逆転され、三塁手・石川のエラーでさらに2点を失った。打線は初回、石川の一ゴロの間に1点を奪っただけで、散発3安打に抑えられた。勝てば決勝進出の可能性が残っていたが、12年の6位以来、4大会ぶりに3位決定戦にすら進めなかった。永田裕治監督(55)は「本当に申し訳ない。全て私の不徳の致すところ。全て監督の責任」と、謝罪を繰り返した。
佐々木と奥川の二本柱で初の世界一を目指したが、ともに1登板に終わった。佐々木は6日の韓国戦で右手中指のマメが再発。1回19球で降板した。奥川は夏の石川大会からの疲労が影響し、5日のカナダ戦まで登板がずれ込んだ。この試合はブルペンで終戦を迎えた。「世界一を目指してやってきた。かなわなくて悔しい」と肩を落とした。
永田監督が「最後まで守備面」と敗因に挙げたように8試合で9失策。うち7失策を犯した内野手は、7人中6人が本職は遊撃手だ。昨年と一昨年の国際大会から投手は1人増の9人にしたため、本来の一、二塁手は0人と偏った。夏の甲子園で優勝した履正社の選手は0人だった。
人選は日本高野連の技術・振興委員会で決められる。そのメンバーでもある指揮官は「(人選を)主導する、ただ一員ですから」と、納得できる決定ではなかったと示唆した。一方、日本高野連の竹中事務局長は「メンバーは監督の意向が反映されている。(最後の1人は)監督が決めた」と、主張に食い違いが見られた。
昨年のU―18アジア選手権で3位に終わり、同10月に国際大会対策プロジェクトチームを発足。4月には木製バット対策などを目的に、候補選手を集めて3日間の合宿を初開催した。それでも、8試合中6試合が1ケタ安打で、3安打以下が3度の貧打に泣いた。分析担当コーチを新設し、初めて整形外科医が帯同したが、結果は惨敗だった。
永田監督は2年の任期が終わり、来年2月をめどに新監督を決める予定。本気で世界一になるためには課題が山積みだ。(伊井 亮一)