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ゲーム・スポーツなどについての感想と妄想の作文集です 管理者名(記事筆者名)は「O-ZONE」「老幼児」「都虎」など。
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「天地明察」は映画にもなっているが、漫画が面白い。キャラクターの性格が可愛いし、絵もいいセンスである。キャラクターの現代風ですっきりとスマートな描線と背景の日本画のスケッチのような味わいのある描線が良くマッチしていて、絵を見るのが楽しい漫画だ。
内容は安井算哲(渋川春海)という和算の実在人物を描いた話だが、要するに、江戸時代の数学オタクの話である。この数学オタクのキャラが可愛い。他のキャラクターもそれぞれに楽しいキャラ、面白いキャラがいて、話自体には別にドラマチックなところは無いのだが、その世界に遊ぶのを楽しむ漫画と言えるだろう。まあ、「よつばと!」や「とめはね!」のようなものだ。こういうのを「空気感を楽しむ漫画」とも言う。(蛇足だが、「よつばと!」と「とめはね!」の「!」は用法が違う。前者の「!」はよつばという女の子が出会うこの世界の様々な「驚き」のことである、だから英語タイトルは「Yotsuba and !」なのである。後者はもちろん、文の強意のための「!」だ。ついでに漫画に無知な人のために言うと、後者は「トメさん」という古風な名前の女性が「私はねえ!」と力んで言っているのではなく、書道の「止め」と「撥ね」である。すなわち漫画の歴史の中でも数少ない…多分2例しかない…書道漫画だが、こちらも面白いので、お勧めする。)
「天地明察」の原作は言うまでもなく冲方丁(「うぶかたとう」と読むようだが、こんなの初見で読める人間はいないだろう。最初から、売れるのを拒否しているような筆名だ。本名なら凄い。)で、作画が槇えびしという、こちらも覚えにくい名前の漫画家だ。
で、この前第二巻が出たので買ったのだが、やはり面白い。
しかし、一つ納得がいかないのは、作中の和算の設問である。まあ、中学数学レベルの図形問題なのだが、要するに「答えを出すことが不可能な問題」なのである。これを作中では「病問」と言っている。で、まあ私は以前に中学入試や高校入試の算数・数学を教えていたもので、これが「解答不能」であることは即座に分かった。関孝和ほどの天才でなくとも、大円(日円という名称だ)の直径(半径)がこれでは一つに決まらないというのは、完成形の問題を一目見れば分かる。問題なのは、関孝和がこの問題を「これまで見た中で一番好きだな」と言ったというところだ。中学生に問題を作らせてできた失敗作のようなこの問題のどこを関孝和は面白いと思ったのか。作中の娘の言葉じゃないが、その意図を「本人に聞」きたくなるような発言だ。
もちろん、これはドラマ展開のために作った問題だろうから、本物の和算の高等な問題のレベルではないのは当然だし、実は「病問」と見えないような病問を作るのは案外難しいのだろうと推測できる。そもそも、作中の問題を本当に解いてみようというモノ好きも「2ちゃんねる」住人以外にはあまりいないだろうとは思うのだが。
それにしても、漫画ならまだ分かるが、こういう小説をどんな映画にしたのだろう。まさか、和算の問題を画面に広げて観客に10分ほども考えさせたとか?
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