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ゲーム・スポーツなどについての感想と妄想の作文集です 管理者名(記事筆者名)は「O-ZONE」「老幼児」「都虎」など。
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古い記事だが、椎名高志の作品の分析が面白いので、載せておく。椎名高志は非常に理知的に漫画を作る(描くのは漫画だが、ネーム段階では作るというべきで、大事なのはネームである)漫画家だと思う。その意味では久米田康治も似ている。実に作り方が緻密なのである。だからこそ、短編がうまい。二人とも喜劇漫画家であることで軽視されているのか、その理知的なところがファンに知られていない憾みがある。下ネタ主義の漫画家は別として、喜劇こそは、頭がよくないと作れないものだ。いや、下ネタを使っても、山上たつひこなどのように頭のいい漫画家の作品ははっきりとわかるのだが。



(以下「見えない道場本舗」から引用)



2005-05-27 昨日付けも更新が遅かったのであわせて見てね

椎名高志のホームズパロディAdd Star

| 椎名高志のホームズパロディを含むブックマーク 椎名高志のホームズパロディのブックマークコメント


前に書いた通りですが「少年サンデーGX」に椎名高志読み切りGSホームズ」を発表しています。ファンには既知の通りですが自身の大ヒット作「GS美神 極楽大作戦」の世界ホームズ世界をうまく合わせたもので、今回が二作目。


不老不死の魔術を極めた錬金術師と、その部下のロボット」「何百年も生きる吸血鬼」など、時間を越えたキャラクターがいるのでこういう話をつくりやすいのですな。


以後、ネタバレを気にせず書くから各自注意してほしいが、


要はライへンバッハの滝でモリアーティと共に転落、その後3年間の履歴が不明だと言う史実(あえて「史実」と言おう)と、吸血鬼伝説をからませたものだ。吸血鬼自分たちの「家畜」とし、その不死身のパワーを利用しようとするモリアーティ一派に、吸血鬼の生き残り(GS美神の登場人物、ピートも登場する)とコンビを組んだホームズたちが立ち向かうというストーリー。


f:id:gryphon:20160520093649j:image:right


やはり椎名氏の才能、知識は豊かで、例えば危険な生物である吸血鬼を大胆に捕獲した悪党に「私はインドで虎狩りをやっていたものでね」(つまり「虎狩りモラン大佐!)と言わせるとか、最後に魔力で怪我の治療を受けたワトソン医師が「戦争の古傷があったんだが、肩だったか足だったか、分からなくなった」と感心する台詞を言わせている。


下のほうは「正典ホームズ」で作者コナン。・ドイルがうっかりテキトーに設定したため、暇な・・いや熱心なシャーロキアンがいまだに論争を継続している、「ワトソンの古傷の謎」というやつである。


こんな本筋にあまり関係のないお遊びをあえて入れ、にやりとさせるのは椎名氏の真骨頂でありますね。前の第一作の時「自分シャーロキアンではない」と書いていたが、そりゃ通用しない(笑)


そっから先はうまいもので、永遠を生きる吸血鬼孤独と、いったんこれまた吸血鬼と化したホームズの心情的な交流と別離、いったん死んだと言われたホームズワトソンと再開、今度は吸血鬼になっていると判ったときのドタバタ、敵の計画と能力、そして対決まできれいにまとまって、ハリウッド的なメジャー感ある娯楽作となっている。


マニア向けのようでいて、かなり一般に訴求するようなお話作りだ。


注目したいのは、最後の敵との対決アクション場面で、敵-味方-敵-味方の、シーソーの傾け方が非常に理にかなって分かりやすい。ある能力を発揮して有利に、しかしあっちにはこういう武器があってピンチに、しかし味方の彼がこういう活躍をしてくれて逆転・・・というのがよく練られている。特にこの種のジャンルでは、能力的に一枚落ちるコメディリリーフや脇役にどう活躍場を与えるかが技術なのだが、ワトソンワトソンならではの活躍ぶりを見せてくれている。


このへんも、逆転また逆転の、最近の娯楽映画を見ている氏の基礎体力、基礎技術だろう。受け身を完璧に身に付けたNOAHの選手を見ているような安心感がある。




ただし、このソツのなさ、まとまり過ぎた完成度が逆に物足りない、という人がいるだろうな、という感覚もある。ジャンプ漫画的な、過剰な盛り上がりというものをコントロールし切ってしまう部分がたしかにあるからね。あとは多分、大ゴマをあまり使わないカメラワークの部分が違うのかも。


それでもシャーロキアンの端くれを名乗る自分としては、そっち込みで百点満点中三百点ぐらいあげたいのだが。




ところで新連載予定だった「絶対可憐チルドレン」ってどうなったんでしょうね。なんだか読み切りで、すでにSF漫画を対象に選ぶ「星雲賞漫画部門」にエントリーされたそうだが、むしろメディア部門が激戦のようで。


http://www.hamacon2.com/12.html


http://anime.blogzine.jp/animeanime/2005/04/36_8adb.html




あと、しつこく自分流に読んだ「最後の事件」と「大空白期」に関するパスティッシュ考察を紹介しておく


シャーロク・ホームズ 


 「最後の事件」の真相に関する一考察


http://www20.tok2.com/home/gryphon/JAPANESE/BOOK-SELECTION/sherlock.htm


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