こういう記事を読むと、矢野は馬鹿じゃないかと思う。矢野に投手経験があるかどうか知らないが、投手がいつどんな拍子に手元(指先の一瞬の動き)が狂うか、完全に制御できるものではない、というのは一度でもマウンドでボールを投げたことがあれば分かるはずだし、それは意識の高さとか注意深さとかとはまったく関係が無い。もしも、投げる球すべてに100パーセントの集中力を込めることができれば、名投手は毎試合完全試合をするだろう。それができないから、毎試合何本かのヒットを打たれ、何点か失うのである。相手もプロなのだから当たり前だ。
野球というのは精神力だけでできるものではないし、また逆に技能を高めれば毎試合成功するというものではない。常に、エラーとファインプレーの綾模様で試合が作られるのだ。
投手が打席に立っているから抑えるのは簡単だ、という考えもおかしな話で、投手相手にど真ん中以外で三球ストライクが取れる投手なら一流だろう。岩貞はそういう制球力が売り物の投手ではないと私は思っている。つまり、こうしたミスは想定したうえで試合の采配を取る(振る?)べきであって、選手に責任を押し付けて済めば、監督など実に楽な商売だろう。
怒るにしても怒り方というものがある。原なら笑顔で、「さすがに投手に打たれるとは思わなかったが、まあ、こういうこともあるのが野球というものです」と投手を庇ったと思う。選手にあまりに過度な精神的ショックを与える「処罰」はその選手のトラウマとなり、選手生命を縮めることもある。
なお、私は阪神という球団は嫌いだが、阪神の選手はいい選手が多いと思うし、一部のベテラン以外は野球に真摯だと思っているから、選手へのこうした扱いには怒りを覚えるのである。
また、糸井のように多少不真面目(自己中心)な選手でも、試合でいいプレーを見せる能力があれば、それも個性として許されると思う。許せないのは、自分の無能の責任を選手に押し付ける監督やコーチである。
(以下引用)
阪神・矢野監督の怒り収まらず 相手投手に打たれた岩貞を〝退場処分〟「若手じゃないんだから」
8/10(月) 22:19配信
東スポWeb
矢野監督は相手投手に打たれた岩貞を名指しで批判した
阪神は10日のDeNA戦(横浜)に4―6で競り負け借金3。復調気配を見せる4番・大山が3戦連続となる11号ソロを放つなど、見せ場もつくったが、中7日で先発マウンドに上がった岩貞祐太投手が大誤算だった。
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1―1の同点で迎えた4回、一死一、二塁のピンチを背負った岩貞が、迎えた打者は相手投手の国吉。確実にアウトカウントを一つ増やさなければならない場面だったが、甘いコースに入った初球を簡単にはじき返され、痛恨の2点適時二塁打を許してしまう。
チームは9連戦の真っただ中で、この日の午前中に広島から移動してきたばかり。疲労が蓄積している虎ブルペンを楽にするためにも、中7日で先発マウンドを任された岩貞には少しでも長いイニングを投げることが期待されていた。だが、結果的にベンチからの信頼を大きく裏切ることになってしまった岩貞に対し、矢野監督の怒りは頂点に達してしまう。「(チームは)9連戦の途中で、(岩貞は)中7日の登板。そこで投手相手に初球やろ。自覚というか…あいつも若手というレベルじゃないんだから。あの点の取られ方ではチームの士気も上がらない。打撃練習もまともにしてない(救援投手の国吉に)初球をコーンって打たれるんだから」。直後の5回にすぐさま代打を送り、ゲームからの〝退場〟を命じた。
指揮官就任以来、固有の選手を名指しでつるし上げることはほとんどなかった矢野監督だが、この日ばかりは別。「チームに申し訳ない。今後(の起用)はまた考える」と先発ローテの座をはく奪することも示唆した。
岩貞は「抑えるべき打者を抑えることができず自分のミスで負けてしまいチームに申し訳ないです」とのコメントを球団広報を通じて残し、失意のまま球場を後にした。
(追記)元記事には1000以上かそれくらいのコメントがついていたが、そのほとんどが矢野監督への批判だった。特に藤川球児、糸井、福留ら超ベテランへのえこひいき采配と、選手に対する配慮の無い個人批判への批判である。まあ、私の記事と大差ないコメントである。その中で、比較的「建設的」なコメントを載せておく。