これ、デザイン的にはどうなの? と思うのだが、これがいいという人が多いようだ。まあ、長時間同じ椅子に座る仕事の人向きなのだろう。ということは、けっして安楽さばかりを追求したものではないはずである。
安楽さで言うなら、普通の乗用車のシートが一番で、床屋の椅子もそれに近い。
私は、乗用車のシートだけ、椅子として市販したらいいのに、と思う。
廃棄された車からシートを外して家庭用の椅子に改造して売るという商売はどうだろうか。いつでも倒して仮眠もできる便利な椅子だ。
まあ、デスクワークには不向きだが、テレビなどを見るには最適ではないだろうか。案外、たいていの家庭の客間や居間の「安楽椅子」は、それほど安楽でもないものである。リクライニングできない椅子はけっして安楽ではない。
アーロンチェア
アーロンチェアとは1994年にDon Chadwick、Bill StumpfらによってデザインされたHerman Miller社の椅子である。
概要[編集]
価格帯[編集]
アーロンチェアは多機能デスクチェアとしては高価な部類であり、新品の場合ランバーサポート型はおよそ11~18万円、ポスチャーフィット型はおよそ13~20万円の市場価格となっている。この高額な価格設定は、多くの個人にとって購入検討する際の大きな障害となり得るが、ハーマンミラーおよびハーマンミラーの正規販売代理店から直接購入後には12年間もの保証期間が設けられており、劣化・消耗部品の多くが無償修理・交換の対象となっている。(オークションなどの個人売買は保証対象外)
機能面[編集]
人間工学に基づいた椅子であり、多数の人々から非常に快適だと評価されている。その理由として、ユーザー・使用環境に応じて細かく調整できるカスタマイズ機能が挙げられる。これにより、一般的な体格である99%の成人であれば男女を問わず快適なデスクワーク環境を実現することができる。
実際に座るとトランポリンのような弾力のある座面に加え、一般の低価格チェアにはないフワリとした不思議な感覚のリクライニング機能を体感できる。それと同時にしっかりと骨盤を受け止める構造となっており、長時間座っても疲れにくくなっている。さらにメッシュ素材の座面を採用したことにより、夏場でも蒸れることなく快適に座ることができる。また、回転時やリクライニング時においてもガタつきのないしっかりした構造となっている。
自動車のシートのように姿勢を矯正するため、リラックス用途を重視するユーザーにとっては窮屈に感じる場合がある。またフレームにネットを取り付ける構造をとるため体型にあわないアーロンチェアを選択している場合は膝の裏側や背もたれ部分のフレームが圧迫要因となり長時間の着座に堪えられない痛みの原因となることがある。このため不特定多数が利用する場面(会議室や休憩室、ネットカフェなど)にはあまり向かない。
アーロンチェアは「高機能オフィスチェア」であり、あくまで利用者個人の体型にフィットした製品を利用することを前提としており、また前傾時のワークスタイルを支援するのが狙いとされている。
その他[編集]
1990年代後期から2000年代初頭におけるインターネット・バブルの象徴であり、ビジネスの成功者や名士のオフィスに、さりげなく部屋に置かれたグラビアなどが多数みられた。テレビドラマなどにおいても成功者の象徴として、経営者役などの部屋にはアーロンチェアが置かれていることがある。
現在では、画期的なデザインのためニューヨーク近代美術館において、「永久コレクション」としての地位を獲得している。この椅子のための市場開拓に際しての障害について、Malcolm GladwellのBlinkに記載されている。
日本にて、通商産業省による1996年度グッドデザイン賞のグッドデザイン金賞のオフィス・店舗用品部門を受賞している。
長時間のデスクワーク作業を強いられる経営者やデザイナー、慢性的な肩こりや腰痛などの持病をもつ患者など、多くのユーザーに支持されるに至っており、高い満足度は口コミ・ネット掲示板などで広がっている。