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ゲーム・スポーツなどについての感想と妄想の作文集です 管理者名(記事筆者名)は「O-ZONE」「老幼児」「都虎」など。
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狩野というのはどんな選手か興味があったが、どうやら守備型の選手らしい。守備専門なら、すでに柴田がいるのだから、今さら、と思わないでもないが、まあ、気長に見守ることにしたい。
大学でも打撃の安定性は無いようだし、今から打撃が伸びることがあるのかどうか、こころもとない。だが、京田や吉川にしても、それほど打てる遊撃手でもないのだから、彼らとたいして差があるわけでもない。将来的には2割5分打てて、守備のいい遊撃手になれば大成功だろう。






【下位指名からの下克上目指すルーキーたち②】
狩野行寿(平成国際大→横浜DeNAベイスターズ)「元・凡才」だから描けた成長曲線


 昨年、チーム初のクライマックスシリーズ進出を果たした横浜DeNAベイスターズ。厚みが出てきた野手陣の更なる底上げに期待が集まるのが、平成国際大からドラフト7位指名された狩野行寿内野手だ。中学・高校時代は無名だった遊撃手はいかにしてプロに進んだのか?また、その決意を聞いた。


狩野(平成国際大)顔写真2
4年間で練習を休んだことないタフネスさも売りの狩野。

★飛躍の理由

 12月下旬、狩野は平成国際大のグラウンドで汗を流していた。名残惜しいかと尋ねると「ここまで来られたのも、この大学に来たおかげなので」と、しみじみと話した。
 中学時代の武蔵狭山ボーイズでは2番、川越工では2年で9番、3年で2番を打つ、そこまで目立つことのない選手だった。そんな狩野を見いだしたのが、平成国際大の大島義晴監督だ。
「第一印象は“身長が高いのに足をよく使った守備をする子だな”という印象でした。今ってグラブさばきが上手い子は多いですが、足を使える子は少ないんです」
 狩野の守備への好印象を持った大島監督だったが、打撃を見ると頭を抱えたくなった。それでも肩に注目し獲得を決めた。
「自分自身で“打撃が悪い”と思っているから、当てに行き強く振れていませんでした。でも肩は強いんです。肩が強いということは、体の力を手にしっかり伝えられるということ。だから肩の強さと長打力は比例するはず。まずは“お前は打撃悪くないんだよ”と伝えることから始めました」
 こうして、狩野は1年時から出場のチャンスが与えられ、時には「フルスイングをしろ」とリーグ戦の映像を観ながら指導を受けた。また、守備は田中千晴コーチと二人三脚で、足を使う守備に磨きをかけた。
 すると2年春には1試合3本塁打、3年春には打率.378をマークし、リーグを代表する選手に成長。守備でも三遊間や二遊間に打球が飛ぶと、狩野の見せ場。そんな雰囲気も出るほどの安定した捕球と送球でチームを盛り立てた。


狩野(平成国際大)打撃

★主将として、ドラフト候補として

 大学入学後、急成長の一途をたどってきた狩野だったが、昨年は大きな壁にぶつかった。これまで日の目を見ることが少なかった男に、人生初の主将とドラフト候補という2つの重圧がのしかかった。春は打率.256、秋は打率.171にまで落ち込んだ。
 目標だったプロ入りを諦めかけた時もあったが、大島監督から「結果じゃない。失敗した後の姿勢が大事だぞ」と声をかけられ、今できることに集中した。春は7盗塁でリーグの盗塁王となり、シーズンを通して遊撃手の守備位置から投手陣に絶やさず声をかけた。狩野は「自分が下を向いたら周りも絶対に下を向く。取り組む姿勢だったり、打ち損じても全力で走ったりすることを意識しました」と人間的に大きく成長できた1年だったと振り返る。
 そして、大学入学前とは心技体すべてで生まれ変わり、今季から日本球界最高峰の舞台で戦う。狩野は「一日を無駄にしない。日々、成長していく。人間が変われば、技術が変わってくると思うので」と、大学時代の成長に照らし合わせるように今後の抱負を語った。
 どんな時でもやれることをやる。そんな基本的ながらも尊いことを大切にしてきた「元・凡才」は、天才たちが集うプロの舞台で、ひときわ輝く存在を目指す。


文・写真=高木遊



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