清宮が父親から独立して、自分だけでも努力できる人間なのかどうかが一番の問題になるだろう。高校時代の努力にしても、はたしてあの肥満体が努力した人間のものかどうか疑問がある。周囲の証言などよりも、体形が事実を語っている。まあ、努力なしであの成績ならそれこそ天才ではないか、という意見もあるだろうが、はたして、「子供横綱」(早熟なために他の子供を圧倒して子供相撲の横綱になる連中)でないかどうか、プロ入り後が興味深い。
それにつけても金属バットというのは罪作りである。それさえなければ清宮論争など起きなかっただろう。
球界大御所が清宮ドラフトへ辛らつ。「プロ成功難しい。パへ行けば可能性」
プロ志望届を提出した早実・清宮幸太郎の運命のドラフトが刻々と近づいている。先日、広島、日ハムを除く10球団の編成、スカウトらとの事前面談を終えた。各チーム30分の時間制限の面談。あの手、この手で球団側のアピールが行われた様子だが、ラグビーのヤマハ発動機の監督でもある父・克幸氏も出席して鋭い質問も投げかけられたという。面談によって「選別」された球団は、どこなのか。最終的には何球団が1位で競合するのか、など興味は尽きないが、そもそも清宮は10球団が競合する逸材なのか、という疑問もある。
ヤクルト、西武で監督、ロッテではGMを任された広岡達朗氏は、辛らつな意見だ。
「ハッキリ言って今のままでは清宮のプロでの成功は難しい。1位指名を回避した広島の判断が正しいだろう。面談に向かった10球団の各チームは共に、内心では、どうかな? と考えていると思う。金属バットで打った111本のホームランは信用できるものではない。最終的には6球団くらいになるのではないか?」
1位指名を回避した広島の松田オーナーは、各社の報道によると「いい選手だが、うちのスタイルじゃない。現場は足の速い選手を求めている」と、回避理由を説明したというが、広岡氏も同意見だという。
「金属バットから木のバットへの適応は簡単ではない。木のバットを使ったU18のワールドカップでは本塁打も放ったが戸惑いが見えた。そして一塁までの走塁の秒数の問題ではなく、走れていないしスピードを感じない。体型的にも肝心な場所にくびれがなく、まず肉体改造が必要だろう。そういう点を考えればプロではなく、まず早大へ進み4年間で走攻守のバランスを少しでも整えることがベストだったのだ」
プロ宣言をした記者会見では、プロでの目標として「ホームラン王」、「王さんの世界記録(通算868本塁打)を超えることを目指したい」というとてつもなく大きな数字を掲げた。だが、“球界大御所”は、「王さんの世界記録を目標に掲げていたが土台無理な話」と、一刀両断した。