日本プロ野球選手会は11日、暴力トラブルを起こした巨人山口俊投手(30)の処分見直しなどを求めてきたことに対して、巨人や日本野球機構(NPB)が団体交渉に応じないのは不当労働行為に当たるとして、東京都労働委員会に救済を申し立てた。
日本プロ野球選手会は、総額1億円以上の罰金、減俸は重過ぎる上、契約解除をちらつかせて複数年契約を見直させたの野球協約や独禁法に違反すると主張。巨人とNPBは3日に選手会に対し、処分は不当ではないなどとする文書を送付したが、選手会は「(要求に対する)客観的、具体的な回答がない。全選手の権利に関わる問題」として申し立てに踏み切った。プロ野球の熊崎勝彦コミッショナーは「選手会による申立書の内容を吟味し、これからどのように対応するかについて検討したい。なお、この件については、当職及び当組織においては、誠実に対応してきたところであるが、引き続き誠実に対応したい」とコメントした。
選手会は、巨人が交渉に対して不誠実だった点として「当会との交渉を一方的に打ち切った」「選手と個別に交渉した」「当会に対して回答を行わなかった」「客観的かつ具体的な資料を示さず、合理的な説明をしなかった」「義務的団交事項であることを否定した」ことを挙げた。
今回の申し立てについて、選手会側は、巨人山口俊に事前に了解を得るなどはしていないという。森忠仁事務局長は「山口選手は巨人軍と(契約について)合意していることであり、これは組合として独自に全選手に関わる問題として、労働組合の権利としてやっていかないといけないという判断でやっています。山口選手に了解をとって、というわけではありません」と説明した。