(セ・リーグ、巨人9-5阪神、3回戦、巨人3勝、3日、東京D)巨人に敗れ、セ・リーグ記録を更新する開幕9連敗を喫した阪神に、緊急提言-。ヤクルト、西武を日本一に導いた名将で、阪神の臨時コーチなども務めた広岡達朗氏(90)は、状況打破への策について「新しい監督になれば、選手はすぐに反応しますよ」と話し、今季限りでの退任を表明している矢野燿大監督(53)のままでは難しいと語った。
1月31日のキャンプ前に矢野監督が今季限りでの退任を公表したとき、わたしは「それなら今年も指揮を執らない方がいい」「チームがガタガタになる」と指摘しました。かつて阪神に監督就任を打診された際、3年契約と言われたので「5年じゃないとやらない。5年なら選手も(監督に従うしかないと)あきらめるから」と断ったことも書きました。
今年限りと公表している監督が、どう選手をまとめていくのだろうかと疑問でしたが、いきなりこうなるとは。しかも、昨季終了後に自分から「辞める」と言ったそうですね。それをフロントが慰留したと。辞めたいというのを引き留め、今季限りを公表することは止めなかった。フロントにも責任がありますよ。
テレビ中継を見ていても、矢野監督の表情に喜怒哀楽がほとんどないのが気になります。個人的に「矢野ガッツ」に苦言を呈してきましたが、覇気の感じない無表情の方が、もっとダメです。どうしたらいいのか、わからないのでしょう。
このまま矢野監督で、チーム状況は変わるのか? わたしは難しいと思う。今すぐ監督を代えた方がいいと思います。キャンプ、オープン戦で戦力と各選手の状態を見極め、しっかりチームの基盤を作らなければいけないのに、それが開幕早々に崩れるのは、おかしい。しかも監督は、来年はいない。そんな中で好転させようというのは、難しい話ですよ。
それなら早く、何年かけても阪神を強くしたいという人に、頼むべきです。手遅れになる前に動いた方がいい。新しい監督になれば、選手はすぐに反応しますよ。阪神と巨人は影響力のあるチームです。そんな球団が、監督が今年でやめると公表したまま、こんなに負け続けてはいけません。
開幕9連敗は選手が悪いんじゃない。監督、コーチが悪い。戦力はありますよ。正直、こんな状況で、よく5点取ったなと思います。巨人も決して強くないということですし、他も、そんなに強いチームはない。阪神が飛び抜けて弱いことは決してないですし、その気になれば、このチームは勝つぞ、というのは十分に感じています。だからこそ、新しい監督の下、早く動き出すべきではないでしょうか。
★適任は落合博満氏!? 広岡氏は代行ではなく、来年以降も指揮を執る監督を新たに就任させる方がいいと話す。個人的に考える適任については「落合(博満氏)じゃないか。実績もあるし、彼のいいところは、まずは体ができていないと、教えないところ」。2004~11年に中日を率い、8年間で全てAクラス(優勝4度、日本一1度)の名将を挙げると「チームによってやり方が違うし(中日だけではなく)いろいろなチームの監督をやった方がいい」と〝推薦〟した。