日刊スポーツ評論家の三浦大輔氏(43)が、3位に再び肩を並べた古巣のゲームを評論した。


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 DeNAが2回に奪った先制点は、非常にいい形だった。四球を選んだ先頭の梶谷が、次打者嶺井の初球に盗塁。嶺井は内角球をおっつけて進塁打となる一ゴロ。1死三塁で、石川がレフトへの犠牲フライを放った。得点に絡んだ3人は、ともに追い込まれてから役割を果たし、無安打でもしっかり打線がつながった。無安打の得点は相手にとっては嫌で、点数以上に与えるダメージが大きい。


 中5日で先発したウィーランドと捕手嶺井の息も合って、バレンティンに2ランを打たれたが、接戦のまま6回まで踏ん張った。


 7回、先頭の代打乙坂が、追い込まれてからファウルで粘り四球を選び、9番倉本が決勝の適時二塁打を放った。しかしこの打席、倉本は初球のセーフティーバントをファウル。2球目は送りバントの構えをし、外角球を見逃しストライク。追い込まれてから値千金の一打だった。


 個人的には、スリーバントで走者を進めるのではないかと思って見ていた。残り10試合となった現状では結果がすべて。しかし、この先も厳しい試合が続いていくことを考えれば、得点圏に走者を進めて1点を奪う確率の高い攻撃を続け、重圧をかけた方が、相手は嫌だと思う。


 DeNAの盗塁数と犠打数はリーグ最少だが、ここまで強打の姿勢を前面に打ち出す野球を貫いてきた結果で、数が少ないことが一概に悪いとは言えない。ただ、9月に入っての平均得点2・3点が示すように打線は水もので、打てなくとも1点をもぎ取り、勝ちきらなくてはならない試合が必ずある。巨人に再び並んで3位となり、残り10試合。この日の先制点のような1点をどれだけ奪えるかが順位を左右するだろう。(日刊スポーツ評論家)