ゲーム・スポーツなどについての感想と妄想の作文集です
管理者名(記事筆者名)は「O-ZONE」「老幼児」「都虎」など。
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これも面白い記事である。にわか野球ファンでなくても、ヒットエンドランという戦法の「危険性」を知らない人は多いと思うが、そのサインが出たら、投手が次にどんな球を投げようが打者はバットを振るしかなく、走者は走るしかないという異常な戦法なのである。打者が2ストライクを取られていた場合、外れたら(球を外されたら)一気にダブルプレーだし、場合によってはトリプルプレーすらあるという「肉を斬らせて骨を断つ」戦法だ。
昨日の試合の場合、阪神側がまったく予想しておらず、投手や野手が慌てたために成功したが、まあ、これも首位にいるチームの余裕があるからできた戦法だろう。
ただ、私は「スリーバント」や「スリーバントスクイズ」と同様に、ヒットエンドランも選手負担が大きすぎるダメ戦法だと思っている。失敗したら選手が責められ易いが、失敗の責任はそういう難しい指示を出した監督にあるのだ。成功すると華やかなので、一部の監督には麻薬のような魅力がある戦法なのだろう。まあ、危険を恐れてばかりでは勝負事などできないのは当然ではあるのだが。
(以下引用)
2020年8月5日7時30分
原監督だから許される試合決めた“奇襲”/宮本慎也
<阪神2-7巨人>◇4日◇甲子園
阪神対巨人 8回表巨人無死一、二塁、木浪は馬場からの送球をグラブの先ではじく(撮影・加藤哉)
阪神対巨人 8回表巨人無死一、二塁、木浪は馬場からの送球をグラブの先ではじく(撮影・加藤哉)
試合を決めたのは、原監督の采配だった。1点差に追い上げられた8回無死一、二塁、打者・坂本の場面でエンドランをかけた。坂本は外角の変化球をバットには当てたが投ゴロ。投手の馬場は振り向きざまにセカンドに送球したが野選となり、ベースカバーに入った木浪もグラブに当てながらキャッチできずに、貴重な追加点になった。
信じられない流れの中での采配だった。まず無死一、二塁から3番坂本に送りバントのサインを出した。ここまでは理解できる。しかし見逃しストライクとファウルで2ストライク。そこから1球外した後でのエンドラン。原監督は無死一、二塁でもフルカウントになればオートマチック(エンドラン)をかけるが、1-2というカウントでエンドランのサインなど、見た記憶がない。走者が走っていると思わなかった投手の馬場が、振り向きざまに二塁に投げるのも仕方ないし、ショートの木浪が慌ててキャッチできなかったのも仕方ない。それぐらい意表を突いた“奇襲”だった。
原監督だから許される「采配」なのだろう。巨人がクリーンアップを打つ打者に送りバントをさせるのは驚かないが、本来ならここだけとっても「並」の監督にはなかなかできることではない。二塁走者が走塁のスペシャリスト・増田大でも、打者がミートの能力の高い坂本でも、もし空振りすれば三振ゲッツーの確率は高い。内野にライナーが飛べば楽々のトリプルプレーだっただろう。
原監督がどのように考えてサインを出したのかは分からない。追い込まれて1球、外角に外した時点で「変化球がくる」と予想し「空振りでも走者の増田大も丸も足が速いから三振ゲッツーは防げるかもしれない」とか「直球がストライクゾーンなら坂本はバットに当てられるだろう」とプラス思考でいたのだろう。しかし常識では考えられない“禁じ手”だけに、裏目に出れば一気に流れは阪神にいっていただろう。
結果的に阪神の守備が乱れ、この回に4点を奪って試合を決めた。監督として文句なしの実績を残している原監督でなければ、こんな戦術は許されないだろう。1チームだけ「なんでもあり」のルールで戦っているような勝利だった。(日刊スポーツ評論家)
昨日の試合の場合、阪神側がまったく予想しておらず、投手や野手が慌てたために成功したが、まあ、これも首位にいるチームの余裕があるからできた戦法だろう。
ただ、私は「スリーバント」や「スリーバントスクイズ」と同様に、ヒットエンドランも選手負担が大きすぎるダメ戦法だと思っている。失敗したら選手が責められ易いが、失敗の責任はそういう難しい指示を出した監督にあるのだ。成功すると華やかなので、一部の監督には麻薬のような魅力がある戦法なのだろう。まあ、危険を恐れてばかりでは勝負事などできないのは当然ではあるのだが。
(以下引用)
2020年8月5日7時30分
原監督だから許される試合決めた“奇襲”/宮本慎也
<阪神2-7巨人>◇4日◇甲子園
阪神対巨人 8回表巨人無死一、二塁、木浪は馬場からの送球をグラブの先ではじく(撮影・加藤哉)
阪神対巨人 8回表巨人無死一、二塁、木浪は馬場からの送球をグラブの先ではじく(撮影・加藤哉)
試合を決めたのは、原監督の采配だった。1点差に追い上げられた8回無死一、二塁、打者・坂本の場面でエンドランをかけた。坂本は外角の変化球をバットには当てたが投ゴロ。投手の馬場は振り向きざまにセカンドに送球したが野選となり、ベースカバーに入った木浪もグラブに当てながらキャッチできずに、貴重な追加点になった。
信じられない流れの中での采配だった。まず無死一、二塁から3番坂本に送りバントのサインを出した。ここまでは理解できる。しかし見逃しストライクとファウルで2ストライク。そこから1球外した後でのエンドラン。原監督は無死一、二塁でもフルカウントになればオートマチック(エンドラン)をかけるが、1-2というカウントでエンドランのサインなど、見た記憶がない。走者が走っていると思わなかった投手の馬場が、振り向きざまに二塁に投げるのも仕方ないし、ショートの木浪が慌ててキャッチできなかったのも仕方ない。それぐらい意表を突いた“奇襲”だった。
原監督だから許される「采配」なのだろう。巨人がクリーンアップを打つ打者に送りバントをさせるのは驚かないが、本来ならここだけとっても「並」の監督にはなかなかできることではない。二塁走者が走塁のスペシャリスト・増田大でも、打者がミートの能力の高い坂本でも、もし空振りすれば三振ゲッツーの確率は高い。内野にライナーが飛べば楽々のトリプルプレーだっただろう。
原監督がどのように考えてサインを出したのかは分からない。追い込まれて1球、外角に外した時点で「変化球がくる」と予想し「空振りでも走者の増田大も丸も足が速いから三振ゲッツーは防げるかもしれない」とか「直球がストライクゾーンなら坂本はバットに当てられるだろう」とプラス思考でいたのだろう。しかし常識では考えられない“禁じ手”だけに、裏目に出れば一気に流れは阪神にいっていただろう。
結果的に阪神の守備が乱れ、この回に4点を奪って試合を決めた。監督として文句なしの実績を残している原監督でなければ、こんな戦術は許されないだろう。1チームだけ「なんでもあり」のルールで戦っているような勝利だった。(日刊スポーツ評論家)
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