町山智浩の映画ムダ話142 新海誠監督『天気の子』(2019年)。モノにあふれたディストピア、「キャッチャー・イン・ザ・ライ」と拳銃、細田守へのアンチテーゼ。
ゲーム・スポーツなどについての感想と妄想の作文集です
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「天気の子」は見ていないし、最初から見る気もなかったのだが、なぜそういう気持ちだったのかというと、実は「天気の子」というタイトルがすべてである。実に「面白くなさそう」な映画題名だ。
で、下に「細田守へのアンチテーゼ」とあるが、私も含め、多くの映画ファンがこの映画タイトルを初めて聞いた(見た、読んだ)時に思った、あるいは連想したのは細田守だろう、というのが私の推測だ。それも悪い意味での連想だ。「新海誠も、細田守の方向に行ったのではないか」、という疑念を多くの人が抱き、それがあの不入りの最大原因だったと思う。
(注:これは私の勘違いで、かなりヒットしたらしい。いや、私はまったくこの映画の評判をネットで聞かなかったので、不入りだったとばかり思っていた。下にウィキより転載。)
(以上引用)
つまり、誰も見たくもない、「作者の空想上の家族を映した『ホームビデオ』を映画館で見せられる」という地獄を細田守の最近の映画の観客は味わうわけだが、「天気の子」というタイトルはその地獄を連想させられるのである。
では、なぜ「君の名は。」は大ヒットしたのか。これは単純であり、タイトルからすでに「恋愛要素が確実にある」ことが示されており、しかも「愛する人の名前を、その人を愛した後で知る」という、「すれ違い要素」「メロドラマ要素」が入っていることも題名から分かる。これは、昔の佐田啓二と岸恵子の「君の名は」を知っている人も知らない人も、題名から感じ取れるのだ。
映画館に行ってまで「家族」の話かよ、と多くの人は心の底で思っていると思う。「家族」とは毎日を無事にすごせればそれが最高という存在であり、映画的なドラマ性とは方向が正反対なのだ。たとえそれが「疑似家族」でもそうであり、家族にドラマ性が生まれるのは「悲劇」の場合だけ、と相場が決まっている。そして、普通の人間なら、家族の悲劇は誰も見たくないのである。「万引き家族」のような疑似家族でもそれは同じだ。だから、映画祭で賞を取っても、ヒット作にはならないのである。
だが、恋愛はそれだけでドラマである。特に美男美女の話なら、観客はそのどちらかを自分に置き換えて陶酔できる。悲劇なら悲劇で、「自分は安全な場所にいて」その悲劇のドラマ性に陶酔できるのである。
で、下に「細田守へのアンチテーゼ」とあるが、私も含め、多くの映画ファンがこの映画タイトルを初めて聞いた(見た、読んだ)時に思った、あるいは連想したのは細田守だろう、というのが私の推測だ。それも悪い意味での連想だ。「新海誠も、細田守の方向に行ったのではないか」、という疑念を多くの人が抱き、それがあの不入りの最大原因だったと思う。
(注:これは私の勘違いで、かなりヒットしたらしい。いや、私はまったくこの映画の評判をネットで聞かなかったので、不入りだったとばかり思っていた。下にウィキより転載。)
興行成績
「興行収入上位の日本のアニメ映画一覧」も参照
日本では、2019年(令和元年)7月19日に全国公開され、7月20日から21日の観客動員数で初登場1位となった。最初の3日間で動員数は115万9020人、興行収入は16億4380万9400円に達し、前作の『君の名は。』対比128.6%を記録した[43]。週末の全国映画動員ランキングで3週連続で1位を獲得した[44]。公開から8月21日までの34日間の興行収入が100億円を突破し、2作連続100億円を突破するのは日本の映画監督では宮崎駿に続く2人目の達成となった[45](通算2作なら本広克行を加えて3人目)。公開から10月1日までの75日間の観客動員数が1000万人を突破した[46]。11月11日までには、累計観客動員数は1042万人を超え、興行収入は139億円を突破し、日本で公開された映画で歴代興収は12位となっ
(以上引用)
つまり、誰も見たくもない、「作者の空想上の家族を映した『ホームビデオ』を映画館で見せられる」という地獄を細田守の最近の映画の観客は味わうわけだが、「天気の子」というタイトルはその地獄を連想させられるのである。
では、なぜ「君の名は。」は大ヒットしたのか。これは単純であり、タイトルからすでに「恋愛要素が確実にある」ことが示されており、しかも「愛する人の名前を、その人を愛した後で知る」という、「すれ違い要素」「メロドラマ要素」が入っていることも題名から分かる。これは、昔の佐田啓二と岸恵子の「君の名は」を知っている人も知らない人も、題名から感じ取れるのだ。
映画館に行ってまで「家族」の話かよ、と多くの人は心の底で思っていると思う。「家族」とは毎日を無事にすごせればそれが最高という存在であり、映画的なドラマ性とは方向が正反対なのだ。たとえそれが「疑似家族」でもそうであり、家族にドラマ性が生まれるのは「悲劇」の場合だけ、と相場が決まっている。そして、普通の人間なら、家族の悲劇は誰も見たくないのである。「万引き家族」のような疑似家族でもそれは同じだ。だから、映画祭で賞を取っても、ヒット作にはならないのである。
だが、恋愛はそれだけでドラマである。特に美男美女の話なら、観客はそのどちらかを自分に置き換えて陶酔できる。悲劇なら悲劇で、「自分は安全な場所にいて」その悲劇のドラマ性に陶酔できるのである。
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