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ゲーム・スポーツなどについての感想と妄想の作文集です 管理者名(記事筆者名)は「O-ZONE」「老幼児」「都虎」など。
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ブックオフで、森詠の「剣客志願(おーい半兵衛)」という文庫本を100円で買ったのだが、なぜ買ったかというと、森詠という作家は大衆作家歴が長いのに一度も読んだことがなかったからだ。なぜ読まなかったかというと、現代が舞台の小説ばかり書いているようだったからだ。
現代小説というのは、手にするのが億劫である。
「お父さんは時代小説が好き」という、読書好きの女性漫画家(かなり若死にした)のシリーズ随筆があったが、年配の男が時代小説を好むのは、実は、時代小説というのは「読みやすい」からである。何しろ、登場人物は武士か町人がほとんどで、武士も町人も善玉か悪玉に決まっている。時代小説とは言っても、書いている本人(作家)は現代人だから、現代人(作家本人)に理解できることしか書かないし、書けないのである。気取った時代劇用語を使っても、話し言葉が実は現代人にしか通じない言葉(特に、明治以降に増えた漢字熟語)だったりする。
ということで、この一文は、なぜ中年や老人の男は時代小説を好むか、というのが実はテーマだったわけだが、「剣客志願」自体は、半分ほど読んだ時点ではあまり面白くはない。作家歴が長いのに、「読んでみたい」と評判になった作品名の記憶が無いのだから、やはり大衆小説作家としてはあまり腕が良くないのだろう。本の題名から察して「明朗時代劇」小説かと思ったが、ユーモアセンスが無い。あまり腕の立たない侍を主人公にしたのは面白いかなと思ったが、それも「爽快感の無さ」にしかつながらない。まあ、読むのに苦労しないのが(時代小説はたいていそうだが)取り柄か。山本周五郎あたりの若書きで不出来な小説のほうが、欠点はあっても面白さや魅力は上だろう。もっとも、私は池波正太郎や藤沢周平なども、臭みが強くてさほど好きではない。上手いのと魅力の有無は別である。下手でも魅力がある作家はいるし、そういう小説はある。
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