「いろいろな食品をバランスよく食べればトランス脂肪酸による健康リスクは低いと推定されます。」
と言っているが、無自覚的に毎日の食事をしている人間も多いのではないか。
ショートニングは、パンやケーキ、クッキーなど、女性の好きな食品で良く使われるから、その手の食品の好きな人は要注意だ。
(以下引用)
ショートニング」とは、どのようなものですか。また、「トランス脂肪酸」というものが含まれていると聞きますが、これについても教えてください。
回答
ショートニングとは、精製した動物油脂、植物油脂などを主原料とし、これに10~20%程度の窒素ガスや炭酸ガスなどを吹き込みながら練りあわせて製造した無味無臭の食用油脂です。固体状のもの、クリーム状のもの、粉末状のものなどがあり、19世紀末のアメリカでラードの代用品として生まれ、ラードコンパウンド(ラードの代用品)とも呼ばれていました。用途としてはクッキーやビスケットといった焼き菓子、パン、アイスクリーム、フライ用の揚げ油などに用いられています。「ショートニング」という名称は、パン、ビスケットなどをサクサクさせるという意味の英語(shorten)からきていて、ショートニングを焼き菓子に使用すると、文字通りサクサクとした軽い食感を出すことができます。トランス脂肪酸とは、トランス型二重結合という構造を持つ不飽和脂肪酸の総称です。トランス脂肪酸は、植物油など液体状の油脂から、マーガリンやショートニングのような固体状の油脂を製造する加工工程で生成するほか、牛乳や牛肉など反すう動物由来の脂肪にも天然に含まれているものです。トランス脂肪酸の過剰摂取はある種の心疾患のリスクを高める要因となることが示されており、世界保健機関(WHO)ではトランス脂肪酸の摂取量の上限目標値を設定しています。これまで日本で行われたトランス脂肪酸の摂取量調査では、トランス脂肪酸の平均的な摂取量はWHOが設定した目標値を大きく下回っており、いろいろな食品をバランスよく食べればトランス脂肪酸による健康リスクは低いと推定されます。農林水産省では、現時点で得られている科学的な知見、データから、日本の場合には食品中のトランス脂肪酸についてすぐに規制を行う必要性は低く、食生活の中で脂肪の取りすぎを控えることがより重要と考えています。トランス脂肪酸に関するさらに詳しい情報は、農林水産省ホームページをご覧下さい。
参考資料
「調理師教科全書4(食品学)」(社)全国調理師養成施設協会、日本マーガリン工業会ホームページ公表資料「ショートニングとラードの基礎知識」http://www.j-margarine.com/kiso2/short.html、農林水産省ホームページ公開資料「すぐわかるトランス脂肪酸http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/
回答日
平成21年8月
消費・安全局消費者情報官消費者の部屋
ダイヤルイン:03-3591-6529