忍者ブログ
ゲーム・スポーツなどについての感想と妄想の作文集です 管理者名(記事筆者名)は「O-ZONE」「老幼児」「都虎」など。
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
11
25 26 27 28 29 30
フリーエリア
最新CM
最新TB
プロフィール
HN:
o-zone
性別:
非公開
バーコード
ブログ内検索
P R
カウンター
[1520]  [1519]  [1518]  [1517]  [1516]  [1515]  [1514]  [1513]  [1512]  [1511]  [1510
知っているようで知らない言葉である。



(以下引用)




医局とはなんですか?メリットデメリットを教えて下さい



なぜ海外にはないのですか?

補足白い巨塔は医局を糾弾しているわけですから、医局は①日本独自であり②象牙の塔であるのではないですか?


閲覧数:
10,075
回答数:
2

違反報告


ベストアンサーに選ばれた回答

編集あり2011/3/3020:44:33



「医局講座制」「医局制度」という意味での医局ですね。
いわば、医者の「人事制度」のひとつの在り方です。
(Wikipedia→http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%BB%E5%B1%80

医師の「詰め所」という意味で、休憩室・控え室を兼ねた執務室を「医局」とも言いますが、質問者さんの聞きたいことではありませんよね。

医者になるということは医学部(6年)を卒業して、医師国家試験を受験し、合格して医師免許を取得するということです。
医師免許を手に入れれば、基本的に医業=医者としての仕事の何をしても良いのですが、卒業してすぐに手術ができるわけでもなければ、患者の診断や治療ができるわけではありません。
つまり、研修医として修行しなくてはならないわけです。どこで修行するかといえば、かつては自分の卒業した大学の希望する科目、内科なら内科、外科なら外科、眼科なら眼科にまず所属するわけです。この、各科目が「医局」なわけで、科目=講座と結びついているので「医局講座制」と呼ばれています。大学の医局は実際の医療(=臨床)のみならず、研究、教育、医師の人事などをつかさどる非制度的組織であり、こうした成り立ちを「医局制度」といいます。

例えば、○○大学医学部外科があります、その外科は大学において教授を筆頭とする組織をなしています。この組織を「医局」あるいは「教室」と呼ぶのです。実は市中の病院の多くは、こうした大学の「医局組織」と結びついていて、例えば××市民病院の外科の医者は○○大学の外科のOBで構成されており、新しい人事も大学から人材供給を受けているという仕組みになっています。
つまり、大学が本社で、市中病院がその営業所。教授が本社社長で、営業所の人事権は本社の社長である教授が担っている、というのが医者の人事の仕組みなのです。

メリット
医局組織として
・優良病院の重要ポストを自らの医局のOBが占めることができる。
・新卒の研修医を研修させる市中病院を確保することができる。
・いくつもの病院を横断的に集約した研究や臨床実績をあげることができる。

所属する医師としては
・就職先を確保できる。
・大学の「医局員」として、大きな規模の研究や臨床に従事することができる。
・大学の認める「医学博士」としての学位を取得できる。

医局と関連した病院にとっては
・安定した人材源を確保できる。

などが挙げられるでしょう。

デメリット
医局として
・他の大学との交流が閉ざされ、閉鎖的・独善的な組織になってしまう。(学閥主義)

医師個人として
・特定の科目への所属することで、「専門バカ」になりやすい。
・医局の人事権に従わざるを得ず、不本意な人事に逆らえない。
・医局員として、医学・医療に直接関わらない雑務も担わなくてはならない。

関連病院にとって
・どんな医師を派遣されても文句が言えない。
・人事権を人質に、様々な協力を要請される。(寄付金、学会や研究会への協賛など)

といったところでしょうか・・・

小説「白い巨塔」(映画にもドラマにもなりましたが・・・)はご指摘の通り、この「医局講座制」の悪弊を描いた名作ですが、原作の時代背景としては昭和30年代くらいです。田宮二郎主演の昭和版TVドラマは原作に忠実であり、時代背景ともマッチして話題作となりました。唐沢寿明主演の平成版は、かなり現代風にアレンジされていますが、やや時代的に無理な面もあります。

2004年から始まった新しい臨床研修制度の結果、大学医局を経由せずに直接市中病院へ研修医が就職する制度となり、ひとまず医局講座制は縮小の方向に向かっています。医師の人材派遣企業(大学と無関係な「民間医局」)も出現しました。個人の医師も大学医局と関係を持たず、自分のキャリアや技術で病院に就職する医師も増えつつあります。
その結果、地方やへき地の病院へ行く医師が減り、新研修制度が地方の医療崩壊の引き金となったと批評されています。そういう事態になってから「医局講座制」も悪いことばかりでは無かった、と言われ出している昨今です。

海外の事情については寡聞にしてよく存じませんが、元来の「医局講座制」は医学と同様、ドイツから取り入れられた制度のようです。現在のドイツに医局制度があるかどうかは知りません。
アメリカには医局制度はありません。医師はプロスポーツ選手のように自分のキャリア・スキルを書いた履歴書と共に病院や医療施設と雇用交渉をします。

日本の医療界がどういう人事制度を望んでいるのか、現在は過渡期ですが、医局制度もフリー制度も一長一短があり、しかも「誰にとって」良い制度なのか?という視点も複雑で、なかなか知恵袋の範囲ではお答えできません。


PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
忍者ブログ [PR]