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ゲーム・スポーツなどについての感想と妄想の作文集です 管理者名(記事筆者名)は「O-ZONE」「老幼児」「都虎」など。
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私は広尾晃の「今の基準では」とか「世界標準では」とか「ルールが変わった」という言い方が大嫌いなのだが、中畑の考え方もおかしいわけで、愛情があろうと無かろうと暴力は暴力にすぎない。
相手が自分の子供や妻だろうが、自分とは別人格の「他者」なのであり、そういう相手に暴力をふるうのは、結局相手が「弱者」だと思っているからだろう。それは、監督やコーチが部員に暴力をふるう場合も同じだ。ヤクザが一般人に暴力をふるうのも同じだ。兵士が民間人に暴力をふるうのも同じだ。社長が社員に暴言を吐くのも同じだ。
愛情ゆえの暴力など存在しない。

(以下引用)



スポニチで暴力、パワハラ問題について語っている
【中畑清 キヨシスタイル】パワハラ問題…暴力はダメ!でも情熱持つ指導者は必要
暴力がダメなのは分かってるよ。でも、なんでもかんでも暴力だ、いじめだと決めつけていいものか。教育、しつけのために愛情を持って手を上げるケースもある。
大事なのは手を出すにいたった理由。そして手を出された選手がどう受け止めているか。そこのところをしっかり精査してもらいたい。手を出したら一律アウトなんてことになったら、情熱を持った指導者はいなくなるんじゃないかという怖さを感じるんだ。
私たちが育った時代は殴られて当たり前。ケツバットもされたし、ボールを足に挟んで正座させられたこともある。痛かったし、つらかった。でも、今では感謝の気持ちの方が強い。痛みをこらえることで我慢を覚え、どれだけ免疫力を高められたか。大人になってからどんな壁にぶつかっても乗り越えられる。
昭和のカリスマ指導者はみんな、今ならパワハラと指摘されてしまう指導をしていたはずだ。パワハラのないスポーツなんてなかったんじゃないかな。


昭和の時代のスポーツ指導者は、こう思っているだろうなあ、という見本のような意見だ。
要するに、暴力を全否定したら情熱のある指導者はなくなる、というのが趣旨だ。「暴力」は情熱の一表現であって、選手への愛情があればそれは許されるということになる。

中畑清のこの意見は、今の基準では全否定されなければならない。
大事なのは手を出すにいたった理由。
どんな理由があっても、手を出せば全部アウト、追放である。

スポーツ界はすべての暴力を排除するところからスタートしなければならない。
「情熱のあまりだからOK」「愛情だからOK」「暴力を受けた側が感謝しているからOK」ということになれば、選手が被害届を出さない限り、すべての暴力が容認されることになる。
加害者は誰も「殴りたかったから殴った」「憎かったから蹴った」とは言わない。

民主国家である日本の法律では人権擁護の観点から、すべての暴力が刑事犯罪と認定される。しかし学校内やスポーツ団体、チーム内では「愛情があれば」人を殴っても良い。
そういうダブルスタンダードがこれまではまかり通っていた。そのこと自体が異常だったのだ。

さらにいえば「情熱」「愛情」の表現の一つが「暴力」「パワハラ」であるという今の日本のスポーツ界の異常性、後進性を認識すべきだ。牛や馬のように蹴ったり叩いたりして選手にスポーツを仕込むのは、今どきのスポーツの概念にはない。スポーツ選手も人間であり、言葉も通じるし、理論も理解できる。昭和の時代の指導者よりも知的レベルは上だ。その野蛮さ、レベルの低さを認識すべきだろう。

率直に言えば、この中畑清の意見に「そうだそうだ」とうなずくような指導者は、みんな即刻辞めた方がいい。今の基準に照らせば、あなたがたがやっていたのはスポーツ指導でも教育でもなく「隷属」「強制」「調教」であり、人権侵害だ。やくざと何ら変わらない。

端的に言えば、社会規範のルールが変わったのだ。昔はOKだったものが、ルール改正でだめになったのだ。そういう風に理解するしかないだろう。
「情熱があれば暴力も容認される」というのは「昔は打ってから三塁側に走ってもOKだった」というのと同じくらい「変」なのだ。

中畑清という指導者は滑稽で、明るくて、大好きだが、それだけに残念に思う。


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