8日放送の「荒川強啓 デイキャッチ!」(TBSラジオ)で宮台真司氏が、アニメ映画「思い出のマーニー」を批評する中でネタバレしてしまう一幕があった。

「宮台真司が語る夏のアニメ映画」として宮台氏は、コーナー冒頭から「ネタバレ満載なので、嫌な人はボリュームを絞るか、すぐにラジオスイッチをを切ってください」と宣言しつつ、「思い出のマーニー」を「通過儀礼ものです」と位置づけ、作品の批評を始めた。

宮台氏は「少女がある夏のエピソードを機に大人になる。逆に大人になることの中身は、親に対する恨みから、やはり自由になるというお話なんですね。人を恨んでいる時には、依存しているから恨んでいるわけですよね。で、恨みから自由になるということは、自立するということで、やっぱり自立がテーマなんです」と語る。「STAND BY ME ドラえもん」とテーマは同じだという。

続けて宮台氏は「で、あの実は、まあ病気なので療養に、いわばサナトリウムに行くんですね。そうするとそこで、ある少女に会うの主人公のアンナっていうのが、マーニーっていう金髪の少女に会うんです」と、映画のあらすじを語る。

ここから宮台氏は、作品の内容も明らかにしていった。

「とてもお金持ちの少女、マーニー。お母さんたちはいつもパーティーをやっている、みたいなね。で、あなたは幸せだけど、私は不幸せだなっていう風に思っていると、実は私(マーニー)はあなた以上に酷い人生なの、っていうことで、自分の境遇をマーニーが喋るんですね。それで、主人公のアンナは衝撃を受ける。要はですね、ネグレクト(育児放棄)されてきて、なおかつ、お手伝いさんとかお婆ちゃん、いわば婆やに、散々いじめを食らっているのがマーニーっていう存在なんですね。それなのに明るくて、優しく振舞っている」と宮台氏は映画の予告編でも触れられていないマーニーの境遇を語る。

さらに「それを見て、いろんな交流はその後あるんですけども、最終的に、マーニーとの出会いによって、そのマーニーを守るっていう立場に、アンナが転じるんですね。受動性から能動性に転じる」と、劇中で描かれるアンナの変化も明らかにした。

そして宮台氏は「同時に、思い込みによる恨みから自由になって、最後はそのまま母のことを「おばさん」って呼んでいたのを、「お母さん」と呼べるようになる、っていうふうなエンディングなんですね」と、あっさり映画のエンディングも語ってしまった。

原作と映画の違いについて宮台氏は「背後がね、これは原作はもともとイギリスの海辺なんですけども、北海道に設定されている。またロケーションをですね、ものすごく厳密にハンティングしたんだと思うけど、素晴らしい自然の描写で。まさにそういう場で、お婆ちゃんの幻に会う」と、映画の肝でもある、アンナの祖母の幻が登場することも明らかにする。

ここからがまさに真のネタバレなのだが「そう、マーニーっていうのはね、ネタバレですよ? アンナのお婆ちゃんなんです」と宮台氏は放送で語る。

これにはパーソナリティの荒川氏も「あら、言っちゃった。そこまで言わなきゃ良かったのに」 と、ため息を漏らした。

だが宮台氏のネタバレトークはまだ終わらず「何でお婆ちゃんが、アンナの前に現れてきたのかっていうと、アンナが思い込みによって潰れて行ってしまうのが、可哀想でならなかったから出てくるわけね。で、実際そのお婆ちゃんの後の代々の、これは言いませんけど、不幸の連続なんですね。で、不幸を断ち切りたいと思って、お婆ちゃんが出てきて、マーニーとして出てきて、アンナをエンパワーし、首尾よく自立し、前向きに未来に向かって行くというお話でした」とオチをほぼ完全に語ってしまう。

コーナーの最後には荒川氏の「あーあ」という、呆れたかのようなため息が漏れた。