このウェブマガジンは苫米地英人が発行者らしい。なかなか奇妙な話題を取り上げていることが多いようだ。
自称虚業家康芳夫が言っている「イスラム国志願兵と特攻隊員のメンタリティの違い」、という問題は面白い問題提起だと思う。
(以下引用)
■『絶歌』は低次元の書物
――先日「家畜人ヤプークラブ」を再開されたのは、まだ何かをやりたいという欲求なんですか?
「暇潰しですよね……そういう意味でいえば、メルマガはおもしろいですね。(神戸連続児童殺人事件の犯人である)少年Aの著書(『絶歌』)についても自分の見解を出しますよ(既に出ているのでウェブを参照)」
――A少年が出した本がベストセラーになってお金持ちになることについて、世間では非難の声が上がっていますが。
「まあ法的には問題ないよね。人を殺したんだから当然社会的制裁を受け続けてるわけなんだけど。まあ今回の本がお金がほしいって気持ちや、功名心からきたんだとしたら、くだらない話だよね。そうでなくて、たとえば殺人に対する彼の哲学的根拠をもって出したんなら、それは立派なものですよ。しかし『絶歌』には超越的哲学はほんのこれっぽっちもない。低次元の書物だよ」
広告代理店に活躍の場を奪われたといっても、康芳夫は絶えず現実社会とリンクしていたのだろう。ひとたび口を開けば、過去の麻原彰晃や吉本隆明のように、現在の最前線に質問状を送り続けているのだという。
■百田尚樹に突きつけた質問
「作家の百田(尚樹)にも僕は質問してるんだよ。イスラム国に志願してゆく青年が世界中にいますよね。彼は『永遠の0』で特攻隊の物語を書いているが、イスラム国志願兵と特攻隊員のメンタリティの違いを彼に訊いたんだが、答えないんだよ! 何度も訊いているのに。今度彼が連載している編集長を通して直接やってやろうと思ってるよ(笑)。これは答えたらヤバい質問だと思ってるから答えられないんだ」
これはまさに現在のインターネット社会でいうところの「凸る」という行為そのもの。誰もが答えたがらない真に迫る核心部分を嗅ぎつける視線。昭和の怪プロデューサーはインターネットが普及する遙か前から、そこを攻撃し続ける好戦的なアクティビストだったのだ。齢80を前にTwitterを駆使しているのは伊達ではない。
――今度から康さんが絶対に答えられない質問を出すっていう企画をどこかでやるべきですね(笑)。
「ははは(笑)、ぜひやりましょう。そちらのサイトでいいですよ。では一度おたくのボスである苫米地さんにも会わせてくださいよ。脳科学者でしたよね? まああの茂木(健一郎)っていうのも僕の弟子みたいなもんなんだけど、脳科学ってのはこれですよ(眉に唾を付ける)。でも、苫米地さんは彼らとはちょっとレベルがちがうという気がする」
――そうなんですか?
「いわゆる脳科学っていうのはこんな曖昧なものないってものなんですよ。洗脳された人間をを解放すると言ってメンタルコントロールするということ自体、別の世界に人を引きずり込んでいるのよ。これ厳密に言うと、別の洗脳なんです」
虚業家の視線は無差別全方位に、虚実の間を照らし続けているのだ。