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ゲーム・スポーツなどについての感想と妄想の作文集です 管理者名(記事筆者名)は「O-ZONE」「老幼児」「都虎」など。
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中西清起は現役時代はあまり評価していなかった投手だが、この記事の技術論は面白い。腕の縦振り横振りの球威の違いがよく分かる。しかし、そうすると、もともとサイドスローの投手の存在価値はどうなのか。青柳など、打ちにくい投手とされているはずだが。

(以下引用)

阪神-広島 藤浪を中西清起氏がライブ評論/速報中
[2020年8月14日15時50分]
更新
<阪神-広島>◇14日◇京セラドーム大阪

阪神藤浪晋太郎投手(26)が2年ぶりの勝利をかけて、今季4度目の先発マウンドに上がります。ニッカンスポーツ・コムでは、注目の一戦の模様をライブ速報するとともに、本紙評論家・中西清起氏によるライブ評論を行います。ルーキー時代から見てきた中西氏がスピーディーに、タイムリーに解説します。

広島先発は森下。

一球速報


チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
広 島 3 0 1 0 0 2 0 0   6
阪 神 0 0 0 0 0 0 0 0   0

【広】森下

【神】藤浪、尾仲、望月


試合経過
<1回> 

広島

【藤浪の投球内容】

1番西川 初球152キロ直球を中前に運ばれ、無死一塁

2番羽月 フォークで追い込むも、152キロ直球を左前に運ばれ無死一、二塁

3番長野 134キロカットボールをはじき返されるも、二塁手植田が好捕し二塁送球。1死一、三塁

4番鈴木誠 4球目の低めフォークをうまく打たれ、左前適時打で先制を許す。 神0-1広 なおも1死一、二塁

5番松山 カウント2-2から低め155キロ直球をとらえられ、左中間への2点適時二塁打。神0-3広 なおも1死二塁

6番坂倉 148キロ直球で左飛に打ち取り、2死二塁

7番堂林 5球目の132キロカットボールで右飛に打ち取る


中西清起氏の評論
藤浪は初回、4本の長短打を浴びて3失点。その要因を解説しました。

  ◇    ◇    ◇

初回の藤浪は多くが腕が横振りになっていた。上からたたけていないからシュート回転して甘くなり、球速は150キロを超えていても痛打を繰り返した。長野の4球目、鈴木誠の3球目の真っすぐは縦振りで良かった。その割合を多くすることが2回以降のポイントになる。こういう場合、私が投手コーチの時はベンチに戻ってきたら、フォークやカーブを多投するように指示した。フォークやカーブは縦振りでないと、いいところに決まらない。2回は腕の振りに注目したい。

 

阪神 3者凡退。


阪神対広島 阪神先発藤浪晋太郎(撮影・上田博志)
阪神対広島 阪神先発藤浪晋太郎(撮影・上田博志)
阪神対広島 1回表広島1死一、三塁、左前へ先制適時打を放つ鈴木誠也(撮影・清水貴仁)
阪神対広島 1回表広島1死一、三塁、左前へ先制適時打を放つ鈴木誠也(撮影・清水貴仁)
阪神対広島 1回表広島無死一塁、左前打を放つ羽月隆太郎(撮影・清水貴仁)
阪神対広島 1回表広島無死一塁、左前打を放つ羽月隆太郎(撮影・清水貴仁)
阪神対広島 1回表広島1死一、二塁、松山竜平に左中間へ2点適時二塁打を打たれる藤浪晋太郎(撮影・清水貴仁)
阪神対広島 1回表広島1死一、二塁、松山竜平に左中間へ2点適時二塁打を打たれる藤浪晋太郎(撮影・清水貴仁)
阪神対広島 1回表広島1死一、三塁、鈴木誠也に左前先制適時打を浴びた藤浪晋太郎(撮影・上田博志)
阪神対広島 1回表広島1死一、三塁、鈴木誠也に左前先制適時打を浴びた藤浪晋太郎(撮影・上田博志)
阪神対広島 初回3失点でベンチに戻る藤浪晋太郎と矢野耀大監督(撮影・清水貴仁)
阪神対広島 初回3失点でベンチに戻る藤浪晋太郎と矢野耀大監督(撮影・清水貴仁)

<2回> 

広島

【藤浪の投球内容】 

8番田中広 6球目のフォークがわずかに外にずれて四球

9番森下 捕犠打で1死二塁。続く西川への初球で、田中広が三盗を試みるも盗塁死

1番西川 内角低めの154キロ直球を右前に運ばれる。続く羽月の2球目に二盗を決め、2死二塁。さらに羽月への4球目、内角低めのフォークが暴投となり、2死三塁

2番羽月 6球目の外高めカットボールで遊ゴロに仕留め無失点



中西清起氏の評論
藤浪は2回、ピンチを招きましたが何とか0に抑えました。

   ◇   ◇   ◇

藤浪は2回もまだ横振りの投球が多かった。田中広が三盗に失敗した広島のまずい攻めに助けられ、何とか0に抑えた印象だ。右前に運ばれた西川の当たりも低めの150キロ超えで軽々と運ばれた。空振りも取れないし、打者は150キロの球速を感じていないのだと思う。横振りは腕が遠回りするから、打者が距離を感じない。投手は体に巻き付くように上からたたいて、体重移動もしっかりして、腕を打者方向に伸ばせている時がベストピッチ。この投球をされたら打者は投手との距離をものすごく近く感じる。一方の広島先発森下はそれができている。比較して見ていただきたい。


阪神 3者凡退。


阪神対広島 2回表広島1死二塁、打者西川龍馬の時に走者田中広輔が走るも捕手梅野隆太郎がアウトにする(撮影・清水貴仁)
阪神対広島 2回表広島1死二塁、打者西川龍馬の時に走者田中広輔が走るも捕手梅野隆太郎がアウトにする(撮影・清水貴仁)

<3回> 

広島

【藤浪の投球内容】 

3番長野 3ボールと先行。フルカウントから149キロ直球が内角高めに大きく抜け四球

4番鈴木誠 真ん中高めに入った2球目の150キロ直球をとらえられ、中前打。無死一、三塁

5番松山 131キロカットボールで遊ゴロ併殺。その間に三塁走者の長野が生還し、4点目を献上

6番坂倉 132キロカットボールで遊ゴロ


中西清起氏の評論
3回は先頭長野への四球と鈴木誠の中前打後、松山の併殺打の間に1点を失いました。

  ◇    ◇    ◇

長野に与えた四球のラストボールはとんでもないすっぽ抜け。過去3試合、このようなボールはなかった。鈴木誠には中前に落とされたけど、真っすぐがシュート回転している分、甘くなって、あそこまで運ばれて落ちる。球威があれば内野フライのコースだ。何球か縦振りのいい球もあるけど全体的に横振りのまま。「どうしたんだ、藤浪」という感じだ。今季4試合目の先発だが、一番状態はよくない。


阪神 木浪は空振り三振。植田は遊ゴ。藤浪は見逃し三振。3者凡退。


阪神対広島 3回表広島無死一塁、中前打を放つ鈴木誠也(撮影・清水貴仁)
阪神対広島 3回表広島無死一塁、中前打を放つ鈴木誠也(撮影・清水貴仁)
阪神対広島 3回表広島無死一、三塁、長野は松山の遊ゴロ併殺で生還し笑顔でポーズ(撮影・上山淳一)
阪神対広島 3回表広島無死一、三塁、長野は松山の遊ゴロ併殺で生還し笑顔でポーズ(撮影・上山淳一)
阪神対広島 3回表広島無死一、三塁、松山竜平が併殺も三塁走者長野久義が生還し笑顔をみせる森下暢仁(中央)(撮影・清水貴仁)
阪神対広島 3回表広島無死一、三塁、松山竜平が併殺も三塁走者長野久義が生還し笑顔をみせる森下暢仁(中央)(撮影・清水貴仁)
阪神対広島 4回裏阪神1死、矢野監督(右から2人目)は中谷将大が三振に終わりベンチで険しい表情をする(撮影・上山淳一)
阪神対広島 4回裏阪神1死、矢野監督(右から2人目)は中谷将大が三振に終わりベンチで険しい表情をする(撮影・上山淳一)

<4回> 

広島

【藤浪の投球内容】 

7番堂林 3球目の140キロフォークで空振り三振

8番田中広 4球目の141キロフォークで空振り三振

9番森下 5球目の高め151キロ直球で空振り三振。3連続三振でこの試合初めての3者凡退


中西清起氏の評論
4回は7番堂林からでしたが3者連続空振り三振に斬りました。

  ◇    ◇    ◇

4回はベンチや梅野らのアドバイスもあったのか、フォークも入れて、腕がだいぶ縦に振れていた。だから空振りが取れる。1~3回は、腕を縦に振れるきっかけになるフォークやカーブが少なかった。コーナーを狙う投手ではないので、腕さえ縦に振れれば勝負できる。早いイニングでこの投球をしてほしかったし、それができる投手だから、もったいない。


阪神 3者連続三振。【森下7K】


阪神対広島 4回表、呼吸を整える藤浪(撮影・上山淳一)
阪神対広島 4回表、呼吸を整える藤浪(撮影・上山淳一)
阪神対広島 4回裏阪神1死、中谷将大を見逃し三振に切る森下暢仁(撮影・清水貴仁)
阪神対広島 4回裏阪神1死、中谷将大を見逃し三振に切る森下暢仁(撮影・清水貴仁)

<5回> 

広島

【藤浪の投球内容】

1番西川 フルカウントからカットボールが外にはずれ四球

2番羽月 4球ファウルが続き、5球目の内角低めカットボールで二直。1死一塁

3番長野 外低めのカットボールで空振り三振。2死一塁

4番鈴木誠 7球目の132キロカットボールで空振り三振


中西清起氏の評論
藤浪は5回、先頭西川に四球を与えるも3番長野と4番鈴木誠を連続三振に仕留め、無失点に抑えました。

  ◇    ◇    ◇

5回の藤浪は、長野と鈴木誠を同じカットボールで空振り三振に斬った。でも腕は1~4回以上に横振り。本来の投球ではなく、ごまかして打ち取った印象だ。藤浪は威力のある真っすぐと、フォークを軸にした縦ゾーンで勝負する投手。横振りになると良さが完全に消えてしまうし、5回はフォーム自体を大きく崩してしまっていた。4回の3者連続三振は縦に振れて、いい時の藤浪に戻っていただけに残念。5回の結果だけに満足してはいけないし、これが続くと怖い。


阪神 大山は右飛。ボーアは空振り三振。梅野が中前に安打! 阪神は森下から初安打。しかし、木浪は二ゴロに倒れ得点ならず。【森下8K】


阪神対広島 5回表広島2死一塁、鈴木誠也から三振を奪うも首をかしげながらベンチに引き揚げる藤浪晋太郎(撮影・上田博志)
阪神対広島 5回表広島2死一塁、鈴木誠也から三振を奪うも首をかしげながらベンチに引き揚げる藤浪晋太郎(撮影・上田博志)
阪神対広島 5回裏阪神無死、右飛に倒れた大山悠輔と矢野耀大監督(撮影・清水貴仁)
阪神対広島 5回裏阪神無死、右飛に倒れた大山悠輔と矢野耀大監督(撮影・清水貴仁)
阪神対広島 5回裏阪神2死、中前安打を放つ梅野隆太郎(撮影・上田博志)
阪神対広島 5回裏阪神2死、中前安打を放つ梅野隆太郎(撮影・上田博志)

<6回> 

広島

【藤浪の投球内容】

5番松山 2球目に132キロカットボールを投じ、痛烈な当たりもボーアが好捕し一ゴロ

6番坂倉 3球目の150キロ直球を左前に運ばれ1死一塁

7番堂林 131キロカットボールで三ゴロ。2死二塁

8番田中広 申告敬遠で2死一、二塁

9番森下 5球目の真ん中に入ったカットボールをとらえられ、左翼線へ2点適時二塁打を許す。6失点となり、なおも2死二塁

1番西川 142キロの外低めフォークで空振り三振


中西清起氏の評論
藤浪はラストイニングとなった6回、投手の森下に三塁線を破られるタイムリーを浴び、2点を失いました。

   ◇   ◇   ◇

5回に出た悪い兆候が失点につながった。長野と鈴木誠から、結果オーライで連続三振を奪ったカットボールが、効果的と踏んだのだろう。だが、相手打者から見て、これが一番迫力がなく、打ちやすいボールだ。投手の森下に打たれた2点二塁打はそのもの。まだヒット1本だった新人投手に三塁線を破られる完璧なヒットを打たれては…。藤浪の入団から3年間投手コーチとして見てきて、いい時は縦振り、悪い時は横振りと傾向がはっきりしている。それが顕著に出た投球になってしまった。
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