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ゲーム・スポーツなどについての感想と妄想の作文集です 管理者名(記事筆者名)は「O-ZONE」「老幼児」「都虎」など。
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広澤克実のブログから転載。
野球界には「習慣による強制による習慣」(笑)がたくさんあるようだ。要するに、何の合理性もない指導がたくさんある、というのが私がしばしば述べてきたことである。私が広澤克実のブログが好きなのは、彼は野球界OBには珍しく、事実を事実として探求する姿勢があるからだ。桑田真澄にもその姿勢はあるが、彼の場合はやや「自分の言うことが正しい」ことをアピールしすぎる臭みがある。実際の指導者として桑田が通じるかどうかはやや危ない感じがするのだ。
余談はともかく、「回転数の多い球はスピードが落ちる」ということは、合理的な話だと思う。ボールのスピードを出すのは腕の振りであって、指先で弾くこと(つまり回転数)とは無関係ではないか。指先で弾くこと(回転数を上げること)は、ボールの軌道を、打者の予測より上にするため、速く見える、つまりスピード感が出る、ということだと思う。もちろん、速く見えることが打者には打ちにくい球となるのだから、回転数のある球の方が、実際にスピードのある球(死んだスピードボール)より有益だ、ということも言えるだろう。
また、回転数の少ない球は、「重い球」になるのでは、という予感が私にはあるのだが、その合理的理論はまだ考えていない。そもそも「軽い球・重い球」は野球神話の一つだ、と考える人も多いのである。



(以下引用)



2014年04月25日(金)

岩崎の科学的分析
テーマ:2014タイガース


岩崎という投手は 実に 不思議な投手である。MAXが140㌔にも満たないのに それでいて プロの打者を詰まらせる。

先日のブログにも書いたが球場のスピード測定器は 車のスピード違反を取り締まるオービスと似たような仕組みである。電磁波をボールに照射し、反射波を測定するわけなのだが 機械は騙されない。

つまり、岩崎の投げるストレートは 実際に 136㌔前後なのだろう。騙されているのは 人間の目の方だ。実は 私は このような不思議なストレートが大好きで ある大学の物理の先生に 空気力学を聞いたり、 万有引力の法則を聞いたりしたことがある。

そこには 野球界で一般的に言われている事が まったくの勘違いだったなんて事がたくさんあった。
まずは バットだ。
これまで長距離打者は ヘッドに重みがきいたバットを使え、と指導されてきた。当然 身体の小さい人より重いバットになる。軽いバットで打った時の飛距離とヘッドのきいた重いバットで打った時の飛距離は ヘッドのきいたバットの方が遠くへ飛ぶ、と指導されていた。

当時、950g前後のバットを使っていた。(晩年は 930gだった)
ところが、科学的にはボールを遠くへ飛ばす要因に バットの重量は関係しないという。145g前後のボールを遠くへ飛ばす為の要因は ヘッドスピード・打ち出し角度・ボールの回転数なのだそうだ。

そしてそのヘッドスピードを上げる為には バットは軽い方が有利だ。重いバットを使うという事は ヘッドスピードを遅くする原因になり 飛距離を落とす事になるという説明を受けた。なんと、逆効果な指導を受けていたのだ。

現在、プロ野球の選手が使用しているバットは900gぐらいで 中には800g後半のバットを使用している選手もいる。野球のバットの10gは 大変な違いなのだ。レギュラークラスの選手なら 1g単位で違いが分かると思う。それが 当時 私が使用していたバットと現在の選手が使用しているバットが30gも違うのだ。

もちろん、バットを軽量化する技術も上がったのだろうが 同じ選手が 900gのバットで打った時と930gのバットで打った時の飛距離は 10メートルも違うという計算も先生がしてくれた。何か 損をした気分だ。

これに似た話が 投手が投げるボールの回転数だ。プロ野球界では 投手の投げるボールは 回転数があればあるほど良いボールとされている。したがって、投手の努力目標も 「どうしたら 回転数が多いボールを投げられるか」になるのだ。

ところが 物理の世界では 回転数が多ければ多いほど減速する。145gの球体に回転数を多く与えると 空気抵抗により上に上がろうとする揚力が働く。それに伴って 前に進もうとする直進性が失われ減速する、というのだ。

つまり、減速しないボールを投げる為には 回転数を抑える投法を身に付けなければならないという事だ。 なんとも野球界の常識とは 矛盾した話だ。

岩崎のストレートが どんな物理的要素で 人間を錯覚させるかは 私には分からないが もしかしたら 物理の先生が言っていた減速しない回転数の少ないボールかもしれない。投手の努力目標を「速いストレートを投げる事」や「回転数の多いボールを投げる事」から 「減速しないボール」に変える事で 新しい道が開ける人間は多いハズだ。

金太郎アメみたいに一辺倒な指導ではなく 選手それぞれに合ったスタイルを見つけてあげるのも指導である。指導者としてのスキルを上げる為にも 岩崎のストレートを物理的に研究して欲しい。

もしかすると これが 新しい変化球になるかもしれない。減速しないボールは ひとつの魔球になり得る。しかし、つくづく面白い投手が現れたものだ。





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