落合博満氏 投手の癖で決して直せない部分とは 相手投手に癖を教えたことがある過去も明かす
現役時代に3冠王を3度獲得し、監督としては中日を4度のリーグ優勝に導いた落合博満氏(68)が18日、自身のYouTube「落合博満のオレ流チャンネル」を更新。現役時代の投手の癖の見つけ方、その活用法などについて持論を展開した。
まず、投手の目線を見て、コースを読んでいたとの「落合伝説」については「人が言ったことであって、俺は目線で(コースの)内か外かって、そこまでは見ていなかったと思う。ただ(阪急、オリックスなどで活躍した)山沖(之彦)だけはアウトコースに投げる時だけ、目線がずれたってことだけは知っていたけどね。あと他のピッチャーは知らない」とあっさり語った。
投手の癖については「分かるピッチャーと分からないピッチャーがいる。昔はね、グラブの位置とか、(グラブの手が)開いているとか、(利き手である)右手がグラブから見えてるとか、見えていないとか。(セットポジションでお腹の位置に)収めた時に、グラブが立っているとか、横になっているとかっていうことの癖の調べ方というのが主流だった」と落合氏。ただ「まるっきり分からなかった。(同僚などから)教えてやるよと言われたけど、まあそれはいいですって言って。万が一、1試合で癖を直されたら、自分の身が危ないんでね」と活用していなかったことを明かした。
その中でも、「直らない癖」というものがあるという。「(癖は)ばれるとまた新しいものやるんだ。そうすると、また新しいばれる箇所が出てくるから。その追いかけごっこだった。でも、投げるフォームだけは(癖の箇所は)変わらないんだ」と話した。
ただ、これは動きの中での微妙な変化であることもあり「ここフォームが変わるじゃないって言ってても、分からないという人が多かった」と落合氏。一例として「一番分かったのは、カーブの投げ方。カーブはもう、曲げたいから、(右投手で)左肩が真っ直ぐ出てくるんだったら真っ直ぐだけれども、カーブの時ってのは(左肩が)上がるんだ。上がって(その反動で右手を)上から投げたいとか。フォームが変わっちゃうという見方はできた」と話した。
その上で、1970年代から80年代にかけて中日、阪急などで活躍した稲葉光雄氏に癖を指摘したことがあるとし「稲葉さん、カーブの投げ方分かりますよ」と伝えると「お前は分かるけど、他のバッターは分からないからいいんだって言われた」とのやりとりを明かした。
「なんでこんなにはっきり癖が出てるのに、分からないのかなって、不思議に思った」という落合氏。「やっぱり見る目線が違ったってことなんだろうなって思う」と語った。